Archive for the ‘業務日誌’ Category

相続登記義務化と司法書士業務の未来

2021-03-01

相続登記義務化されることについては、先日ホームページ内でお話した通りです。

「相続登記と言えば司法書士」というイメージにはなってきています。

神戸の法務局でも「相続登記は司法書士へ」というポスターがよく貼ってあります。

さて、そうなると、この相続登記義務化は司法書士業界にとって追い風となる。というのが大方の見方です。

当然、義務化がこのまま実現すれば相続登記の件数は増加するでしょう。

相続登記が未了の不動産もどんどん減っていくことでしょう。

そうなると相続登記を処理する業種が儲かる。

つまり司法書士が儲かるという流れです。

この流れは恐らく正しいです。

ただ、相続登記の義務化により、こうはならない予想もすることができます。

例えば、相続登記の義務化に伴い、登記の申請方法が簡素化されるとどうでしょう。

現行の民法、あるいは不動産登記法では相続登記を申請するには多くの戸籍謄本・除籍謄本等を収集する必要があります。これが第一のハードルです。

亡くなった方が一度も転籍等をしていなかったり、親族がみなさんお近くにおられればそれほど大変ではありません。

しかし、転籍・養子縁組・婚姻・離婚などが複数回あれば集めるべき戸籍も大量になっていき、一般の方では中々集めきれないということもよくあります。

ただ、今回の義務化に伴い、個人の戸籍の変遷が一つの役所で収集可能となればどうでしょう。

色々な役所に郵送請求をし、何度も役所へ足を運ぶ必要がなくなれば、一般の方でも十分収集が可能となります。

これは、近い未来で実現ができそうな気もします。

 

第二のハードルは、遺産分割協議書等の書類の作成です。

相続人が不動産を共有で持つ状態を避けるため、多くの場合は所有者を少なくしていきます。

その方が、後の手続きが楽になったり、相続人がどんどん増えていくことを避けられるからです。

このハードルは既に解消されつつあります。

理由はインターネットの普及です。

一般的な相続登記に用いる遺産分割協議書はネットの検索で調べることができます。

正直、プロの司法書士から見るとお粗末なものもありますが、法務局が親切になっていることもあり、ネット程度の書面でも登記が進んでいくようです。

 

3つ目のハードルは、不動産の調査です。

持っている自宅のみであれば、不動産を相続し忘れることはあまりありませんが、田舎の山林であったり、市道を持っていた場合はよく登記漏れがあります。

現在は、司法書士が相続人から依頼を受け、各役所へ「名寄せ」という形で不動産の評価証明書を取り寄せることでできる限り漏れなく登記することができています。

ただ、相続登記の義務化により相続人への所有不動産の通知は高い確率でなされるようになるでしょう。

相続財産に不動産があることを通知しなければ登記が進むはずがないからです。

つまりこのハードルは義務化に伴い解消されると思います。

 

最後のハードルは登記申請そのものです。

一般の方は、書面で申請書を作成し、法務局へ出頭し、登記申請を行うことが多いでしょう。

しかし、少しずつですが資格者以外の方へ向けてのオンライン申請も普及しています。

これがもっと高い割合で実現すれば、法務局へ行く必要もなくなるのです。

 

これらのハードルが相続登記の義務化に伴い解消されれば、司法書士の業務はむしろ減少するでしょう。

しかし、私はある意味当然ではないかと思います。

登記とは本来手続きであり、一般の方でもできるような制度であるべきだからです。

誰でもできる業務が減っていき、司法書士にしかできない業務をやっている司法書士が残っていく、そんな時代へ変わっていく時なのかもしれません。

 

以上が相続登記の義務化に伴う、司法書士業界の変化のマイナス面での可能性です。

最新の情報を逐一収集し、生き残る側の司法書士になっていこうと感じたニュースでした。

最近増えている業務(年度末編)

