自己破産とは~自己破産のポイントと注意点

・自己破産とは何か?

自己破産とは、債務者が支払い不能状態になった場合に、借金の支払い義務を免責してもらえる制度のことです。この制度は裁判所に対して、破産申立てをすることにより利用できます。任意整理・個人再生と共によく利用されている債務整理手続きの手段の一つであり、債務が完全に免責されることが大きな特徴です。

債務者の生活再建を図る手続きにおいては最も得られる利益が大きいと言える制度ですが、3つの債務整理手段の中では「最後の手段」として用いられることが多い手続きです。ではなぜこんなに良い制度が最後の手段としてしか使われないのか、注意点及びデメリットをお話ししながらご説明していきます。

 

・自己破産の注意点

自己破産は、前述したように債務者にとって大きな力となる制度です。しかし、どんな人でも必ず利用できる制度というわけではありません。

自己破産手続きには「免責不許可事由」というものが定められており、これに該当する債務者は免責を受けることができない可能性があります。詳しくは破産法第252条第1項各号に定められていますが、代表的なものはパチンコ・競馬などの「賭博」、株取引・仮想通貨などによる「射幸行為」が原因による債務が過大である場合です。

その他にも、債権者を害するために財産を隠したり、壊したり、また人に贈与する行為も免責不許可事由となります。これらの行為をしている債務者は、絶対に破産ができないかと言われると、そうではありませんが、仮に免責が受けられるとしても「管財事件」という費用が多くかかる手続きになってしまいます。そうすると、他の手段に比べてより経済的メリットが大きいはずの自己破産が、必ずしもベストの手段とはならない可能性が出てきます。これが注意点の一つ目です。

 

二つ目の注意点は、破産手続きは免責がゴールになってしまい、債務者の生活再建にならない可能性があるという点です。これも任意整理との比較になりますが、任意整理手続きでは、月々の返済額を少しでも多くするために家計内で削減できる支出がないかを考えて、返済計画を作成します。

また、任意整理では債権者との和解はゴールではなくスタートであり、そこから数年間に渡り返済をしていきます。そのため、債権者への支払いが終わった時には既に「生活再建ができている」可能性が高いのです。

一方、自己破産手続きでは、司法書士などの資格者が入った時点で債権者からの督促が止まり、約一年もすれば免責されることが多いです。一見すると借金がなくなり、生活が再建したように見えますが、破産する前と同じように生活してしまえばまた生活が立ち行かなくなります。「破産による免責はゴールではなくスタートである」ということを自覚することが大切です。

 

最後の注意点は自己破産によっても免責されない債務もあるということです。租税等の支払い、不法行為の損害賠償、扶養義務、雇用関係に基づいて生じた使用人からの請求、他にもいくつかありますがこれらの債務は破産手続きによっても免責されませんのでご注意ください。

 

・自己破産の明確なデメリット

前述した注意点の他にも、自己破産手続きには明確なデメリットもいくつかあります。

  1. 一定期間ブラックリストに登録される
    これは他の債務整理手続きでも同様ですが、自己破産の場合は5年~10年ほど登録されることとされています。この期間は新たな借り入れ等ができなくなります。
  2. 自宅等の高額財産を手放すことになります。
  3. 借金に連帯保証人・保証人がいた場合、保証人が支払うこととなります。
  4. 官報に掲載されます。(一般の方はほとんど目にしないです。専門家であってもあまり目にしません)
  5. 一部の資格が制限されます。(司法書士等の士業、保険の外交員等)

こういったことが明確なデメリットとして挙げられます。しかし、世間で勘違いされていますが以下のようなことは起こりません。

  1. アパート等を追い出される
  2. 会社に解雇される
  3. 全財産が処分される
  4. 選挙権がなくなる
  5. 住民票・運転免許証に載る

このようなことは勘違いであり、起こりませんのでご安心ください。

当事務所では、依頼者の生活再建を一番に考え適切な手続きをご提案します。なかなか相談しづらい内容ではありますが、時間の経過が状況を良くしてくれることはありません。まずは、電話やメールで気軽にご相談ください。

 

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