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債務整理とブラックリスト②(信用情報機関とは)
今回も引き続き、債務整理とブラックリストについてお話していこうと思います。
前回は、そもそもブラックリストとは何なのかをお話ししましたが、今回は、ブラックリストがどこにあるのかについてお話します。
まず、自分がもし、返済に遅れてブラックリストに載ってしまった場合を想像してみましょう。
・遅れた業者から督促が来る
・遅れた業者で新たな借り入れができなくなる
・他の業者でカードが作れなくなる
こういったことが起こるのではないかと考えると思います。
これらのことはすべて正しいのですが、3つの内、最初の二つについては「返済が遅れている業者内」での取り扱いであり、ある意味当然と言えるでしょう。
しかし、3つ目については、「返済が遅れている業者」以外の業者での取り扱いです。
つまり、このことからブラックリストに対する債務者の取り扱いを他業者間で共有しているということが分かるのです。
そして、この情報共有のため、各業者が利用している機関を「信用情報機関」と言い、現在三つの機関が日本に存在します。
その三つとは、「CIC」、「JICC」、「JBA(KSC)」の三つです。
この三機関により、債務者の情報が共有されており、その情報に基づき審査が行われているのです。
各機関の簡単な説明をしていきます。
1、CIC
CICは、主として信販系(クレジットカード会社)を設立母体としています。
加盟している業者は、設立母体である信販系の会社に加え、百貨店・家電メーカー・自動車メーカー系のクレジット会社、各種リース会社等が加盟しています。
自動車や家電については、割賦販売の際の審査をイメージすると分かりやすいでしょう。
2、JICC
JICCは主として、消費者金融業者により発足しました。
加盟している職種はCICに比べて幅広く、信用情報機関の中で、加盟数が多いのが特徴です。
消費者金融業者、地方銀行、ネット銀行などが加盟しています。
3、JBA(KSC)
JBAは、一般社団法人全国銀行協会が設置・運営している信用情報機関です。
加盟しているのは、メガバンク・地方銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫等です。
以上が簡単な信用情報機関の特徴です。
各業者はこれらの機関の内、1つないし2つ以上に加盟しており、その機関の中で情報が共有されているのです。
例えば、アコム、プロミス、オリコといった業者はCIC及びJICCに加盟しており、楽天銀行、オリックス銀行等はJICC及びJBAに加盟しています。
このように、各金融業者は信用情報機関に加盟することで、審査の際の情報を共有しているのです。
よって、今回のテーマである、ブラックリストはどこにあるのか、については「信用情報機関にある」というのが答えになります。
次回は、ブラックリストにはいつまで情報が載るのかについてお話します。
債務整理が必要にもかかわらず、ブラックリストに入ることを恐れ、自転車操業を続けるのは得策ではありません。
司法書士へ相談するだけであれば、無料のところも多いです。
是非一日でも早く、司法書士へ相談してください。
債務整理とブラックリスト①(実在?架空?)