2021-02-12

年度末がだんだんと近づいてきました。

司法書士業界も年度末、特に2月後半〜3月にかけては忙しくなってきます。

ありがたいことに、私の事務所でも年度末のバタバタした雰囲気が少しずつ押し寄せてきました。

さて、この年度末、特に増えてくる業務は「不動産決済」に関する業務です。

司法書士の王道とも言える業務ですが、具体的に司法書士がどんな段取りで動いているのかをご説明していきます。

不動産決済・不動産取引に関する業務で司法書士が表舞台に出てくるのは最後の最後、残代金の支払いの場面です。

通常、不動産のような大きな買い物をする場合は、手付け金と残代金の2回に分けて代金を支払います。

残代金の決済では、数百万円〜数千万円、時には数億円といったお金が動くことになり、そのお金が動くことで所有権が売主から買主へと移るのです。

しかし、所有権というのは権利であり、目に見えません。

その目に見えぬ権利をしっかりと公示させていくのが司法書士の役目なのです。

司法書士は、残代金の決済当日、お金が実際に動く前に権利証、印鑑証明などの書類、当事者の意思を確認します。

そして、所有権移転登記を確実にできる状態になって初めてお金が動くことを許可するのです。

つまり、お金の動きと所有権の動きを確実に公示するための最後の砦が私達司法書士なのです。

決済当日はこのように書類、意思の確認をし、お金を動かし、書類を法務局に提出するだけの仕事です。

しかし、この決済当日までには様々な準備を行なっているのです。

司法書士は、不動産決済の依頼を主に不動産業者より受けます。

当日までの大きな流れは2つ、売主側の準備、買主側の準備です。

まず、売主側の準備としては、登記簿上の住所と現在の住所に差異がないかを調べます。

不動産業者からの聞き取りなどで、住所に変更がある場合は、住所の変更登記の準備もしなければなりません。

住民票、戸籍の附表などを見ながら住所の変遷をつけていきます。

これをしなければ、当日、買主に所有権を移すことができません。

他には、売主が不動産に担保をつけている場合があります。

この場合、担保を外す登記をしてから買主に移転しなければなりません。

この登記のためには、金融機関との打ち合わせが必要です。

これも当日までに確実にしておかなければなりません。

以上が売主側の主な業務です。

次に買主側。当然、買主側はまだ登記簿に名前が載っていないので、住所の変更については変遷をつける必要がありません。

しかし、買主は売主とは逆にこれから担保を設定することが多いです。

その場合、貸付を行う金融機関との打ち合わせが必要で、多くの場合、決済当日までに一度はその金融機関を訪れることになります。

これが買主側の業務です。

言葉にするとこれだけですが、これが複数になってくると、打ち合わせの金融機関だけで膨大になってしまいます。

私も最近は、明石〜大阪間をバタバタと走り回っています。

少しでも当日の動きを減らし、ミスなく決済が実行できるように年度末に向け、頑張って行きたいと思います。

売主側、買主側のより細かい業務についてもまたお話していこうと思います。

 

当事務所では、不動産業者様からのご依頼だけでなく、一般の不動産買主様、売主様からの登記依頼も受けております。

信頼できる司法書士に依頼することは、取引当事者の権利です。

今、不動産を売ろう、買おうとしている方で、何か分からないこと、気になることがある方がおられればいつでもご連絡ください。

司法書士と供託ー①

2021-02-08

司法書士の王道業務と言えばやはり、不動産登記商業登記相続登記、この辺りが挙げられると思います。

ただ、それ以外にも当事務所のように債務整理であったり成年後見業務にも力を入れている事務所もあります。

これらの業務は多くの司法書士がやっているのですが、この他にも古くから司法書士の本来業務と呼ばれる分野があります。

それは「供託」業務です。

今回から数回に渡ってご説明していきますので、参考になさってください。

「え、私の悩みが供託で問題が解決できるかも」と思われる方もおられるはずです。

 

ではまず、そもそも供託とは。

供託とは、金銭であったり有価証券を国の機関である供託書(法務局)に提供することで、一定の法律上の目的を達成させる制度のことです。

このままでは分かりづらいので、民法、民事執行法等で規定されている供託の5つの効果・種類からご説明していきます。

まずは、弁済供託

この供託が一番イメージしやすいかもしれません。

以下の具体例をイメージしてください。

・供託者(供託金を支払う人)はアパートの借主

・被供託者(供託金を受け取る人)はアパートの大家さん

・これまでの家賃は5万円だったが、急に大家さんから8万円への増額を言い渡された。

・供託者は納得いかないので、これまで通りの5万円を大家さんに持参したが、増額後の8万円でなければ受け取らないと言われた。

このようなケース。

大家さんの思惑としては、家賃を増額したいというのは建前で、実際は払えない借主たちを追い出して、アパートを取り壊して不動産を売り渡したいということが考えられます。

しかし、急に増額を言い渡された供託者にとってはたまりません。

引っ越すにしてもお金がかかるし、時期によっては動けないこともあります。

「大家が勝手に値上げして、その上、家賃を受け取らないから放置すればいいじゃないか」

とお考えの方もおられるでしょう。(僕も当事者ならそう考えるかもしれません)

