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兄弟相続の危険性

2021-06-15

相続登記遺産承継手続き等、司法書士は相続に関する多くの業務に携わっています。

司法書士として、こういった相続の依頼を受けた際に、一番楽なパターンは「遺言があるパターン」です。

楽とかしんどい等は依頼を受けている以上、言うべきではないのでしょうが、遺言があれば、集める戸籍も少なく、こちらの作成書類も少なくて済みます。

そのため、私の事務所では遺言書があれば相続手続きの費用を減額しています。

それぐらい遺言書があれば相続手続きは楽になるのです。

逆に、相続手続きが非常に困難になるパターンがあります。

それは「兄弟相続」のパターンです。

兄弟相続とは、相続順位の中、第三順位の相続ということになります。

つまり、被相続人(亡くなった方)に子供もおらず、両親・祖父母もいなかった場合に兄弟相続になるのです。

この兄弟相続の場合、集める戸籍は非常に多くなります。

まず、被相続人に子供がいないことを証明するために、出生から全ての戸籍が必要です。

次は、両親・祖父母が既に亡くなっていることを示す戸籍が必要です。

最後に全ての兄弟を証明するために、両親の出生から死亡までの戸籍が必要となります。

このように戸籍の収集だけをとっても非常に大変な手続きとなります。

また、両親の出生からの戸籍を取る関係で、非常に古い戸籍謄本を読む能力が求められます。

当然、昔の戸籍は手書きで作成されており、作成者が達筆すぎて読めないということもよくあります。

他にも、そもそも戸籍が破棄されている可能性もあり、その場合は、別途証明書を求められることも考えられます。

さらにさらに、兄弟相続の場合、相続する兄弟も被相続人と同じぐらいの年代となる関係で、相続人となる兄弟がすでに亡くなっていることもよくあります。

そうなると、その兄弟の子供たちも相続人になるため、関係者もどんどん増えていきます。

親族同士連絡を頻繁に取り合う関係性であれば問題はないかもしれませんが、遠方に引っ越していたり、場合によっては海外移住をしている事もこれから増えてくるでしょう。

関係者が増えてくる、連絡先が遠方になりやすいということも兄弟相続の大きなデメリットです。

 

このように、兄弟相続には大きなデメリット危険性があります。

ただ、兄弟相続には「遺留分がない」というメリットもあります。

詳しい説明は省きますが、遺留分がない場合、遺言書で自由に財産を相続させることができます。

つまり、自分の相続人が兄弟ということが分かっている場合、遺言書の作成によるメリットが非常に大きいです。

兄弟間での争いを防げたり、財産が宙に浮くことを防ぐため、遺言書の作成を検討してみましょう。

デジタル資産と終活

2021-06-09

司法書士として、不動産の相続登記はもちろん、預金・株式の相続手続きも多く手掛けています。

不動産の相続登記だけではなく、金融機関・証券会社への手続きもできるということは最近認知されてきたように思います。

ただ、昨今の財産はこういった目に見える財産だけではありません。

例えば、「ビットコイン」

少し前に、流行り、今も投資の一つの形として普及した仮想通貨と言われるものです。

他にも、「暗号資産」というものも今後の相続手続きに入ってくるでしょう。

しかし、特に暗号資産の取り扱いはまだまだ不透明なようです。

ただ、仮想通貨・暗号資産といった財産に相続税が課税されることが明示されています。

つまり、これらの財産が相続財産になることは確定的事項と言えるでしょう。

ただ、こういった財産の承継をどのようにしていくかはまだまだ不透明です。

仮想通貨といったものならまだしも、SNSのアカウントであったり、ブログが金銭的価値を持つ時代です。

こういったデータ・アカウントの相続も必要となってくると、その手続きはさらに複雑化していくでしょう。

では、どうすればいいのかというと、せめて自分の遺言書などを作成し、終活をする場合には、価値のあるデジタルデータも相続財産になり得るということを意識する必要が出てくるでしょう。

例えば、遺言でこのような文言を遺す場合。

「私の持っているパソコンを○○に相続させる。」

という場合、パソコンの所有権が指定された人に移るのは当然の遺言の効果です。

ただ、パソコンの中のデータはどうでしょう。

パソコンの中には、多額の仮想通貨・暗号資産が含まれていたとしたら・・・?

