遺産分割協議書の作成

・遺産分割協議書について

ここでは、遺産分割協議書の書き方・注意点をご説明しようと思います。

遺産分割協議書とは、相続人全員が行った遺産分割協議の内容を書面にしたものです。遺産分割協議書は法律上必ず作成しなければいけないものではありませんが、口だけで話し合った内容や、内容をメモ書きした程度では、銀行での預金の手続き・法務局での相続登記を行うことはできません。例として、法務局での相続登記に求められる遺産分割協議書の様式についてご説明します。

 

・「いつ・誰が・誰の・どの財産を・どのように」分割したのかを特定していく

法務局が相続登記において遺産分割協議に求めるのは、「いつ・誰が・誰の・どの財産を・どのように」分割したのかが協議書上特定されているかどうかです。

例えば、「いつ」というのは、遺産分割協議書に遺産分割が行われた日付を記載することで示すことができます。

次に、「誰が」というのは、誰が遺産分割協議に参加したかを協議書上特定しろ、ということです。具体的に言うと、相続人全員の署名及び実印での押印がされてあることが求められます。実印での押印であるため、印鑑証明書の添付も必要となります。そして、この「相続人全員」というのは民法により定められた法定相続人のことを指します。

日本の民法では、法定相続人は第一順位として子(直系卑属)、第二順位は親(直系尊属)、第三順位が兄弟姉妹となっており、順位に関わらず、配偶者は相続人となります。つまり、相続開始時に配偶者と子供がいれば、親は相続人にならず、兄弟姉妹が相続人となるのは、相続開始時において被相続人に子供も親もいない場合です。この法定相続人全員が協議書内に示されていることが要件として挙げられます。

「誰の」というのは言うまでもなく、被相続人の特定です。これも具体的に言えば、遺産分割協議書内において、被相続人の最後の本籍・最後の住所・登記簿上の住所・死亡年月日等を記すことが必要です。

「どの財産を」というのは、被相続人が持っていたどの不動産について遺産分割協議を行ったのかを特定させる必要があります。土地であれば所在・地番・地目・地積を、建物であれば所在・家屋番号・種類・構造・床面積を登記簿上の記載に基づき記載すればばっちりです。

最後に「どのように」というのは、「対象不動産の内、Aの土地については長男が単独で相続して、Bの建物については次男と三男が共有で所得する。」という風に、不動産の分け方を特定させることが必要となります。

簡単ですが、これが法務局で求められる最低限の要素です。要件を羅列して覚えるよりも、書類をチェックする側に立って、最低限何を書かないと分かってもらえないかを考えるのが大切かもしれません。以上は、法務局においての遺産分割協議書の作成ポイントですが、預金手続きにおける銀行への提出パターンもほとんど変わりません。「どの財産を」の部分が不動産から、預金口座に変わるだけなので、預金の場合は銀行名・支店・口座の種類・口座番号などを記載していくことになります。

 

・司法書士としての関与について

依頼をいただき、当職が業務として遺産承継を行う場合、司法書士は家事代理権がないため、「遺産分割協議を積極的にまとめていく」ことができません。あくまで、調整役として業務を行うこととなります。遺産分割協議に向けて財産目録を作成することや、アンケートという形で相続人の方々の意見を集めること、また、協議がまとまった後に遺産分割協議書を作成する。こういった形で、業務を行っていきます。「遺産分割協議」を行うのはあくまで相続人の皆様であり、皆様の意思が実現できるようにお手伝いしていくのが我々司法書士の役目です。

 

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