相続してからか、成年後見か。

司法書士として、相続登記の案件であったり成年後見の依頼というのは日常的に入ってきます。

ただ、司法書士事務所を訪れる方の中には「解決したい課題」はあるものの「どの制度を使えばよいか」ということまでは分からないという方も多くおられます。

他にも「この制度を使ってほしい」という依頼で事務所を訪れても、話を聞いた結果別の制度を使うこともあります。

ただ、私たち司法書士でも「絶対にこの制度が良い」と言い切れないようなケースも多くあるのです。

例えば、「年老いた両親の不動産を処分したい」というケース。

ご両親がまだ自宅に住んでいる場合だと「亡くなった後」処分するのが良いかと思いますが、司法書士事務所に相談に来る以上そうではありません。

「両親は既に施設あるいは病院に入っており、帰ってこられる可能性が低い」というケースがほとんどです。

この場合、まず検討するのは本人である「ご両親の意思」です。

ご両親の認知能力が低下しておらず、ご両親がすぐにでも不動産を処分したいと考えていると、取り得る選択肢は一つです。

シンプルに不動産屋さんへお繋ぎし、処分を進めることになります。

反対に、処分したくないということであれば、亡くなるまで不動産には手を付けないということになります。

しかし、ご両親の意思が分からない或いは不十分な場合はそうはいきません。

すぐに処分した方が良いのかはまさにケースバイケースということになります。

そして、認知能力が不十分な状態で処分を進められる現状唯一の方法が「成年後見人の選任」です。

家庭裁判所へ成年後見の選任申立てを行い、就任した成年後見人により不動産を処分します。

ただこれは100パーセント可能な方法とは言えません。

不確定要素とデメリットがあります。

まずは、不確定な要素から。

・成年後見人はあくまで家庭裁判所が選任するため、最終的には誰が選ばれるか分からない。

・成年後見人が就任しても、本人のために行動しなければならないため確実に不動産を処分するかが分からない。

・居住用不動産の処分には家庭裁判所の許可が必要であり、許可が出る状況かが分からない。

こういったところが不確定要素となります。

デメリットとしては、

・費用がかかる。

・基本的には本人が亡くなるまで後見が続く。

この辺りが挙げられます。

つまり、両親がご健在の間に不動産を処分するには、こういった障壁を勘案して手続きを選択する必要があるのです。

そのため、こういったご相談が当事務所にあった場合は「複数の選択肢」をご提供させていただいております。

各手続きのメリットデメリットもお伝えしますので、その中で「あなたにとって」ベストな選択肢を考えていただくということを意識しています。

「自分の状況でどんな選択肢、可能性があるのか知りたい」という方は是非ご連絡ください。

選択肢の提案、相談だけで依頼に至らない場合は費用を一切いただきません。

どうぞお気軽に無料相談をご利用ください。

 

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