債務整理を司法書士等の専門家に依頼する場合、多くの方が「ブラックリスト」について考えるのではないでしょうか。
「借金を延滞するとブラックリストに載ってしまう」「債務整理を依頼するとブラックリストに載る」こういった知識をお持ちの方はかなり増えてきたように思います。
しかし、そもそもブラックリストとはどのようなものなのか。いつから載り、いつまで残るのか。詳しい中身について熟知している人は多くないでしょう。
そこで、今回からは、債務整理とブラックリストについて数回に分けてお話をしていこうと思います。
まず、第一回目は、「そもそもブラックリストとは何か」についてお話をしていこうと思います。
ブラックリストと聞くと、「悪いことをした人の名簿」のように思われてしまいますが、金融機関におけるブラックリストの表現としては適切ではありません。
ブラックリスト単体での説明に先立ち、金融機関が債務者についてどのような情報を保持しているのかについて説明していきます。
一般的に業者が保持する情報には以下のようなものがあります。
・個人を特定する情報(氏名、生年月日、住所、勤務先、連絡先等)
・取引に関する情報(借入日、金額、返済日、返済回数等)
・事故(異動)情報(延滞情報、債務整理情報)
これらの中で、最後の「事故情報」のデータに情報が登録されることを「ブラックリストに載る」というのです。
つまり、新規の貸し出しができない人の名前が羅列されたリストのような実在するわけではないのです。
では、この事故情報にデータが登録される行動とはどのようなものでしょうか。
詳しくは次回に説明しますが、このブラックリストを管理している機関は複数あります。
そしてその一つであるCICに事故情報が載ってしまう行為は以下の通りです。
・約定返済日61日以上または3か月以上の支払い延滞
・裁判所の破産宣告
・保証会社により、保証契約が履行された(代位弁済)
以上のようなものがあります。
「あれ?任意整理では載らないの?」と思った方も多いかもしれませんが、多くの場合、司法書士等の専門家が任意整理に介入すると、保証会社により債務が代位弁済されます。
この代位弁済というのは、当初の債権者ではない事故が起こった場合の専門の債権回収会社が一旦代わりに返済し、その会社が債務者から債権を回収することを言います。
つまり、任意整理であっても多くの場合はブラックリストに載ることになります。
今日の内容をまとめると、ブラックリストとは、
・貸金業者側が持つデータの中で事故情報と言われる部分のことであり、実際にリストが存在するわけではない
・ある程度の期間延滞したり、債務整理に専門家が介入すると登録される
ものです。次回は、このブラックリストがどこにあるのかについてお話をしていきます。
ブラックリストへの登録はマイナスばかりではありません。借金のない生活のためにはむしろ必要な制度なのです。
当事務所は、神戸市内に限らずどこでも無料で相談対応を行っております。
借金でお困りの方は一日でも早くご相談ください。必ず、あなたのお力になれるはずです。
債務整理における依頼人との紛争とは
あってはならないことではありますが、債務整理業務の中で、依頼人と紛争になってしまった専門家は存在します。
紛争が発生し得るポイントはいくつかありますが、特に多いのは「報酬」と「事件放置」の二点です。
まず、報酬についてですが、最近の司法書士事務所では、HP等で報酬が明示されていることが多いため、紛争が起こらないような気もしますが、そうではありません。
なぜかというと、この債務整理業務というものが、当初予定していた手続きと実際に行うべき手続きが一致しないことがある点に起因します。
例えば、司法書士事務所にて債務の状況・収入等の聞き取りの結果「任意整理」の契約をしたとしましょう。
これまでHP内でもご説明した通り、任意整理受任後、債務の調査を行います。
この債務調査には数か月かかることもあり、当然ですが、この数か月の間に債務者の状況(仕事・体調面等)に変化があることがあるのです。
仕事を減らされてしまい、予定通りの収入が確保できなくなってしまった。体調を崩し、収入がなくなってしまった。
こういったことが起こり得るのです。
そして、このようなことが起こった場合、任意整理ができなくなってしまう場合があるのです。
しかし、債務をこのまま放置することはできないため、手続きが任意整理から破産に移行する場合があるのです。
この際、報酬面に大きな違いが出ます。
