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神戸市北区の私橋が封鎖?

2021-03-22

神戸市北区にある、30戸ほどの住居が並ぶ地域でとある問題が起こったようです。

車で出入りできる唯一の橋が突然封鎖されたのです。

私は司法書士という職業上、こういった紛争を耳にすることは多いのですが、私道での紛争がほとんどでした。

さて、今回問題のこの橋は、50年近く公共物として使用されてきたようですが、近年になって私有であることが判明したそうです。

この橋の所有者は、橋の老朽化のために近隣住民に購入を求めているようです。

当然、周りの住民は購入ではなく、市等が所有することを求めており、両者の意向が食い違っていることが今回の封鎖の原因のようです。

 

非常に難しい問題のように思います。

たまにあるよく似たニュースとしては、先ほども述べたように「私道の封鎖」があります。

私道の所有者が近隣住民とのトラブルなどが原因で私道を封鎖したりする事件はたまに耳にします。

この場合、刑法で言えば往来妨害罪が適用される可能性があり、近隣住民側の主張はこういった要素を武器に戦っていくことになります。

逆に所有者側としては、所有権そのものを根拠としてそれに争っていきます。

当然、これはどちらの権利も認められるべきですが、私道を通れるようにするかしないかという話の場合、双方の意見が100%認められることはあまりありません。

例えば、

・近隣住民が私道の一部又は全部を共同で購入する。

・通行料を支払う。

・市などが私道を買い取る。

といった解決になるかと思います。

しかし、この購入金額、通行料、自治体による購入の金額は所有者の言い値になることはありません。

多くの場合は、何年も紛争を続けた労力に見合わない金額に落ち着くようです。

この理由は、もし高額での着地にしてしまうと、全国各地で似たような私道が買い占められ、紛争が各地で起こる可能性があるからです。

そのため、このような問題では折衷案というか、痛み分けのような着地点にするしかないのです。

 

さて、今回の神戸市の私橋のケースではどうなるのでしょうか。

神戸新聞の記事によると、所有者は当該橋を1200万円で購入したと主張しているようです。

しかし、この住宅地を開発した業者は既に倒産しており、当時の資料が集まらないようです。

では、この所有者が主張する言い値で決着するかというと、これまで挙げた私道の例からするとそうはならないように思います。

多くの私道での事例と同様に、長引けば長引くほど「両者痛み分け」の決着になるのではないでしょうか。

 