このような場合、相続人の中から、「パソコンは○○でも、中のビットコインは相続人で分けるべきだ」

という主張があることも十分に考えられます。

当然、こういったケースはまだまだ判例が少なく、確定的な法解釈は定まっていません。

そうなると、これは「危険な遺言」だと言えるでしょう。

遺言の作成といった、終活は基本的には「相続が起こっても誰も揉めないように」するはずです。

しかし、危険な遺言を作るとかえって親族間に軋轢が生まれるかもしれないのです。

では、さっきの遺言をこのように変えると、

「私の持っているパソコン及びその内部の一切のデータを○○に相続させる」

とした場合、これは中の仮想通貨・暗号資産も○○に相続させたことに疑義がなくなります。

このように、最新の情勢・判例・税制に精通していなければ終活を確実に行うことはできません。

司法書士はもちろん、税理士さんなどにもアドバイスを仰ぎながら、確実な終活をしていきましょう。

当事務所は、財産面での終活だけではなく、任意後見等での身上面の終活もサポートしていきます。

気になった方はお気軽にお問い合わせください。

リスク管理債権の増加

2021-06-07

最近、ニュースで「リスク管理債権」なるものが増加していると耳にしました。

債務整理を行っている司法書士として恥ずかしながらこのリスク管理債権を耳にしたのは初めてでした。

リスク管理債権。字の感じからすると、「リスクを管理できている債権」なのかなと予想しましたが、調べるとどうやら違うそうです。

調べただけなので、もし金融機関の方が見たら笑われるかもしれませんが・・・

 

リスク管理債権とは、①破綻先債権、②延滞債権、③3か月以上延滞債権、④貸出条件緩和債権。

この四種類の債権の総称をリスク管理債権とするようです。

①は分かりやすいですね。要は、倒産した若しくは返済見込みのない債務者への貸付金です。

②と③は似ていますが、②の延滞債権に少し細かい規定があり、①と②に当てはまらない3か月以上の債権が③にあたるようです。

よって、普通に考えると、③はかなり少なくなるはずですが、調べた中では予想通り③の債権は少なくなっていました。

④もほぼ読んで字のごとくです。

債務者の経営再建又は支援を図るために、金利の減免だったり、支払い猶予などを取り決めた貸出金のことです。

要するに、債務者が破綻しないように食いつないでもらうための貸付金と言えるかもしれません。

ここまでの情報から、リスク管理債権は少ない方が銀行などの金融機関にとっては良いことが分かりますね。

リスク管理債権とは、銀行からすると不良債権になり得る債権と言えるからです。

ではこのリスク管理債権のために、銀行は必ず蓄えをしているはずです。

そうでなければ、リスク管理債権を抱える銀行とは取引するのが不安になるからです。

この時、リスク管理債権が不良債権となった場合に銀行が利用するのが「貸倒引当金」です。

この貸倒引当金が蓄えられていれば、前述したリスク管理債権が実際に不良債権となっても銀行が破綻することはありません。

そして、この貸倒引当金の額も今年は増加しているそうです。

 

ここまで調べてニュースの趣旨がようやく分かりました。

私が目にしたニュースが伝えたかったのは、「景気が予想通り悪い」ということです。

このご時世、特に飲食業界・旅行業界は大きな打撃を受けています。

ただ、倒産した会社の数は景気の低迷を見ると、それほどの数でもないとも言われています。

その理由が少しわかったように思います。

要は、「まだ破綻していないだけ」という会社・個人事業主が非常に多くいるということです。

返済猶予・利息の減免等々、金融機関も必死で皆さんを支えています。

しかし、状況が好転するのを信じ続けて、傷口が広がることも十分考えられます。

まずは、司法書士であったり、弁護士、税理士などの専門家に相談し、生活を再建できる可能市があるのかを考えてみましょう。

一日でも早い債務整理は、一日でも早い生活再建に繋がります。

まずは当事務所の無料相談をご利用ください。

相続登記と上申書

2021-06-04

司法書士にとって、相続登記は業務の中で大きな柱であり、当事務所でも数多く受任しています。

基本的には、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本関係を取り寄せることから業務が始まっていきます。

戸籍謄本は、一つの役所で全て取れるとは限らず、婚姻の時に本籍地を変えている方、住所を変更するように何度も転籍をしている方などもおり、どれぐらいの労力で収集ができるかはやってみないと分かりません。