当然、手続きが変わる場合は依頼人に連絡はしますが、報酬面の連絡をしっかりとしなかった場合「聞いていた話と違う」「高すぎる」ということが起こるのです。
この点も、任意整理だけに力を入れている事務所よりも、他の手続きにも精通している事務所を選択することのメリットとなるのです。
他の手続きにも精通している事務所であれば、手続きが移行した場合の説明も丁寧に行うため、依頼者への不測の事態を避けることができるためです。
以上が「報酬」について依頼人と紛争になる場面の説明です。
続いて、「事件放置」について。
これがよく起こるポイントは「依頼者との連絡が取れない時」によく発生します。
債務整理業務の中で、破産等、裁判所での手続きには非常に時間がかかります。
その長丁場の手続きの中で、依頼人と専門家は連絡を取り合って、必要書類を集めていきます。
しかし、依頼者と連絡が取れない時も出てきます。
連絡を取れない期間が長引いてしまうと、専門家は手続きを進められません。
この時、連絡手段を複数用意しておけば連絡が取りやすくなります。(電話・メール・郵送等)
また、それでも連絡が取れない場合、専門家は速やかに辞任する必要もあります。
この辞任については、「連絡を取れないだけで捨てる」ようなイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。
手続きが進まないのに専門家が事件を受任し続ける方が依頼者にとってはデメリットが多いのです。
通常、専門家が事件を受任している間、業者は依頼者に連絡することができません。
そのため、業者側が訴訟を起こす・支払督促をする等、最も避けなければならない時期になるまで事件が悪化しているのに気づかないのです。
このため、債務整理を依頼する際は、複数のツールによる連絡手段を持ち、最悪どうなれば事件を辞任するのかについて、丁寧に説明してくれる事務所を選びましょう。
このような部分をきっちりしている事務所に依頼すれば、本来は味方であるはずの専門家と紛争になることはないはずです。
当事務所では、神戸市内に限らず、無料相談をしております。
何か気になることがあるといった段階でも結構です。是非お気軽にお問い合わせください。
債務整理における専門家の業務選り好みとは
これまでにも何度かお話ししてきましたが、債務整理の手段の中でよく用いられる手段は、任意整理・破産・個人再生の三つです。
本来、この債務整理業務の目的は債務者の生活再建ですが、司法書士もボランティアではないため、当然ですがそれそれの手続きには報酬が発生します。
この債務整理の三つの手段にはそれぞれ特徴があり、債務者の生活再建という立場から、債務者にとっての効果を説明してきましたが今回は、報酬面について司法書士の立場から説明したいと思います。
まず、任意整理については「1社あたり○○万円」というような報酬決定が多くの事務所でされています。
なぜこのような報酬の決め方がされているのかというと、任意整理は他の手続きと違い、貸金業者と一つずつ交渉をしていきます。
つまり、借入業者の数≒業務の煩雑さになるためこのような費用の決まり方になるのです。
また、この任意整理の特徴は他にもあり、債務整理が効果を出すまでの時間が比較的短いという特徴があります。
これは、債務がなくなるまでの早さが早いという意味ではなく、司法書士にとって、「手離れが早い」ことを意味します。
通常、任意整理の場合、貸金業者が取引履歴を開示するまでに1、2か月。それからの交渉で1か月程度。大概の場合、3か月程度で決着がつきます。(業者によっては難航することもありますが・・・)
このことを言い換えると、任意整理は司法書士にとって、「効率が良い」業務であると言えるのです。
たとえ、借入業者の数が多くなっても、この3か月の間で全業者一斉に交渉するため、手が離れるまでの時間はそう変わらないのです。
この、手離れが早く、効率が良い点に着目し、任意整理だけを受任する専門家が実は多くいるのです。
それに比べ、破産・個人再生の手続きは、家計に関する資料の収集、裁判所での面談等々、様々な手続きがあり、任意整理に比べ非常に時間がかかります。
そのため、破産や個人再生は任意整理に比べると報酬が高めに設定はされているものの、業務の内容と比例しているかというとそうとも言い切れません。
つまり、この破産や個人再生という業務は司法書士にとって、それほど効率のいい業務とは言えないのです。