当事務所では、私道であったり、共有持分の処分など処分が難しい不動産でも複数の業者へ紹介したりし、解決に向けサポートしています。

何かお困りのことがあれば是非一度ご連絡ください。

大学生の債務整理

2021-03-19

最近は、大学生などの学生でも手軽にクレジットカードが持てるようになっています。

司法書士の事務所を債務整理で訪れる学生も当然いらっしゃいます。

大学生の場合、毎月の返済に充てる原資はアルバイトもしくは親からの仕送りという方が多いのではないでしょうか。

ただ、仕送りの場合はまだしも、大学生活と並行したアルバイトでの収入はどうしても安定しないことがあります。

そのため、毎月の返済が苦しくなる月が発生することもあるでしょう。

その時、多く利用されているのが「リボ払い」です。

このリボ払い、月々の返済がフラットになるため、返済日が迫っている場合にはメリットも大きいです。

しかし、このリボ払いは分割払いと違って返済の総回数が見えづらく、完済までに支払う利息の総額も見えづらいです。

「調子に乗って全てリボ払いにしていたが、限度額がいっぱいになってしまった」という方もおられるのではないでしょうか。

その場合の対策として最悪なのは、他のカードに頼ることです。

限度額がいっぱいになったカードを使わずに、他のカードを使い当面の生活費を確保するのです。

この際、本当に困った時だけ一括払いで乗り切るのであれば状況はそれほど悪化しません。

ただ、頼った他のカードでもリボ払いをしてしまうと、状況はますます悪化していきます。

そして次のカードがいっぱいになると、また次のカードを作成する・・・

こういうループに入ると学生の内に100万円を超える債務を負うということも十分に考えられるのです。

返済のためにアルバイトを増やし、大学に行けなくなり、留年・退学となったらさらに状況は悪化していきます。

留年とはすなわち余分な学費を生み出すことになり、退学であればこれまでの学費等は全て無駄になるのです。

さらに、一般的には大学を卒業した方がその後得られる賃金が上がります。

将来得られるはずの金銭面でもマイナスが余りにも大きいのです。

つまり、リボ払い・分割払いが多くなってくれば、大学生活に支障が出る前に専門家に依頼をするべきなのです。

100万円程度であれば、大学を卒業し、就職すれば間違いなく解決できます。

それどころか、リボ払いは元金だけになれば大した額ではないことも多く、司法書士の介入が早ければ学生の間に解決することも十分可能です。

また、司法書士への依頼を嫌がる方の多くはデメリット面を危惧するでしょう。

しかし、ブラックリスト等のデメリットは返済が滞った時点で既に発生しています。

さらに、発生したデメリットも永遠に続くわけではなく、結婚・出産・マイホーム購入等の大きなイベントの時にデメリット期間が終わっていればいいだけなのです。

少しでも早く司法書士へ相談し、あるべき学生の姿を取り戻しましょう。

次回はそれに関連して奨学金についてお話をしようと思います。

 

当事務所は学生の方からの依頼もあり、お時間等は柔軟にご対応いたします。

対応地域も神戸市に限りませんので、お気軽にお申し付けください。

住所変更登記について

2021-03-17

年度末ということで、不動産の取引に関する業務が増えています。

不動産決済業務に関して、私たち司法書士が一番恐れているのは、住所変更登記の見落としです。

その理由をお話しします。

 

登記を申請する際、申請しなければならないものが以下のようなものだったとします。

・住所変更

・抵当権抹消

・所有権移転

・抵当権設定

この場合には、登記を4件申請します。

あってはならないことなのですが、司法書士が登記申請を行って、補正があることがあります。

一部住所の記載が間違っていたり、申請内容に疑義があったりすると法務局から電話があり、補正を行います。

正直、補正にもならず却下になる事象は多くありません。

ただ、最初にお話ししたように、住所の変更を見落とした場合、補正では対応ができません。

なぜなら、住所変更登記の見落としは、登記内容の補正ではなく、登記申請件数そのものが間違ってるからです。

「忘れていたなら後から出せばいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、そうはいきません。

登記申請をすると、受付番号というものが発行されるのです。

これは、登記を申請した順に「令和3年3月17日受付第12345号」のように受付番号が付与されるのです。

そして申請情報の処理は受付番号の若い順に処理がされていきます。

つまり、本来最初に処理しなければならない住所変更登記を後から申請しても意味がないのです。

次に、「そもそも住所変更登記はなぜ必要なの?」と思われる方もおられると思います。

この理由は、印鑑証明書と関係があります。

所有権移転登記を申請する際、売主は印鑑証明書を提供します。

そしてこの印鑑証明書は「現在の住所」について発行されます。

つまり、住所変更登記を経て、最新の住所に変更していなければ提供した印鑑証明と登記簿上の住所が一致しません。

本人確認としての意味が失われてしまうのです。

このため、住所変更は必ず所有権移転登記の前に申請しなければならないのです。

よって、住所変更を漏らしてしまうと、基本的に登記を取り下げるしかありません。(裏技はあるようですが、、、)

最後に、「取り下げてもう一度出せばいいじゃないか」と思われる方について。

これはある意味では正しいです。

しかし、曜日が変わってしまうと問題があります。

金融機関で住宅ローンがあれば、一日無担保の期間ができてしまいます。

これは司法書士の責任問題となるのです。

そして、住所変更を漏らした場合、発覚するのは数日後です。

つまり曜日は基本的に遅れてしまうのです。

よって、住所変更に気づかず申請をした時点で責任問題となります。

運よく当職はまだ経験がないので、この記事を書くことでもう一度気を引き締めたいと思います。

 

当事務所では、登記申請の依頼だけでなく、ご自身で登記される方の無料相談も実施しています。

もし、登記申請でお困りの方がおられたらお気軽にお声がけください。

司法書士にできること、できないこと

2021-03-15

司法書士に依頼できることは様々です。

例えば、相続手続きであったり債務整理のお仕事であったり、不動産登記の業務。

これらの業務は司法書士業務の代表的なものですが、この中の一部の業務は司法書士でも行うことができません。

今日は、司法書士ができないことについて少しお話をしていきます。

 