しかし、司法書士として回答すると、一切の家賃を払えない状態は非常に危険です。

当然ですが、家賃を払わなければ家を追い出されてしまいます。

逆に言うと、追い出す権利が大家さんに生まれてしまうのです。

「大家が勝手に受け取らないのにおかしい」その通りです。

ただ、このような家の賃貸に関する法律である、借地借家法では、家賃の増額等で協議が整わない段階では「借主の相当と考える額を支払えばよい」ということになっています。

つまり、払わなくてもいいのではありません。

でも受け取ってもらえない。この時に登場するのが弁済供託なのです。

っと、少し長くなってきたので具体的な手続き方法等は次回ご説明します。

 

当事務所では、登記・相続等の業務はもちろん、供託・債務整理・成年後見等々様々な業務を行っております。

依頼の内容に関わらず、全て無料相談です。

是非お気軽にご連絡くださいませ。

無料相談について

2020-09-08

現在、兵庫県司法書士会では、無料相談を電話にて毎週火曜日・金曜日、午後1時から4時までの3時間行っています。(この社会情勢のため当面は電話にて開催)

私もこの電話相談に相談員として何度か参加しています。

先日も担当が回ってきたので、業務にあたっていました。

毎回、実に様々な相談がありますが、やはり「相続登記」「相続放棄」など相続に関する相談がいつも多いように感じます。

詳しい相談内容については、当然ここでは言うことができませんが、相続登記の必要書類を聞かれたり、単に司法書士を紹介してほしいというものが多いです。

司法書士の紹介であれば、問題なく速やかに対応ができるのですが、必要書類を聞かれたり、解決策を聞かれたときはそうはいきません。

状況の聞き取り、現在取得済みの書類の確認、法定相続人の確認等、電話で全てを聞き取っていくのはかなりの時間がかかります。

相談時間が無制限であれば、ゆっくりと丁寧に聞き取ればいいのですが、この相談会は原則20分と決まっており、余裕がありません。

週二回、一回3時間の開催であるため、他の相談者も多数いらっしゃるので仕方がありません。(実際、電話を切ればすぐに次がかかってくる状況です。)

そこで、もし今後このような無料相談を利用しようとしている方へ、アドバイスをしようと思います。

現在、兵庫県司法書士会に限らず、多くの相談会は電話などの非対面での形になっているはずのなので、そういったところを利用する方もご参考になさってください。

非対面式での相談でにおいて、一番時間がかかってしまうのはやはり聞き取りです。

対面式であれば、戸籍を一緒に見ながら話をすることができますが、電話では、相談者の方が発する言葉がすべての情報となります。

よって、相談員が欲しい情報を紙に書き起こしておくことでスムーズに情報を伝達することができます。

例えば、相続登記の場合、相談員が欲しい情報は以下の通りです。

1、誰がいつ亡くなったか(相談者との関係及び死亡日)

2、相続人は誰か(子供は居たか、両親は存命か等)

3、遺言書はあるか

4、遺産分割はまとまっているか

5、対象物件はどこか

大体、この程度の情報を伝えると、必要書類などのアドバイスは適切にしてくれるはずです。

スムーズに情報を伝えることができれば、この20分という時間でも十分に満足いく答えが得られるはずです。

また、このような公の相談会でなくとも、無料相談を行っている事務所は意外と多くあります。

実際、私の事務所でも無料相談を行っており、特に制限時間は設けておりません。

このご時世ですが、ご要望があればご自宅等にも無料で伺いますので、そもそもどう相談していいか分からないという方は、是非ご連絡くださいませ。

 

まだ過払い金はあるのか。

2020-09-03

神戸債務整理業務を行っておりますが、やはり過払い金が発生するケースはかなり少なくなっています。

このHPの記事でも説明しているように、過払い金が発生している取引は少なくとも2010年以前に取引を行っていた方でなければ発生しません。

また、この過払金には時効があり、完済から10年で時効消滅してしまいます。

つまり、2010年以前に取引があり、かつ、完済している場合は2010年9月以降の完済でなければいけません。

このケースは現在かなり少なく、私も過払い金の返還訴訟を行うことが少なくなっています。

しかし、この度、運よく過払い金が発生しているお客様がいらっしゃいましたので、手続きを進めておりました。

受任は6月の終わりでしたが、この社会情勢ということもあり、業者からの履歴開示・裁判所の期日設定、全ての工程がいつもよりかなり遅くなっていました。

ようやく9月になり、第一回目の期日があったので、明石簡易裁判所へ行ってきました。

そこで、久しぶりの過払金返還請求ということもあり、自分の備忘録も兼ねて、過払い金返還の流れをご説明したいと思います。

この先の過払い金返還請求は必ず時効との闘いなので、もしご自身でしたいという方がおられれば、参考になさってください。

 