しかし、冒頭で述べたように、この債務整理業務の目的は債務者の生活再建です。そしてそれは、各手続きを丁寧に選択していくことで実現できるのです。
任意整理や、過払い金返還請求といった効率のいい業務のみを行う事務所では全ての債務者を救うことはできません。
ぜひ、どの事務所に頼むべきか迷っている場合は、破産や個人再生でも対応してくれる事務所なのかを調べて依頼するようにしましょう。
債務整理と報酬積み立て
債務整理を司法書士に依頼する債務者の方の多くが「業者からの督促が家に来るのが嫌だ」という悩みを持っているようです。
特に、一人暮らしではなく、結婚していたり、同棲中、実家暮らしといった環境の方がこの悩みを持っています。
通常、アコムやアイフルなどの貸金業者から何度も書類が届くことはなく、こういった業者からの書面が何度も家に届いてしまうと、家族に勘づかれてしまいます。
HP内でご説明していますが、司法書士等の専門家に債務整理を依頼すれば、業者からの連絡がお客様に直接行くことはなくなります。
そしてこの業者からの督促が止まっている間に債務整理の方針を最終決定していくのです。
「でも、そもそも業者に支払うお金がないのに、司法書士報酬なんて払えない」とお考えの方もおられると思います。
そこで、本日は、司法書士に債務整理を依頼した後、業者への交渉開始までの流れをご説明したいと思います。
もし、「自宅への督促を止めたいが、支払う報酬がない」という方は参考になさってください。
例えば、事務所に来所していただき、債務整理の依頼をした場合、司法書士は当日中に「受任通知」を各業者に送ります。
この受任通知とは、これからは債務者に代わって司法書士が手続きを行うことを通知する書面です。
この通知が業者に届くことにより、以降の督促・債権者からの連絡は司法書士事務所に対してされることになります。
また、受任通知の主な役割にはもう一つあり、それは「債権額を開示」してもらうことです。
借金の返済が滞ってしまっている方は、ご自身の大まかな債務額は把握しているものの、遅延損害金・経過利息を含めた正確な債務額を把握していないということも多いです。
正確な債務額が分からなければ、任意整理で解決可能なのか、破産するしかないのか、方針を決めることができません。
よって、この債権額の開示は大きな役割があるのです。ただ、この債権額の開示にはかなりの時間がかかります。
業者によって対応はまちまちですが、数か月の期間がかかることもあります。しかし、実はこのタイムラグは債務者にとってはメリットでもあります。
この債権額開示までの期間は、債権者からの取り立てがストップするのです。つまり、この数か月は貸金業者への支払いをしなくてもいいのです。
債権額の開示~債務整理の方針決定までの数か月間、これまで業者に支払っていたお金が家計から浮くことになるのです。
では、この浮いたお金をどうするのかというと、これが司法書士への報酬ということになります。(多くの場合は、報酬を払っても余りが出るため、残金は各業者への返済頭金に充てたりします。)
私の事務所だけではなく、任意整理を行っているほぼ全ての事務所で、報酬は業者の数により決定します。
「HPで報酬を計算すると、10万円近くになってしまった。これでは払える訳がない。」と思った方もおられるでしょう。
しかし、業者への支払いがストップしている期間でほぼ全ての方は司法書士報酬を支払うことが可能です。
もし、報酬が払えないので依頼ができないと思っている方がおられたら、是非一度ご連絡ください。
当事務所では、この支払い停止期間での分割払いにも対応しているため、無理のない生活再建案を提示できます。
債務整理(任意整理)でどれほど得をするの?
債務整理の代表的な手段である、任意整理ですが、破産や個人再生と比べると借金の減額効果が薄いというのはこれまで何度もご説明してきました。
では、わざわざ司法書士に依頼しても経済的な利益はそれほどないのかというと全くそんなことはありません。
というのも、破産・個人再生が「現在の債権額」を大幅に減額する効果があるのに比べ、任意整理の経済的利益は「これから発生する債務」に対して発生するからです。
例えば、現在、100万円の債務があり、それを毎月2万円ずつ返済していく場合。
当然ですが、消費者金融等での借入であれば、利息が発生します。
その利息が年15%であれば、返済は約7年かかり、総支払額は150万円となります。
しかし、司法書士に債務整理を依頼した場合、将来利息がカットされ、返済は約4年、総支払額は100万円となります。