まず、相続手続きにおいて、司法書士ができることをお話します。

司法書士は、業務として、法務局に対する相続登記の申請や、金融機関・証券会社などに対しての遺産承継手続きを行うことができます。

しかし、この業務は「相続人間で紛争が起こっていない」ことが条件となります。

例えば、相続人が二人いるが、遺産分割の内容に納得がいかず、協議がまとまらない。という場合。

司法書士は遺産分割協議をまとめるため、一部の相続人の代理人となり交渉したり、調停の手続きを代行することはできません。

この場合は、弁護士に依頼し、紛争を解決する必要があります。

 

続いては債務整理の場面。

司法書士には簡易裁判所の代理権があり(認定を受けた認定司法書士のみ)、訴額140万円以下の債務額について任意整理を行うことができます。

他にも、過払い金返還請求などでも同じく訴額140万円というのがラインとなります。

また、任意整理以外に自己破産・個人再生といった手続きにおいても司法書士は「代理人」となることができません。

自己破産・個人再生においては「書類作成者」として依頼者をサポートするにとどまるのです。

つまりここでも、訴額140万円を超える債務についての任意整理であったり、自己破産を代理人として進めてほしい場合は弁護士さんへの依頼が必要となるのです。

 

最後の例は不動産登記。

司法書士は独占業務として、不動産の権利の登記を行うことができます。

所有権移転・抵当権設定といった登記を業として行うことができるのは司法書士です。

しかし、不動産登記において権利の登記というのは登記が持つ役割の内、半分に過ぎません。

不動産登記は、「権利」と「表示」の二つを公示する役割があるのです。

表示とは、不動産の見た姿そのものです。

所在・地積・地目、構造等々、不動産を見て、図って得られる情報が表示登記の役割です。

そしてこの表示に関する登記の専門家が土地家屋調査士です。

よって、地目を変えたり建物の表示登記に関しては司法書士が関与することができません。

 

このように、司法書士が扱っている業務の多くは、弁護士であったり、行政書士、社労士、土地家屋調査士といった他業種の業務範囲と隣接しています。

しかし、逆に言うと司法書士は多くの専門家への橋渡しを行うべき専門家と言えます。

当事務所でも、信頼できる専門家への紹介を行っておりますので、何か悩みがあればまずは当事務所へご連絡ください。

抵当権抹消登記の流れ

2021-03-12

抵当権抹消登記についてのご質問が増えているので、流れについてお話をしたいと思います。

司法書士が抵当権抹消登記を扱うタイミングは大きく分けると2つです。

1つ目は、住宅ローンを完済した時です。

マイホームを購入した場合、多くの方は現金一括購入ではなく、住宅ローンを組んで購入されると思います。

その場合、金融機関は対象の不動産に担保を設定します。

この担保の一つを抵当権と言います。

他には、質権なども担保に含まれますが、質の場合は対象物を相手方に渡してしまうため、住宅ローンの場合は当然使われません。

しかし、担保であることには変わらないので、イメージとしては同じように考えられます。

具体的な共通点は、「借金を返済しないと対象物の所有権が失われる」という点、「完済すれば担保が抹消される」という点が挙げられます。

そしてこの「完済」した時に抵当権の抹消登記が必要となるのです。

流れとしては、住宅ローンを完済すると、金融機関より以下のような書類が送付されます。

・抵当権設定契約書

・抵当権解除証書

・登記識別情報通知

・委任状

・その他契約完了書類

このような書類が送付されます。

ここから登記に必要な書類である解除証書、登記識別情報通知、委任状を使用し、抵当権抹消登記を申請します。

この時点で、個人のお客様がご自身で手続きを行うことも可能です。

ただ、法務局に相談に行かなければならなかったり、書類を作成しなければなれなかったりと手間がかかります。

そのため、これらの書類を司法書士に渡し、手続きを代行してもらう方もおられます。

これが私たち司法書士が抵当権抹消登記を行う第一パターンです。

 

二つ目は、ローンが完済する前に不動産を売却する場面です。

この場合、売却代金をもってローンを完済し、同時に買主へ登記名義を変更します。

この場合、個人のお客様がご自身で手続きを行うことは基本的にありません。

なぜなら、確実に抵当権が抹消されなければ買主に担保が残ってしまうからです。

つまりこの場合は確実に司法書士に依頼することになるのです。

流れとしては、お客様自身で、借り入れの金融機関へ一括返済の連絡をします。

その後、書類の打ち合わせ等は司法書士が行っていき、当日の書類の授受も司法書士が立ち会うことになります。

そして受け取った書類をもって司法書士が登記申請を行い、手続き完了となります。

 