他にも、被相続人が亡くなってから何年か経過してしまっている場合、最後の住民票が取得できないことがあります。

この場合、亡くなった人と登記簿に載っている方が一致するかが分かりません。

登記簿には、住所氏名は載っており、亡くなった方の最後の住民票が取れないとなると、一致する情報が氏名しかありません。

この状況で、無条件に相続登記を認めてしまうと、「同姓同名の人の不動産を勝手に相続登記」できてしまいます。

当然、法務局がこんなことを認める訳がありません。

では、どうするのかというと、「上申書」を使います。

登記における上申書とは、主に、一部の添付書類が取得できなかったり、一般的なケースではない事例で用います。

内容は事例ごとに当然異なりますが、「一部の書類が不足していますが、登記をしても御庁にご迷惑かけないことを確約します」みたいな内容になります。

この上申書に、本来は求められていない権利証であったり、固定資産税の納付書などの所有者でしか持ちえない書類を添付して登記を行っていくのです。

これが相続登記における上申書の登場場面です。

 

さて、この上申書、出てくる場面は他にも様々です。

例えば、前回の記事でお話した「清算結了登記の抹消」という変則的な会社の登記、裁判所提出書類の作成の際にも作成することがあります。

しかし共通点は、何かの手続きが問題ないことを申請者側が一部確約する文書です。

そのため、このような書類を作成するこちらも責任を持って作成しなければなりません。

関係者への聞き取り、お持ちの書類の確認、場合によっては法務局との打ち合わせを経て上申書を作成していくのです。

っというように、上申書の作成はとても難しいです。

ただ、報酬に反映できるかというと難しいことも多いです。(笑)

理由はやはり、受けてみないと上申書が必要かが分からない点、苦労して作った上申書は法務局への出し切りで、登記が終わると何も残らない点があります。

この点はどうしようもないので、仕方ないかなあとは思いながら、日々上申書を作成しています。

 

当事務所では、相続登記の中で変則的なものも多く扱っており、依頼者のご負担を極力減らし、手続きを行っております。

まずは当事務所の無料相談を利用し、相続登記が自分で出来るかを確かめてみましょう。

当事務所は、手続きの説明も無料で行っております。

会社の清算結了登記抹消??

2021-06-02

このご時世からか、会社の解散をするという方が増えています。

基本的には、会社の解散をすると、債務の清算、残余財産の分配等を行っていきます。

その中の流れで、債権者保護手続きをしなければなりません。

債権者保護手続きとは、会社に対して債権を持つ債権者が知らない間に会社がなくなることを防ぐための制度です。

具体的には、官報で公告をしたり、把握している債権者に通知を送ったりする必要があります。

会社の解散をする以上、債務超過である会社も多くあります。

債務超過である法人が解散してしまうと、債権を回収することができなくなってしまうかもしれません。

そこで、会社法などの法律では、債務超過になる会社の解散・清算の場合、特別清算であったり、破産手続きをとることが求められます。

破産については皆さん何となくイメージができるかと思います。

このホームページ内でも、任意整理・自己破産などについては多くの記事を書いていますが、その企業版ということを行います。

一方、特別清算については少しイメージが難しいかもしれません。

特別清算は和解型と協定型に分かれます。

和解型は、各債権者と個別に債権放棄などの合意を結び、裁判所の許可を得て、その和解に効力を発生させる手続きです。

協定型とは、個別の和解ができなかった場合に、債権者集会をして、3分の2の議決権を得て、債務を清算する手続きです。

文字で書くと難しいかもしれませんが、要は、半沢直樹のタスクフォースがやっていたようなことを特別清算では行ってきます。(かなり違いもありますが、あくまでイメージです)

っというのが、会社の解散からの流れで、これは多くの司法書士が関与していきます。

しかし、今回は、珍しい「清算結了の抹消」でした。

要は、清算業務が終わってないので、再度清算業務を行いますという登記をしなければならないのです。

ただ、今回のケースは「財産ではなく債務が残っていた」パターンでした。

一度清算を終えた会社に債務が残っていると、債務超過になることが濃厚です。

そうなると、先ほどお話をしたように、特別清算か破産をしなければならず、通常の清算ができないのではないかという疑義がありました。

そこで、法務局に照会していますが、やはりそこを突かれました。

ただ、今回は、法人格回復後、すぐに債務引き受けを行うため、債務超過にはならないことが確定しています。

こういったことを盛り込んで再度照会をしています。

さてどうなるか。。。

 

公正証書もついに電子化??