期間にして3年。支払総額には50万円もの差が出るのです。
また、経済的な利益に加えて、任意整理には精神的にも大きなメリットがあります。
それは、支払った額がそのまま総債務から減っていくことにより起こります。
現在、借金の支払いに苦しんでいる方は恐らく、「返済しても返済しても債務が減らない」という状況になっていると思います。
これは、返済額の大部分が利息の返済に充てられているためです。
こうなってしまうと、精神的にも参ってしまい、そのまま返済が滞っていくことになりかねません。
実際、債務整理のために事務所へいらっしゃる方は、司法書士への依頼を決める前に、友人・家族から借金することを考えたり、職場から前借りをしたりと様々な対応策をご自身でされた後来られる方も多いです。
しかし、その場しのぎの対応策はかえって悪い状況を招くことにもなりかねません。
例えば、返済のために他の業者からの借り入れをしてしまうと、司法書士に依頼した時の費用も大きくなってしまいます。(多くの場合、業者の数で報酬が決定します。)
また、仮に家計が破綻しており、破産等の手続きになった場合、友人・家族から借り入れをしていると、債権者として関与してもらわざるを得なくなってしまいます。
こうなってしまうと、破産して経済面が落ち着いても、友人・家族との関係がすぐに回復するとは限りません。
債務整理を専門家に依頼することは決して恥ずかしいことではありません。
それどころか、ご自身が破綻する前に専門家に手を借りながらでも返済をしていくことは債権者にとっても誠実な行為なのです。(そのため、任意整理の交渉には柔軟に対応してくれる業者が増えています。)
仮に、ご依頼に至らなかった場合は費用をいただいておりませんので、精神的な負担を少しでも減らすためにも是非おひとりで悩まずに、一度ご連絡ください。
メール・電話・直接面談等、相談の形式に関わらず、無料相談とさせていただいております。
半沢直樹と司法書士②(債務整理編)
先週の放送は、撮影が間に合わず、緊急生放送となった半沢直樹。
勢いは止まることなく、恐らく次回も高い視聴率となることでしょう。
さて、この半沢直樹と司法書士業務について、前回は登記業務の面で関係をお話ししました。
新株発行手続きの締めとして、司法書士が介入し、法務局に対して登記申請を行う可能性がドラマでもあったというお話でした。
今回は、司法書士が半沢の世界で業務をするという話ではなく、似たような業務が司法書士の世界でもあるというお話です。
東京セントラル証券編が終了し、帝国航空再建編となっている現在、「債権放棄」「経営再建」といったものがキーワードとなっています。
ほぼ経営が破綻している帝国航空に対して、債権を保有している各金融機関が政府より債権放棄を求められており、それに半沢が立ち向かうという構図です。
経営が破綻しかかっている状況で、金融機関等に対して、債権放棄を求める・・・?
そうです。これは、規模は大きく違いますが、債務整理・任意整理と近いものがあります。
司法書士は代理権の関係で、企業再建といった大規模な業務に直接携わることはあまりありませんが、一個人の生活再建については多く携わっています。
当然、半沢直樹における政府のような公権力がないため、総債権の7割カットといった大幅なカットは任意整理ではできませんが、将来利息のカットであれば多くの業者は認めてくれます。
これは、債権放棄であり、司法書士は交渉によりこういった有利な条件を勝ち取ることができるのです。(任意整理)
また、司法書士が債務整理に入ることで、家計簿等の見直しを行うことにより、経営(家計)の健全化を図ることができるのです。(これについては、きちんとしていない所もあるようですが・・)
そして、半沢直樹では、帝国航空の自力再建が可能であるとの判断により、公権力の介入をさせずに経営再建を図っています。
これも実は司法書士と共通であり、自力での生活再建が可能であれば公権力(破産・個人再生)を介入させずに任意整理により債務整理を行うことができるのです。
企業再生と個人債務者の生活再建、規模は違えど、借金がある状況では再建を目指すタイミングは早ければ早いほどいいのです。
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任意整理の報酬について(着手金・減額報酬とは)
前回、神戸でまだ過払い金があるのかということについて記事を書きました。
今回も、過払い金に少し関係する話をしていこうと思います。
