相続登記義務化と司法書士業務の未来

相続登記義務化されることについては、先日ホームページ内でお話した通りです。

「相続登記と言えば司法書士」というイメージにはなってきています。

神戸の法務局でも「相続登記は司法書士へ」というポスターがよく貼ってあります。

さて、そうなると、この相続登記義務化は司法書士業界にとって追い風となる。というのが大方の見方です。

当然、義務化がこのまま実現すれば相続登記の件数は増加するでしょう。

相続登記が未了の不動産もどんどん減っていくことでしょう。

そうなると相続登記を処理する業種が儲かる。

つまり司法書士が儲かるという流れです。

この流れは恐らく正しいです。

ただ、相続登記の義務化により、こうはならない予想もすることができます。

例えば、相続登記の義務化に伴い、登記の申請方法が簡素化されるとどうでしょう。

現行の民法、あるいは不動産登記法では相続登記を申請するには多くの戸籍謄本・除籍謄本等を収集する必要があります。これが第一のハードルです。

亡くなった方が一度も転籍等をしていなかったり、親族がみなさんお近くにおられればそれほど大変ではありません。

しかし、転籍・養子縁組・婚姻・離婚などが複数回あれば集めるべき戸籍も大量になっていき、一般の方では中々集めきれないということもよくあります。

ただ、今回の義務化に伴い、個人の戸籍の変遷が一つの役所で収集可能となればどうでしょう。

色々な役所に郵送請求をし、何度も役所へ足を運ぶ必要がなくなれば、一般の方でも十分収集が可能となります。

これは、近い未来で実現ができそうな気もします。

 

第二のハードルは、遺産分割協議書等の書類の作成です。

相続人が不動産を共有で持つ状態を避けるため、多くの場合は所有者を少なくしていきます。

その方が、後の手続きが楽になったり、相続人がどんどん増えていくことを避けられるからです。

このハードルは既に解消されつつあります。

理由はインターネットの普及です。

一般的な相続登記に用いる遺産分割協議書はネットの検索で調べることができます。

正直、プロの司法書士から見るとお粗末なものもありますが、法務局が親切になっていることもあり、ネット程度の書面でも登記が進んでいくようです。

 

3つ目のハードルは、不動産の調査です。

持っている自宅のみであれば、不動産を相続し忘れることはあまりありませんが、田舎の山林であったり、市道を持っていた場合はよく登記漏れがあります。

現在は、司法書士が相続人から依頼を受け、各役所へ「名寄せ」という形で不動産の評価証明書を取り寄せることでできる限り漏れなく登記することができています。

ただ、相続登記の義務化により相続人への所有不動産の通知は高い確率でなされるようになるでしょう。

相続財産に不動産があることを通知しなければ登記が進むはずがないからです。

つまりこのハードルは義務化に伴い解消されると思います。

 

最後のハードルは登記申請そのものです。

一般の方は、書面で申請書を作成し、法務局へ出頭し、登記申請を行うことが多いでしょう。

しかし、少しずつですが資格者以外の方へ向けてのオンライン申請も普及しています。

これがもっと高い割合で実現すれば、法務局へ行く必要もなくなるのです。

 

これらのハードルが相続登記の義務化に伴い解消されれば、司法書士の業務はむしろ減少するでしょう。

しかし、私はある意味当然ではないかと思います。

登記とは本来手続きであり、一般の方でもできるような制度であるべきだからです。

誰でもできる業務が減っていき、司法書士にしかできない業務をやっている司法書士が残っていく、そんな時代へ変わっていく時なのかもしれません。

 

以上が相続登記の義務化に伴う、司法書士業界の変化のマイナス面での可能性です。

最新の情報を逐一収集し、生き残る側の司法書士になっていこうと感じたニュースでした。

 

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