現在、日本において、離婚件数は結婚件数の約3分の1になっているそうです。
よく巷では「離婚率30%」とか「3組に一組は離婚している」などと言われますが、結婚数に比しての離婚数が約3割というだけなので、正確ではありません。
しかし、これらの統計から「必ずしも結婚を必要としないカップル」が増加しているのはおそらく間違いないでしょう。
例えば、お互い離婚し、すでに子供たちは独立しており、このまま老後を一人で過ごすのは寂しいので一緒に住んでいるカップル等が考えられます。
この場合、仮に婚姻関係を結ぶと、お互いの財産を相続する際にすでにいる子供たちとの相続関係が複雑になってしまいます。
当事者の意向としては、「お互いの財産を一緒に暮らしている間は使っていき、死亡後は子供たちに財産を遺してあげたい。でも、パートナーと同時に死ぬことは基本的にはないので、パートナーが生きていくのに不自由ない程度のお金は残して死にたい。また、自分が認知症になった場合の財産管理はパートナーに任せたい。」このようなことを思い浮かべることが多いでしょう。
この時点で、権利の動きとしては非常に複雑です。
婚姻関係を結んでしまえば、シンプルな動きにはなりますが、自分の財産がパートナーの子供にも流れていくことになり、死亡した順番により財産の動きが全く変わってしまいます。またパートナーの子供に財産が流れていくこと自体わざわざ望む方は少ないと思います。
そこで、信託を利用することで意向通りの財産承継を実現することが可能となります。
お互い自分の財産を、「子供に遺す部分」と「パートナーに遺す部分」に分けてそれぞれ遺したい相手と信託契約を結びます。それにより、相続発生前から財産を分けることが可能となります。
また、相続前から信託契約をすることにより、認知症によって財産が凍結することもありません。
信託契約の詳しい説明はここではしませんが、信託は、事実婚等の本来相続関係にはないカップルを救う可能性があります。
当事務所は、この他にも様々な関係性の信託契約に精通しております。「このままだと自分の財産はどうなるのか」といった問い合わせからでも構いません。是非お気軽にお問い合わせください。