以上が司法書士が抵当権抹消を行う2つのパターンです。

受け取ったはずの書類を無くしてしまった、抹消する前に相続が発生してしまった等、変則的な登記パターンであれば司法書士に依頼することをお勧めします。

もし、自分で申請したいが、アドバイスを受けたいという方がおられればご連絡ください。相談だけであれば無料でご対応いたします。

ZOOMなどによる新たな司法書士業務

2021-03-10

このご時世で中々人と直接会うのが難しくなっています。

そんな中、ZOOMなどのシステムを使って面談を行うことで、対面での面談をせずに、情報提供を受けたり、事件の聞き取りができるようになりました。

当事務所でも積極的にこのようなシステムを利用しています。

例えば債務整理の場面。

これまでは無料相談の形式で債務整理について相談がある場合、メールであったり電話で聞き取りを行なっていました。

ただ、債務整理という手続きは信頼できる司法書士に依頼するのが何よりも大切です。

そんな中、顔が見える状態で事前面談ができるのはメリットが大きいです。

こちらとしても、相談者の顔を見て聞き取りができるのはありがたいです。

事前の無料相談だけではなく、中間の報告でもご希望があればZOOMにてご対応しております。

この場面でも表情を見ながらご報告することで、無理な計画になっていないか、生活に問題が出ていないかを見ることができます。

特に任意整理にて解決を目指す方は、真面目な方が多いです。

そういった方はどうしても最初に無理をしてしまい、返済計画に無理がある場合も多いのです。

その場合、できる限り早い段階で問題に気づければ軌道修正を行うことも可能です。

そういった面からも、ZOOMでの面談にはメリットが大きいのです。

 

他にも、ZOOMでの面談には大きなメリットがあります。

それは、本来は依頼できない司法書士にも依頼ができるということです。

「立地の関係で神戸〜大阪間での司法書士にしか依頼ができない」といった方も多いと思います。

ただ、オンラインでの面談システムを利用すれば地域に縛られずに好きな司法書士にアクセスすることができます。

例えば私の事務所の場合、養父市のある葬儀屋さんと協力し、司法書士のサービスを必要としてる方にオンラインで面談の場を提供しております。

相談の内容は様々です。

遺言を必要としている、相続登記をしたい、離婚に伴う公正証書を作成したい等々。

こういった方と顔が見える状態で情報交換をすることはこれまでほぼ不可能でした。

しかし、オンラインシステムの力を借りることでニーズがある全国の方と繋がれるのは大きなメリットです。

当事務所では、積極的にオンライン面談を利用しております。

ぜひお住まいの地域に縛られず、信頼できる司法書士を探してみてください。

 

これまでご紹介したように、当事務所は対応地域に縛られずに相談を受任しております。

オンライン面談も当然、無料でご対応しております。

気になった方は一度等事務所へご連絡ください。

相続登記の流れについて

2021-03-08

相続登記に関するご相談が増えてきたので、手続きの流れを簡単にお話しておこうと思います。

相続登記を司法書士に依頼するタイミングは様々です。

・被相続人が亡くなってすぐ。

市役所区役所で死亡に伴う手続きをした時に司法書士が必要だと知った。

・金融機関での口座凍結解消手続きをした後に不動産の手続きも必要なことを知った。

・相続財産が多かったため、税理士に依頼していたが、その税理士から紹介を受けた。

などが多いパターンかと思います。

まず、一つ目のパターンであれば、司法書士が戸籍の収集から登記申請まで全てを行うことになります。

そのため、このパターンを中心にお話をしていこうと思います。

 

1、依頼

相続登記を司法書士に依頼する場合、司法書士から以下のような情報提示を求められます。

・被相続人の持っていた不動産の所在地等(正確に分からない場合は、どの市区町村にあるか)

・被相続人の最終住所・最終本籍地

・相続人の概略(正確に分からなくとも大丈夫です。)

・遺言書の有無

・遺産分割協議の有無(これから行う場合は見通し)

以上の情報があれば、司法書士は登記に必要な書類を収集することができます。

この時、固定資産税の評価証明書若しくは納税通知書を提示すれば相続登記の見積もりも素早く算出してくれるはずです。

司法書士に以上の情報を提供し、費用面・手続きの説明に納得できれば委任契約を締結します。

最初から司法書士に依頼する場合、以降は司法書士から送られてくる書類に署名押印するだけです。

 

