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空き家の相続放棄について

2020-11-13

最近、無料相談でよくある内容として、「親が遺した財産は住んでいた家だけだが、相続放棄したい」「相続登記をしても意味がないので、相続放棄したい」というものがあります。

こういったケースでは、対象の相続財産である不動産がかなり古かったり、相続人である自分は遠方にいたりして管理できない等の理由がよくあります。

確かに、不動産を処分するのも、管理するのも費用も労力もかかります。

特に対象不動産に金銭的価値があまりないような場合は、労力と見返りが釣り合わないこともあります。

しかし、この問題は、相続放棄するだけでは解決しないことが多いです。

というのは、相続放棄によりその不動産の所有権を取得しないことと、その不動産を放置していいことはイコールではないからです。

なぜかというと、民法940条がその原因です。以下民法940条。

 第940条 相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。

この条文により、相続放棄をしたからといって管理義務がなくなるわけではないことが分かります。

では、相続人がいなくなるまで順番に相続放棄が完了すればいいのかというとそれでも管理義務は当然にはなくなりません。

この場合は「相続人不存在」という状況となり、「相続財産管理人」を選任しなければいけないのです。

そして、この相続財産管理人に対象不動産を引き継ぎ、やっと管理義務から解放されるのです。

しかし、問題は、ここまでの手続きの費用です。

まず、相続放棄の費用は各相続人が負担し、手続きをします。

次に、相続財産管理人が管理にかける費用は「相続財産」から第一に使われます。

しかし、これが少ない場合は「申立人の負担」つまり、相続放棄をした相続人が負担することになるのです。

こうなると、何のために相続放棄をしたのか分かりません。

つまり、相続財産に不動産がある場合、相続放棄をせずに解決を目指した方がかかる費用が少なくなることがあるのです。

代表的な解決策としては、不動産を売却する方法があります。

対象不動産に金銭的価値が乏しい場合、各種手続き費用を差し引くと、プラスマイナスゼロになることもありますが、これは金銭的負担なく管理義務から免れたことを意味します。

現在、建物を解体するにも多大な費用が掛かるため、仮にほぼタダで売れたとしても、解体費用分の価値で売れたことを意味するのです。

このように、相続財産に不動産がある場合、あなたが処分しなければ、他の相続人若しくはあなたの相続人の内誰かが処分しなければなりません。

問題を先送りにせず、早めに解決することを目指しましょう。

 

