女性の社会進出、男女平等の観点、様々な理由から声を上げる人が増えてきている選択的夫婦別姓制度。
この制度は読んで字のごとく、結婚後も夫婦がこれまでの姓を使用できる制度のことです。
アメリカ、中国、韓国などではこの制度が導入されているようです。
しかし、日本には下記のような法律があるため、選択的夫婦別姓は認められていません。
民法第750条 夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。
とあり、夫の氏を必ず使用することは求められていないものの、どちらかの姓を統一使用することになっているのです。
つまり、夫の姓を使用する場合、女性側は様々な場面で登録してきた氏名を変更していかなければならないのです。
まずは公的証明書の類です。免許証であったり保険証、この辺りですね。
昔の女性の社会進出が進んでいない時であれば、公的証明書と金融機関関係だけだったかもしれません。
ただ、現在では会社での名刺であったり、司法書士のように登録が求められている職業であればそれらの変更も必要になります。
これは氏を変更した側にとっては大きな負担となります。
仮にAT技術の発展により、婚姻届の提出だけで全ての変更が済むようになるならまだしも、現在の億劫さが続くのであれば、選択的夫婦別姓制度導入へ声を上げる方も増加していくはずです。
さて、法律上はこのように選択的夫婦別姓制度は認められていませんが、司法書士が扱う登記の世界では流れが少し変わっています。
会社法人登記では、会社の役員が登記されています。
最近は、取締役・監査役等の登記が必要な役員の中にも女性が増えてきています。
そして、女性が結婚すると多くの場合氏を変えることになります。
そうなると登記されている役員名も変更しなければいけません。
残念ながらこの登記を省略していいというところまで制度は進んでいませんが、婚姻前の氏を併記することは認められているのです。
こうすれば、対外的なこれまでの名前を失うことがありません。
会社での名刺も変更しなくて済むかもしれません。
そうです、選択的夫婦別姓制度の現在の問題点は、手続きの億劫さに加えて、これまで認知されてきた名前を失うことにもあるのです。
この辺りの解消は今後確実に進んでくると思います。
あくまで戸籍上、住民票上の名前が自由化されるのはまだ先でも、ビジネスネームとしてこれまでの名前が使えるようになる時代はもうすぐだと思います。
このコラムを通して、少しでも皆さまの抱えるお悩みの解決の糸口が見つかれば幸いです。
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