2、書類の収集(司法書士側の動き)

依頼時に集めた情報から司法書士は必要な書類を収集します。

戸籍謄本関係を市区町村の市民課へ請求。

不動産の所在が不明であれば、資産税課と法務局へ。

等々、各役所へ請求を行い、書類を収集していきます。

 

3、署名・押印書類の作成(司法書士側の動き)

収集した書類並びに依頼時に聞き取った内容をもとに登記に必要な押印書類を作成していきます。

具体的には、遺産分割協議書・登記委任状・上申書(登記が複雑な場合)等を作成します。

作成した書類は各相続人へ送付されます。

当事務所であればレターパックも同封しておりますので、署名と押印が終われば、印鑑証明書と共に返送していただくだけです。

 

4、登記申請(司法書士側の動き)

返送していただいた書類を最終確認し、管轄の法務局へ申請を行います。

 

5、権利証登記識別情報通知)の返却

登記が終われば(1週間~10日ほど)法務局から司法書士へ新たな権利証が送付されます。

現在は登記識別情報通知という名前になっています。

司法書士は新たな権利証を受け取ると、登記簿謄本の交付申請を行い、登記簿上で間違いがないかを確認し、依頼者へ送付します。

 

6、入金

当事務所では、基本的に後払いで費用をいただいております。

新たな権利証を送付する際に請求書を同封しておりますので、それに従い、入金していただきます。

入金確認後、領収書を発送し、手続き終了となります。

 

以上が相続登記の流れです。

もし、金融機関での手続きの後に私たち司法書士へ依頼する場合は、金融機関への手続きで使用した戸籍等は再利用できます。

したがって、依頼時に戸籍関係をお預かりし、手続きに着手することになります。

当事務所では、様々な状況での相続登記を受任しております。

明治以降登記がなされていない土地であったり、相続人が他の国籍、相続人が外国にいる等々。

中々ネットで調べても分からないという方是非当事務所へご連絡ください。

 

成年後見申立てのタイミングについて

2021-03-05

このご時世で、病院・介護施設等には中々出入りできません。

しかし、やっと一部の施設・病院での面会規制が緩和されてきたため、成年後見についての相談が増えてきました。

1番よくある相談内容は、そもそも施設の方々への成年後見制度の説明であることが多いです。

何となく成年後見という言葉自体は耳にするようになっていますが、詳しい類型であったり、後見人は何ができるのか、報酬はどのように決まるのかといったことはあまり認知されていないように思います。

病院の職員さん、介護施設のケアマネさんに制度を理解していただくことが制度普及の第一歩ですので、依頼があれば丁寧にご説明することを心がけています。

さて、制度の説明をしたケアマネさんなどからは、次のステップとなる質問がよく来ます。

それは「結局いつ、成年後見制度を利用すればいいか。いつ司法書士に連絡すればいいのか。」というタイミングについての相談が寄せられます。

その場合、まず、司法書士への相談のタイミングからご説明します。

司法書士への相談タイミングは、施設利用者さん・入院患者さんが自分1人だけでは金銭管理が難しくなっている、若しくは難しくなることが予想される段階でご相談いただければと思います。

例えば、現状は自分で金銭管理ができてはいるが、たまに通帳やカードを紛失する。であったり、多額の現金を引き出して現金で管理する癖があるという方です。

通帳・カードの再発行は何度も繰り返すと、手続きを敢えて難しくするという金融機関もあり、そうなると再発行ができず、施設利用費等が滞ってしまうことにもなり得ます。

また、現金での管理をしたがる方は、紛失となった場合、普段介護を行っているケアマネさんや親族の方を疑ってしまい、紛争となることも考えられます。

このような場合、あらかじめ司法書士へ相談しておけば、これらの問題が表面化する前若しくは表面化してすぐに制度利用を図ることができます。

また、あらかじめ対象者の方と顔を合わせておくことで、財産の引き継ぎで拒否反応を示す可能性も下げられます。(それでも拒否する方もおられますが、、、)