2021-05-31

新規事業の補助金などの影響か、法人の設立が増えているのは以前お話しした通りです。

法人の中でも社会的な信用が高い形態としては、「株式会社」や「一般社団法人」などがあります。

これらの法人は、設立の登記申請の前に、公証人による定款の認証が求められているために、社会的な信用度が高くなっているのです。

この定款の認証には、まず「実質的支配者の調査」があります。

具体的には、会社の発起人などの出資者が暴力団関係者ではないことの審査となり、これを経ることにより、暴力団関係者が作った法人ではないことの証明となるのです。

しかし、この定款の認証制度、社会的な信用と引き換えに少し高い手数料がかかってしまいます。

正確な金額は、定款の文字数等にも関係してきますが、多くは5万数千円の手数料となります。

既に事業をしている個人の方が、法人に形態を変えたり、既に会社を持っている方が別事業部門として会社を設立する場合は、この程度の金額気にならないかも知れません。

ただ、多くの方は会社を設立することで事業を始めていくため、この手数料もバカにならないのです。

さて、この定款の認証ですが、現在は多くの場合、電子認証という形式がとられており、要はデータ上で定款を作成・認証しています。

実際に公証役場を訪れる必要はあるものの、それまでのやり取りも含めオンラインでの手続き進行が可能となっています。

ただ、今回のお話は、公証人が行っている業務の中で大きなウエイトを占める「公正証書」に関するニュースでした。

この公正証書、だんだんと社会的にも認知されてきたように思いますが、主に使われるのは「公正証書遺言」の場面です。

公正証書で遺言を作成することにより、紛失の可能性が減ったり、家庭裁判所での検認が必要なくなったり、本人以外の人が遺言書を偽造することができなかったりと多くのメリットがあります。

しかし、この公正証書は全文を自筆する必要こそないものの、公証役場に赴き、実印及び印鑑証明書を用いて本人確認、署名、押印が必須とされています。

遺言という重要な文書を作成する以上、仕方がないのかも知れませんが、永遠に残っていく形式とも思えません。

今回のニュースを目にした時は正直、「まだ早いかな」と感じました。

まだまだ無駄な押印、署名が世の中には多くあります。

それらが淘汰された後、遺言・登記などの重要な手続きを検討するという方針でもいいのかなと司法書士としては思ってしまいました。

ただ、こういった話が出てくること自体は素晴らしいことです。

パブリックコメント等にも注意を払いながら、また最新の情報を手に入れましたら、ここでお話ししていこうと思います。

警察の不祥事から考えること

2021-05-28

以前、教員によるわいせつ行為などの抑止力となるための制度として、懲戒事由によっては官報に掲載される制度をお話ししました。

やはり、刑罰を重くしたりするだけではこういった犯罪は中々無くならないので、せめて再度の同じ立場に就くことを防ぐという方法が取られたのかもしれません。

さて、昨今では教員だけではなく、警官や警察関係者によるわいせつ事件も多く起こっています。

ここ神戸でも、交番内で性行為を行った警官がいたとのニュースがありました。

幸い、第三者に被害を与えるものではありませんでしたが、やはり閉鎖的で何が起こっているか分からないという印象を周囲に与えてしまうことは避けられないでしょう。

今回のようなケースでは、官報に掲載して、、というような形での制裁は適さないですが、警察関係者の不祥事もある条件下では官報などに掲載していくという流れになるかもしれませんね。

どうしても、行政や役所関係の職員は周りから厳しい目で見られます。

役所内部での処分は、ほぼ間違いなく軽すぎると周りから評価されてしまいます。

一般の役所の職員さんならまだしも、強い権力を持った警察関係者の不正行為はやはり社会的にも監査されるべきでしょう。

 

