少し変わった相続放棄がありました。①

先日、無料相談にて相続放棄の依頼を受けました。

司法書士業務の中でも比較的メジャーな分野であるからか、無料相談の件数としてはまずまずの分野です。

さてしかし今回のケースは、通常の相続放棄ではなく、被相続人の死亡から約一年間が経過しているケースでした。

このホームページ内でもご説明していますが、相続放棄には3か月以内という期間制限があります。

しかし、この3か月というのは、必ずしも被相続人が死亡してから3か月ではありません。

例えば、相続放棄される方が兄弟の場合、3か月の起算点は「自分が相続人となったことを知った時から」というのが基本となります。

これはどういう意味かをご説明します。

相続人になるためには、順位があります。

配偶者がいればその方は必ず相続人になります。(絶対相続人)

子がいれば第一順位の相続人。

子がいなければ親などの直系尊属が第二順位に。

それもいなければ兄弟が第三順位として相続人となるのです。

さて、通常はこのように先の順位の相続人が「いない」場合に相続人となるのですが、相続放棄が順に行われることにより相続順位が進んでいくこともあるのです。

被相続人に債務が多く、子が相続放棄をしたとしましょう。

そして次は第二順位の直系尊属が相続人となり、また相続放棄をします。

すると兄弟に相続権が回ってきます。

しかしこの時点で、相続開始からはタイムラグがあるのが分かります。

当然ですが、相続放棄は被相続人の死亡日の即日に行うことはほぼ不可能です。

つまり、順々に相続放棄が行われるためには短くて数週間、長くて数か月の期間がかかるのです。

そのため、第三順位である兄弟が相続人となるまでに時間もかなりかかり、自分が相続人となったタイミングにすぐ気づくことができないことが多いのです。

にも関わらず、被相続人の死亡から3か月の起算をしてしまうとあまりにかわいそうです。

よって兄弟が相続放棄をするための期間は「自分が相続人になったことを知った時から3か月」ということになるのです。

 

次のケースは、自分が相続人であることはすぐに知ったが、「相続する財産が何もない」と考えていた場合。

これも被相続人の死亡から3か月を起算することにはなりません。そしてこれが今回の相談のケースでした。

被相続人は年金で生活をしており、預貯金・不動産もほぼなく、入ってくる年金で施設利用料を払っているというケースです。

しかし、被相続人の死亡より1年近く経過した後、貸金業者が数十万円の請求書を送ってきたのです。

当然、相続人としては寝耳に水であり、どうしたらいいか分からないということで当事務所へ依頼があったのです。

こういったケースも実は多くあり、書式もある程度持っていました。

大体の話を聞いて、書類を作ろうと思った時。。。

どんでん返しがあり、手続きの方針が大きく変わってしまいました。

その話は次回にしたいと思います。

 

 

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