マチネの終わりに

本日は、私の好きな本をご紹介したいと思います。

それは、平野啓一郎さんの「マチネの終わりに」という本です。

主人公は天才ギタリスト蒔野。その蒔野とジャーナリスト洋子の間ですれ違う二人の愛情と心の葛藤を描いた恋愛小説です。

この小説のあらすじを書くことはしませんが、特に気に入っている部分だけ引用したいと思います。

 

  「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。

   だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。

   変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。

   過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」

   平野啓一郎「マチネの終わりに」より

 

この言葉は、主人公・蒔野が作中、口にする言葉です。「過去を変えられる」というのは私の中で今までにない感覚でした。人は目標を立てることによって「未来」をよりよいものにしようとします。

しかし、未来を創ることは過去を変えることにも繋がる。こう考えることで、嫌な経験を良い経験に、何でもない出会いを人生を変える素晴らしい出会いに変えることができます。

似たような言葉として「人間万事塞翁が馬」という言葉がありますが、この言葉とは決定的に違うと感じました。

人間万事塞翁が馬という言葉は、人生の出来事が幸か不幸かの判断がその時点ではなかなか判断できないという意味であるのに対し、蒔野の言葉は、未来への働きかけによって「過去を積極的に変えることができる」という強い意志を感じます。このあたりが私の心に強く残った理由です。

また、この言葉は作中、蒔野の口から2度登場しますが、洋子との関係が絶妙に揺れ動くタイミングで使われています。もしこれから「マチネの終わりに」を読もうと思う方は是非この言葉に注目して読んでみてください。

この作品は去年、福山雅治さん主演で映画化され、今年DVDが発売されています。私もDVDを先日入手しましたので、時間を見つけて鑑賞したいと思います。

他にも好きな書籍がありますので、またご紹介できる機会があればと思います。

 

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