過払い金の請求にあたって第一のステップは、「そもそも過払い金が発生しているのか」を調査することから始まります。

私たち専門家が受任する場合は、「受任通知」を発送する必要があるため、受任通知の書類と合わせて取引履歴の開示を求めます。

もし、ご自身で手続きを行う場合は、業者に連絡し、「取引履歴を開示してください」と言えば開示してくれるはずです。

注意点としては、もし債務が残っている時点で履歴を取り寄せた場合には、以降の支払いが債務者にとって不利に働くこと。昔の履歴が開示されない場合があること。

このような場合は、速やかに専門家への依頼をお勧めします。

 

履歴が開示されるまでには少し時間がかかります。1か月ぐらいはかかるので、時効ギリギリの場合は専門家に依頼する方が無難でしょう。

開示された履歴を、法定利息内で計算をし直す「引き直し計算」が次の工程となります。

この時点で過払い金が発生していた場合に初め、て返還訴訟の工程へと進みます。

この時点での注意点は、「取引期間内に、完済をしていた期間がある」「返済を遅れたことがある」場合です。こういった場合、業者は過払い金の返還額を少なくしようと強気で交渉してきます。

よって、このようなケースでも専門家への依頼をした方が、返還額が大きくなる可能性が高いです。

 

そして、いよいよ返還請求を行いますが、提訴するかしないかで二つに分かれます。

全ての業者とは言えませんが、一般的には、提訴した方が返還額が多くなります。(今回受任したケースでも迷わず提訴しました。)

提訴しない場合は、こちらから業者へ連絡し、FAXや電話等で返還額を交渉していきます。

専門家が介入する場合は、金額はこちら主導で進んでいきますが、個人の方が行う場合は、業者主導になってしまいます。

ご自身でなさる場合は、強気での交渉を心がけてください。

専門家に依頼すると当然報酬が発生しますが、返還される金額は専門家に依頼した方が多くなりやすいため、お手元に残るお金は専門家に依頼した方がむしろ高くなることも多くあります。

 

そして、多くの場合では、提訴しても裁判が最後まで進むことはなく、和解が成立します。あくまで提訴するのは交渉を有利に進めるためなのです。

提訴した場合、裁判所へ出頭する必要はありますが、相手方が来ないことも多く、次回期日の調整を行う程度です。

ご自身で請求を行う場合でも、提訴というカードを取ることをお勧めいたします。

 

過払い金について知りたい、借金が多くて辛い、こういった方は是非一度ご連絡ください。

後見人届出でひと悶着。

2020-07-15

本日は朝から被後見人の方がお持ちの金融機関に出向いて、後見人の届け出をまとめて行いました。

成年後見の制度はかなり普及してきたように思いますが、まだまだ金融機関ごとの足並みが揃っていないなと感じました。

例えば、本日最初に伺った都市銀行では、後見人の届出及び届出印の登録、通帳の再発行についてはその場で行うことができましたが、キャッシュカードの受取については後日ということでした。

郵送での受け取りが可能かを聞いたのですが、不可能とのこと。このご時世に何度も支店に出向かないといけない手続きは正直どうなのかなと思いましたが、必要書類についてはある程度想像通りでした。具体的には、届出印、後見登記事項証明書、身分証。記入しないといけない書類はいくつかありましたが、手続きのスピードとしてもスムーズでした。

二つ目はゆうちょ銀行。口座を作成した支店でなくても手続きできるのは大きなメリットですが、手続きの時間は非常に長かったです。2時間程度。必要書類は都市銀行と同じものでした。

三つ目は信用金庫。手続きの時間は早かったのですが、とにかく記入する書類が多く、これは一般の方なら負担になるだろうなと感じました。

また、信用金庫が他と大きく違ったのは、後見人の印鑑証明が必要だったことと、一部本人の署名を求められたことです。(今回は保佐類型だったため。)

後見登記事項証明書と免許証等の身分証があれば正直印鑑証明は必要ないのではないかと感じましたが、渋々納得しました。

しかし、本人の署名を署名を求められたことには納得がいきませんでした。行員さんの話によれば、保佐類型であれば署名が可能ではないかということでしたが、そもそも論点が違うように感じます。

保佐人が単独でできる制度でなければ、同意権・代理権を与えた意味がありません。(今回はもちろん金融機関への手続きについて代理権があります)

また、このような対応が続くのであれば、後見申立時に無理やり後見類型にしようとする事案がいつまで経っても減らないように思います。

保佐類型・補助類型が増えていけば、被後見人等の残存能力をできる限り活用することができます。

本人の残存能力を活用し、できる限り本人ができることをさせようとしているご家族・お医者様・施設の方々の努力に応えるためにも、こういった対応は早急になくなればいいなと強く思います。

(私の場合は、担当してくださった方が非常に良い方で、本人のご署名が不可能であることを理解していただけたため、署名は私のものだけでいいということに決着しました。)

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