司法書士と懲戒

司法書士は、業務を行うために司法書士会に入会しております。

私は神戸に事務所を構えているため、兵庫県司法書士会に登録をしており、他にも各都道府県に会が存在しています。

司法書士会では一般の方が会員を検索できるように、名簿も備え付けており、インターネットからでも検索をすることができます。

司法書士会に入っていると毎月、月報司法書士なる書籍が送られてきます。

それには、最新の判例であったり、法改正、豆知識等々様々なものが載っており、ためになる記事も多くあります。

読み物的な記事の中に、「懲戒事例」というものもこの会報には載っています。

割と詳細な事例が載っており、どの部分が悪かったのか、どうすれば良かったのかが読んでわかるようになっています。

司法書士が懲戒になるケースはいくつかありますが、私の体感としては、

・成年後見等での業務上横領(多くは一発業務禁止、若しくは一年以上の業務停止)

・本人確認、意思確認をしなかった(数か月~数年の業務停止が多い)

・事件放置(連絡、理由なく事件に手を付けていない)(数週間~数か月の業務停止が多い印象)

これらがトップというかワースト3によく出てくる懲戒事例です。

これに続くのが、「品位保持義務違反」というものです。

この懲戒事例は、様々な事件から派生し得るものです。

例えば、バックマージンを受け取っていたとか渡していたという例。

司法書士は、お客様や案件を業者などに紹介した場合に、バックマージンを受け取ってはいけません。

相手方で多いのは、不動産業者がほぼ全てを占めます。

不動産業界では、いわゆるバックマージンは特に違法ではないので、私たち司法書士相手であっても同じようにバックマージンを渡したり要求したりという関係になりやすいのです。

ベテランの先生や経験豊富な司法書士であれば、そういった業者とは付き合わなくとも他で十分仕事ができるため、きっぱりと断ることができるのですが、新人の司法書士などはやはり狙われやすいようです。

他には、誇大広告というものもこの品位保持義務違反にあたるようです。

具体的な例は中々難しいですが、「日本一安い司法書士」などの記載はふさわしくないようです。

最初に挙げたような3つのよくある懲戒については、ある意味わざと問題を起こしていますが、品位保持義務違反については、各会員の倫理観が非常に大切です。

懲戒事例を見て、「これで懲戒はかわいそう」とか「これで懲戒は意味が分からない」と感じてしまうということは自分の品位・倫理観がズレているのです。

これからも毎月会報を読みながら司法書士としての倫理観を高めていきたいと思います。

 

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