さて、どんな組織にも内部的な懲戒はありますが、司法書士にも懲戒は存在します。

司法書士に登録していれば、毎月、月報司法書士というものが手に入り、これにはその月周辺の懲戒事例が書かれています。

ほとんどの事例は、そりゃダメだろと明らかに悪意あるものです。

ただ、一部は、少し可哀想だと感じてしまうものもあります。

しかし、この懲戒事例に、可哀想なんてものは本来はなく、当然の懲戒であるべきなのです。

この行為を行った結果懲戒になった。

こういった懲戒事例に目を通しておくことで、自分の中の自分ルールが偏りすぎることを防げます。

少し可哀想だと感じた自分は、同じことを行う可能性があるのです。

自分はこういう状況になっても、こうはならないようにしようと、反面教師的に懲戒事例を毎月利用しています。

話が逸れましたが、教員のわいせつ事件の官報掲載制度などには、ただ、わいせつ教師を晒し上げるという役目ではなく、是非今いる教員・これから教師を目指す方に目を通してほしいという希望もあるはずです。

今回、警察関係者も同じようになると予想しましたが、これは公務員だけに当てはまることでは当然ありません。

自分の組織内、同じ職業での懲戒事例をゴシップのように聞くだけではなく、少しでも自分のために利用していきたいですね。

相続放棄の照会について

2021-05-26

神戸司法書士事務所にもいくつかの種類があります。

不動産登記を中心に、不動産取引に力を入れる事務所。

税理士さんなどの士業と協力し、会社・法人登記が得意な事務所。

そして、私のように成年後見であったり、債務整理なども幅広く行なっていく事務所などがあります。

このような事務所形態が多いのですが、「裁判所提出書類の作成」という業務も司法書士にはあり、司法書士の歴史を見ていくと実はこの業務が元々の業務であったりもします。

ただ、私が知る限りですが、この裁判所提出書類の作成に特化した事務所はあまりありません。

司法書士の本来業務ということもあり、この裁判所提出書類の作成業務を能力的にできない司法書士はいません。

にも関わらず、事務所としてはあまりやりたくないという司法書士は多くいるのです。

その理由は、「慣れていないから」「調べないとできないから」という理由がほとんどです。

やはり、よくやっている業務を流れるように行う方が効率が上がるので、ある意味仕方がないのかなと思います。

そこで、裁判所提出書類の作成は私の事務所のように、日頃からその業務を行なっている司法書士に依頼しましょう。

 