ではまず、「任意整理」について。
任意整理とは、債務整理手続きの中で、破産・個人再生と並び、よく用いられる解決手段の一つです。
破産・個人再生が裁判所に対する手続きであるのに対し、任意整理は司法書士が直接各業者と交渉し、債務整理を行います。
裁判所での手続きに比べ、公権力を用いないため、借金の減額効果は薄いと言われています。
しかし、任意整理を行う業者の借入に過払い金が発生していた場合、話が大きく変わります。
例えば、借金の額面が100万円であるが、取引期間が非常に長い場合、引き直し計算を行うと、「100万円の内40万円が払いすぎである」という状況があり得ます。
そうなると、実際に返済する金額が「差し引き60万円になる」ということがあり得ます。
この減額した40万円に対し、報酬が発生するという考えが「減額報酬」です。
また、着手金とは、債権者数に関係なく債務整理を受任する前提として追加で発生する費用です。
つまり、この減額報酬・着手金を取っている事務所に依頼してしまうと、当初の予想よりも報酬が膨らんでしまうことがあるのです。
この減額報酬を取っている場合の報酬は10%程度であることが多く、そうなるとこのケースでは4万円もの報酬が上乗せされるのです。
着手金については各事務所で開きがありますが、5万円程度が多いように思います。
任意整理の交渉は、業者毎に個別に行います。それにより、任意整理の報酬は業者の数によって決まります。(当事務所であれば一社2万5000円)
よって、仮に着手金・減額報酬を受け取っている事務所に依頼した場合、この一社当たりの報酬に加え、10万円近い追加報酬が発生するのです。
一般的に「過払い金返還請求」というのは、業者から返金を受けるだけの手続きになるため、債務者の生活再建は既に達成されている場合が多いです。
しかし、この減額報酬を取る場合は、未だ業者への返済が続いており、生活再建の途中です。
司法書士としては、債務者の生活再建を図るうえで着手金・減額報酬を取るべきではないと考えているため、当事務所では着手金・減額報酬を一切いただいておりません。
債務整理の依頼先を考える上で、これらの報酬の有無というのも一つ参考になさってください。
当事務所では、これらの報酬が発生しないことに加え、報酬の分割払いにも対応しています。
すぐに捻出できるお金がない場合でもお気軽にご連絡ください。
まだ過払い金はあるのか。
神戸で債務整理業務を行っておりますが、やはり過払い金が発生するケースはかなり少なくなっています。
このHPの記事でも説明しているように、過払い金が発生している取引は少なくとも2010年以前に取引を行っていた方でなければ発生しません。
また、この過払金には時効があり、完済から10年で時効消滅してしまいます。
つまり、2010年以前に取引があり、かつ、完済している場合は2010年9月以降の完済でなければいけません。
このケースは現在かなり少なく、私も過払い金の返還訴訟を行うことが少なくなっています。
しかし、この度、運よく過払い金が発生しているお客様がいらっしゃいましたので、手続きを進めておりました。
受任は6月の終わりでしたが、この社会情勢ということもあり、業者からの履歴開示・裁判所の期日設定、全ての工程がいつもよりかなり遅くなっていました。
ようやく9月になり、第一回目の期日があったので、明石簡易裁判所へ行ってきました。
そこで、久しぶりの過払金返還請求ということもあり、自分の備忘録も兼ねて、過払い金返還の流れをご説明したいと思います。
この先の過払い金返還請求は必ず時効との闘いなので、もしご自身でしたいという方がおられれば、参考になさってください。
過払い金の請求にあたって第一のステップは、「そもそも過払い金が発生しているのか」を調査することから始まります。
私たち専門家が受任する場合は、「受任通知」を発送する必要があるため、受任通知の書類と合わせて取引履歴の開示を求めます。
もし、ご自身で手続きを行う場合は、業者に連絡し、「取引履歴を開示してください」と言えば開示してくれるはずです。
注意点としては、もし債務が残っている時点で履歴を取り寄せた場合には、以降の支払いが債務者にとって不利に働くこと。昔の履歴が開示されない場合があること。
このような場合は、速やかに専門家への依頼をお勧めします。
履歴が開示されるまでには少し時間がかかります。1か月ぐらいはかかるので、時効ギリギリの場合は専門家に依頼する方が無難でしょう。
