司法書士の王道業務と言えばやはり、不動産登記・商業登記・相続登記、この辺りが挙げられると思います。
ただ、それ以外にも当事務所のように債務整理であったり成年後見業務にも力を入れている事務所もあります。
これらの業務は多くの司法書士がやっているのですが、この他にも古くから司法書士の本来業務と呼ばれる分野があります。
それは「供託」業務です。
今回から数回に渡ってご説明していきますので、参考になさってください。
「え、私の悩みが供託で問題が解決できるかも」と思われる方もおられるはずです。
ではまず、そもそも供託とは。
供託とは、金銭であったり有価証券を国の機関である供託書(法務局)に提供することで、一定の法律上の目的を達成させる制度のことです。
このままでは分かりづらいので、民法、民事執行法等で規定されている供託の5つの効果・種類からご説明していきます。
まずは、弁済供託。
この供託が一番イメージしやすいかもしれません。
以下の具体例をイメージしてください。
・供託者(供託金を支払う人)はアパートの借主
・被供託者(供託金を受け取る人)はアパートの大家さん
・これまでの家賃は5万円だったが、急に大家さんから8万円への増額を言い渡された。
・供託者は納得いかないので、これまで通りの5万円を大家さんに持参したが、増額後の8万円でなければ受け取らないと言われた。
このようなケース。
大家さんの思惑としては、家賃を増額したいというのは建前で、実際は払えない借主たちを追い出して、アパートを取り壊して不動産を売り渡したいということが考えられます。
しかし、急に増額を言い渡された供託者にとってはたまりません。
引っ越すにしてもお金がかかるし、時期によっては動けないこともあります。
「大家が勝手に値上げして、その上、家賃を受け取らないから放置すればいいじゃないか」
とお考えの方もおられるでしょう。(僕も当事者ならそう考えるかもしれません)
しかし、司法書士として回答すると、一切の家賃を払えない状態は非常に危険です。
当然ですが、家賃を払わなければ家を追い出されてしまいます。
逆に言うと、追い出す権利が大家さんに生まれてしまうのです。
「大家が勝手に受け取らないのにおかしい」その通りです。
ただ、このような家の賃貸に関する法律である、借地借家法では、家賃の増額等で協議が整わない段階では「借主の相当と考える額を支払えばよい」ということになっています。
つまり、払わなくてもいいのではありません。
でも受け取ってもらえない。この時に登場するのが弁済供託なのです。
っと、少し長くなってきたので具体的な手続き方法等は次回ご説明します。
当事務所では、登記・相続等の業務はもちろん、供託・債務整理・成年後見等々様々な業務を行っております。
依頼の内容に関わらず、全て無料相談です。
是非お気軽にご連絡くださいませ。