さて、導入が長くなりすぎました。

私の事務所は、相続放棄の申述書作成を多く行なっているのですが、最近それに付随する業務も受任しました。

具体的には、「相続放棄の有無に関する照会」というものです。

これは、ある相続人が相続放棄をしたかどうかを確かめるための制度です。

この照会制度はあまり利用する場面が多くありません。

その理由は、基本的には他の相続人が相続放棄をしたかどうかを知るメリットが多くない。

メリットがあったとしても、同じ親族内であれば直接聞けば済む。

といった理由があります。

では、なぜ今回この制度の利用をしたかというと、ある相続人が相続放棄していれば、自分が相続人となり、相続放棄をしたい。

ただ、その相続人の連絡先が分からず、自分が相続人になっているのかすら分からない。

というケースでした。

相続放棄は、「自分が相続人になっていることを知ってから」3ヶ月以内にしなければなりません。

当然、相続人となっているか分からない今回のようなケースでは3ヶ月は進行しないのですが、法的には不安定な立場が続きます。

そこで、先順位の相続人が相続放棄しているかをこちらから積極的に調べて、スッキリしようという流れになったのです。

このように、様々な業務を行なっているからこそのご提案ができます。

とりあえずどこに相談すべきか分からないという方は是非、当事務所までご連絡ください。

債務整理とマイカー

2021-05-24

債務整理のデメリットの代表は、やはりブラックリストです。

ブラックリストについては何度もお話をしていますが、クレジットカード住宅ローンなどの審査に通らなくなることを意味します。

さて、このブラックリストによる審査には、クレジットカードや住宅ローンだけではなく、車や電化製品など高価な商品の割賦金購入も含まれます。

ということで、債務整理を行った方は、こういった高価な商品を割賦で購入することが難しくなるのです。

あくまで、「割賦・分割での購入」が難しくなるだけです。

決して電化製品や車が購入できなくなるわけでも、持っているマイカーが回収されるという訳でもありません。

しかし、ネットでは、債務整理により車が回収されるという記載がされていることもあります。

これは、ある意味では正しいのですが、「債務整理=車が無くなる」というのは必ずしも当てはまりません。

まず、債務整理にはいくつかの手続きがあり、その代表的手続きである、「任意整理」ではほぼ間違いなく車が回収されることはありません。

その他の手続きには、個人再生や自己破産があります。

そしてこれら二つの手続きでは車が回収される可能性が高くなるのです。

自己破産の方が説明が簡単なので、自己破産と車について少しお話を深めていきます。

自己破産を行うと、20万円以上の価値があるものは換価されることが原則です。

つまり、車の価値が20万円以上だと換価され、回収されていくことになります。

ここで言う車の価値とは、購入時の価格ではありません。

あくまで、破産手続きを行った時の価格を算定し、20万円と比べていくのです。

通常、多くの大衆車であれば、6年を経過すると大きく価値が下がると言われています。

そのため、お持ちの車が大衆車で、かつ6年以上所有している場合は、自己破産であったとしても車が回収されることはないのです。

このように、債務整理の手続きの中で車が回収される場合はかなり限定されています。

にも関わらず、債務整理=車が無くなる、自己破産=車が無くなると画一的記載されているネットの情報も多いです。

やはり、債務整理はイメージが悪く、債務整理のデメリットがどんどん拡大しているように感じます。

しかし、特に任意整理では債務者にかかるデメリットは非常に限定的なものです。

デメリットの代表例である、ブラックリスト入りでさえ、滞納をしていると既に入っている方も多く、そうなると目立ったデメリットは司法書士への報酬ぐらいです。

そしてその司法書士への報酬も、任意整理がもたらすメリットに釣り合うものではありません。

具体的には、将来利息のカット。

これだけでも司法書士報酬をはるかに上回る経済的利益があります。

まずは司法書士へ相談し、多重債務状態から一日でも早く抜け出しましょう。

会社の設立もお早めに

2021-05-21

新年度に入り、新たに会社を始める方であったり、個人事業主から法人に業務体制を変更する方が多い時期です。

会社の設立年月日は登記簿に残りますので、月初であったり、大安吉日、何かの記念日などを設定する方も多くおられます。

さて、これが通常の時期であれば、最短数日、長くとも1,2週間程度あれば設立申請まで行うことができます。(当然、社印等が完成していればですが)

ただ、現在はこのご時世で法務局だけではなく、公証役場も人を減らしたり、リモートワークになっていたりします。

法務局が人を減らしているのは、「設立日」の観点では何ら問題がありません。

というのは、会社の設立日というのは「登記の完了日」ではなく、「登記の申請日」であるからです。

つまり、法務局が人をいくら減らそうが、登記申請自体は可能なので、登記簿に残る会社の設立日には影響がないのです。

ただ、公証役場が人を減らしているのは、設立日に影響を与える可能性があります。

というのは、会社の設立申請には「定款認証」という手続きが必要だからです。

定款認証とは、会社の法律である定款に問題がないかを公証人が証明してくださる制度のことです。

この定款認証は全ての法人形態で必要なわけではなく、合同会社などは必要とされていません。

逆に、株式会社・一般社団法人などは定款認証が必要なため、公証役場の人数調整が念頭に入れて手続きを進める必要があるのです。

 

通常の流れであれば、

①定款認証の依頼及び定款原案を公証人にチェックしてもらう。

②実質的支配者の審査(発起人が暴力団関係者などではないことの調査)

③定款認証のための押印作業

④定款認証

⑤会社設立申請

という流れになり、それぞれの工程は数日で終了します。

ただ、現在は、①の段階で公証人の先生の予約がなかなか取れないのです。

週の何日かはリモートワークにしている役場があったり、一日に予約できる人数を制限しているため、このようなことが起こるのです。

公証役場は、定款認証だけではなく、「遺言書の作成」「離婚に伴う公正証書の作成」等々、様々な業務を行っています。

そのため、なかなか予約が取れないということも十分にあり得るのです。

そういう状況なので、当所の計画から期間が余計にかかってしまうことが想定されます。

幸い、私の事務所では今のところ当初の予定通りの設立ができています。

ただ、万が一案件が増えていくと予定がズレることも考えられます。

債務整理等の業務と同様に、司法書士への依頼はできる限りお早めにすることをおすすめします。

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