開示された履歴を、法定利息内で計算をし直す「引き直し計算」が次の工程となります。
この時点で過払い金が発生していた場合に初め、て返還訴訟の工程へと進みます。
この時点での注意点は、「取引期間内に、完済をしていた期間がある」「返済を遅れたことがある」場合です。こういった場合、業者は過払い金の返還額を少なくしようと強気で交渉してきます。
よって、このようなケースでも専門家への依頼をした方が、返還額が大きくなる可能性が高いです。
そして、いよいよ返還請求を行いますが、提訴するかしないかで二つに分かれます。
全ての業者とは言えませんが、一般的には、提訴した方が返還額が多くなります。(今回受任したケースでも迷わず提訴しました。)
提訴しない場合は、こちらから業者へ連絡し、FAXや電話等で返還額を交渉していきます。
専門家が介入する場合は、金額はこちら主導で進んでいきますが、個人の方が行う場合は、業者主導になってしまいます。
ご自身でなさる場合は、強気での交渉を心がけてください。
専門家に依頼すると当然報酬が発生しますが、返還される金額は専門家に依頼した方が多くなりやすいため、お手元に残るお金は専門家に依頼した方がむしろ高くなることも多くあります。
そして、多くの場合では、提訴しても裁判が最後まで進むことはなく、和解が成立します。あくまで提訴するのは交渉を有利に進めるためなのです。
提訴した場合、裁判所へ出頭する必要はありますが、相手方が来ないことも多く、次回期日の調整を行う程度です。
ご自身で請求を行う場合でも、提訴というカードを取ることをお勧めいたします。
過払い金について知りたい、借金が多くて辛い、こういった方は是非一度ご連絡ください。
140万円以上の借金は司法書士には扱えない??
司法書士は、法務大臣からの認定を受けると、簡易裁判所での代理権を得ることができます。(認定を受けた司法書士を認定司法書士と言います。)
現在、債務整理を行っている司法書士のほぼ全てがこの認定司法書士と呼ばれる専門家です。
しかし、この認定司法書士となっても、全ての裁判案件を代理できるかと言えばそうではなく、訴額140万円を超えない場合に代理人となることができます。
このことが「司法書士は140万円を超える債務整理はできない」と世間から認識されている理由です。
この認識は正しいのですが、140万円をどのように計算するのかについては正しく認識されていないように思います。
例えば、総債務額が300万円である債務者がいた場合、司法書士が手続きに介入できない場合は以下のような場合です。
・1社(一人)で、140万円を超える債権者がいる場合。
・140万円を元金のみで超えている場合。
・債務整理の手段の中で任意整理を利用する場合。
この全てを満たした場合に初めて、司法書士が債務者を支援することができなくなります。
いずれか、ではなく「全て」です。
実は、この全てを満たすケースというのはあまりありません。
例えば以下のような場合。
・総債務額が300万円であっても、3社からの借金であり、各債権者から100万円ずつの借り入れであった場合。
・債務額が140万円以上であっても、元金は120万円で、遅延損害金を含めて初めて140万円を超えている場合。
・任意整理ではなく、自己破産の手続きでの解決を図る場合。(書類作成での支援)
こういったケースでは、司法書士が債務整理業務を行うことが可能となるのです。
つまり、司法書士が債務整理を行うことができる範囲というのは、それほど狭くはないのです。
また、一般的に、司法書士と弁護士がどちらも行う業務があった場合、司法書士に依頼をした方が費用的に安く済むことが多いです。
債務整理業務の最大かつ絶対的な目標は「債務者の生活再建」であり、費用はできる限り安く抑えるべきだと私は思います。
「私は200万円の借金があるから弁護士にしか頼めない」「破産するには弁護士に頼むしかない」
こういったことを考えている方は、ご自身の状況をもう一度考えてみてください。
司法書士に頼んでも、解決できる問題ではありませんか?
もし、自分の状況が司法書士案件か、弁護士案件かで悩まれている場合は、是非ご連絡ください。
万が一、弁護士案件であった場合でも、費用が発生することはありません。
ご希望があれば、弁護士の先生へ引継ぎすることも可能です。
特にこの債務整理については迅速な対応が解決への糸口です。
一人で悩まず、是非お声掛けください。
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