当事務所では、不動産業等の他業種と連携をしながらこういった案件をできる限り少ない労力で解決するのをサポートしています。

「現状、まだ相続は起こっていないが、将来的はそうなるので何か備える方法はないか」といった形でも相談を承ります。

対応地域についても、不動産が神戸などの対応地域内の案件はもちろん、日本中どこに不動産がある場合でも全力で対応いたします。

まずは無料相談を利用して、解決にあたってみてはいかがでしょうか。

少し変わった相続放棄がありました。②

2020-11-06

今回は、相続放棄についての続きをお話しようと思います。

前回は、司法書士が扱う相続放棄の中で、3か月が経過しているケースでよくあるパターンをお話しました。

事件を受任した時は私も正直、「よくあるパターンだな」と思っていたのですが、最後の最後でそうではありませんでした。

というのは、相続放棄についての聞き取りがあらかた終わった後、「一つご質問いいですか。」

と聞いてくださったのがきっかけです。

私が、「はい、いいですよ。」と言うと。

「被相続人の死亡について医療ミスがあったかもしれないんですが、それは関係ないですか?」とのことでした。

驚いた私は、もう一度話を聞いてみました。

すると、亡くなった被相続人の死亡について弁護士さんに調べてもらっている最中だったことが判明しました。

私は、「あー聞いてよかった。」と内心思ったのを覚えています。

というのは、今回、相続放棄を全員でしてしまうと、もし医療ミスがあった場合に損害賠償権が誰にもなくなってしまうからです。

親族に隠してする程度の借金と、医療ミスがあった場合の損害賠償請求権。

どちらの方が金額が大きいかは明らかです。

そこで、弁護士さんと連携しながら「熟慮期間伸長申立て」に手続きを変更したのです。

通常、この熟慮期間の伸長手続きとは、被相続人が亡くなったあと、相続財産を調査する期間が3か月では足りない時に利用します。

私も、通常のケースでは書類作成をしたことがあるのですが、今回は3か月経過後の相続放棄との複合パターンでした。

要は、「死亡~3か月は既に経過しているが、本来の起算点はここなのでそこから3か月を数えるべきだ」という主張と、

「さらにその期間は3か月では足りません」という二つを主張する書類を作らなければいけません。

私も、様々な資料を探し、時間こそかかってしまいましたが、弁護士さんとの連携もうまくいき、手続きを完了することができました。

後は、主の事件である、損害賠償請求がうまくいくのを祈るだけです。

 

司法書士として、今回の事件は非常に「司法書士らしいな」と感じました。

というのは、弁護士さんなどの他業種と連携をしながら、依頼者の利益に一番近づくように方針を決める。

この過程こそ司法書士らしい業務だなと考えているからです。

実際に訴訟を勝ち抜き、直接的に依頼者に利益をもたらすのは弁護士さんかもしれませんが、最悪のケースにならないように。

総合的に考えて利益となるように、道を作っていくような司法書士になりたいなと改めて感じた今回の事件でした。

 

当事務所では、相続放棄はもちろん、相続、後見、債務整理等多様な業務を受任しています。

どうぞ無料相談を利用して、悩みを解決してください。

神戸市内に限らず、ご対応いたします。

少し変わった相続放棄がありました。①

2020-11-02

先日、無料相談にて相続放棄の依頼を受けました。

司法書士業務の中でも比較的メジャーな分野であるからか、無料相談の件数としてはまずまずの分野です。

さてしかし今回のケースは、通常の相続放棄ではなく、被相続人の死亡から約一年間が経過しているケースでした。

このホームページ内でもご説明していますが、相続放棄には3か月以内という期間制限があります。

しかし、この3か月というのは、必ずしも被相続人が死亡してから3か月ではありません。

例えば、相続放棄される方が兄弟の場合、3か月の起算点は「自分が相続人となったことを知った時から」というのが基本となります。

これはどういう意味かをご説明します。

相続人になるためには、順位があります。

配偶者がいればその方は必ず相続人になります。(絶対相続人)

子がいれば第一順位の相続人。

子がいなければ親などの直系尊属が第二順位に。

それもいなければ兄弟が第三順位として相続人となるのです。

さて、通常はこのように先の順位の相続人が「いない」場合に相続人となるのですが、相続放棄が順に行われることにより相続順位が進んでいくこともあるのです。

被相続人に債務が多く、子が相続放棄をしたとしましょう。

そして次は第二順位の直系尊属が相続人となり、また相続放棄をします。

すると兄弟に相続権が回ってきます。

しかしこの時点で、相続開始からはタイムラグがあるのが分かります。

当然ですが、相続放棄は被相続人の死亡日の即日に行うことはほぼ不可能です。

つまり、順々に相続放棄が行われるためには短くて数週間、長くて数か月の期間がかかるのです。

そのため、第三順位である兄弟が相続人となるまでに時間もかなりかかり、自分が相続人となったタイミングにすぐ気づくことができないことが多いのです。

にも関わらず、被相続人の死亡から3か月の起算をしてしまうとあまりにかわいそうです。

よって兄弟が相続放棄をするための期間は「自分が相続人になったことを知った時から3か月」ということになるのです。

 

次のケースは、自分が相続人であることはすぐに知ったが、「相続する財産が何もない」と考えていた場合。

これも被相続人の死亡から3か月を起算することにはなりません。そしてこれが今回の相談のケースでした。

被相続人は年金で生活をしており、預貯金・不動産もほぼなく、入ってくる年金で施設利用料を払っているというケースです。

しかし、被相続人の死亡より1年近く経過した後、貸金業者が数十万円の請求書を送ってきたのです。

当然、相続人としては寝耳に水であり、どうしたらいいか分からないということで当事務所へ依頼があったのです。

こういったケースも実は多くあり、書式もある程度持っていました。

大体の話を聞いて、書類を作ろうと思った時。。。

どんでん返しがあり、手続きの方針が大きく変わってしまいました。

その話は次回にしたいと思います。

 

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