以上の理由から、基本的には「困る前」に司法書士へ相談しておき、対象者と面談をしておくことでスムーズに制度利用に移ることができるのです。

では、実際に制度の申立てを行うタイミングはいつがいいのでしょうか。

それは、先ほど書きましたように「問題・紛争が表面化する前〜表面化」のタイミングがベストです。

しかしそのタイミングは、成年後見制度に精通した司法書士とケアマネさんや親族さん等との話し合いや本人さんの見守りから導き出すものです。

まずは頼りになる司法書士へ相談し、ベストなタイミングでの制度利用を目指しましょう。

問題が起こった後、専門家を探すのでは後手後手になってしまいます。

当事務所は、成年後見制度の説明、本人さんへの出張面談も無料で行っております。

どうぞお気軽にご相談ください。

兵庫県の有効求人倍率を見て

2021-03-03

債務整理業務をやっている関係で、神戸市兵庫県の経済状況は注目しています。

そんな中、有効求人倍率が若干改善したというニュースを目にしました。

三宮の街を見ると、日中はかなり人が戻ってきたのか、以前と変わらない雰囲気になってきました。

ただ、夜の街はやはり自粛ムードが継続しているようです。

1日でも早くいつもの神戸に戻ってくれるといいなと思います。

 

さて、この兵庫県の有効求人倍率ですが、業種全体としての倍率が0.95ということです。

ただ、やはり宿泊業・飲食業の求人減少は大きいようです。

債務整理を行なっている司法書士としては、全体的な求人倍率よりも極端に悪化している業種があることに注目しています。

実際、当事務所に依頼に来てくださる方の多くは、飲食業のバイトが減ってしまった方や、旦那さんがこういった業種である主婦の方などが多いです。

また、従業員・バイトという方だけではなく、個人事業主の方も最近よく来られます、

基本的には、事業規模での債務整理・破産の場合は訴額の関係で弁護士さんの方が適していることが多いのですが、最近多いパターンは、事業資金を自分のクレジットカードで借り入れしたという方がよくおられます。

その場合、あくまで事業方面はそのままで借り入れを行なった業者のみ任意整理という形でサポートをしています。

銀行での事業資金融資と比べて、消費者金融の利率は恐ろしく高いです。

確かに額は融資と比べて小さくとも、返済年数によっては後々事業の足を引っ張ることも十分考えられます。

いずれにせよ、利率の高い借入先から順に処理をしていくことが大切です。

任意整理であれば、高い確率で将来利息をカットすることができます。

将来的に生活・事業の足を引っ張る債務は早めに処理しましょう。

 

司法書士業界としての求人倍率はかなり高いように思います。

司法書士事務所、司法書士法人の求人は常に枯れることなくあります。

募集はしているけど、全然応募がないと嘆いている先生も多くおられます。

理由は様々ありますが、大きな理由は「合格者の減少」です。

合格率はそれほど変わっていませんが、受験者数がどんどん減っています。

他にも、合格者の平均年齢も影響しています。

他の士業に比べて合格者の平均年齢が高く、私の合格年では38歳ぐらいでした。

そうなると、折角合格したのに勤務司法書士を選択する方も少ないため、結果として勤務司法書士が足りないということになっています。

もし、司法書士業界、資格に興味があるという方がおられたらお気軽にご連絡ください。

今後は資格の話もしていこうと思います。

相続登記義務化と司法書士業務の未来

2021-03-01

相続登記義務化されることについては、先日ホームページ内でお話した通りです。

「相続登記と言えば司法書士」というイメージにはなってきています。

神戸の法務局でも「相続登記は司法書士へ」というポスターがよく貼ってあります。

さて、そうなると、この相続登記義務化は司法書士業界にとって追い風となる。というのが大方の見方です。

当然、義務化がこのまま実現すれば相続登記の件数は増加するでしょう。

相続登記が未了の不動産もどんどん減っていくことでしょう。

そうなると相続登記を処理する業種が儲かる。

つまり司法書士が儲かるという流れです。

この流れは恐らく正しいです。

ただ、相続登記の義務化により、こうはならない予想もすることができます。

例えば、相続登記の義務化に伴い、登記の申請方法が簡素化されるとどうでしょう。

現行の民法、あるいは不動産登記法では相続登記を申請するには多くの戸籍謄本・除籍謄本等を収集する必要があります。これが第一のハードルです。

亡くなった方が一度も転籍等をしていなかったり、親族がみなさんお近くにおられればそれほど大変ではありません。

しかし、転籍・養子縁組・婚姻・離婚などが複数回あれば集めるべき戸籍も大量になっていき、一般の方では中々集めきれないということもよくあります。

ただ、今回の義務化に伴い、個人の戸籍の変遷が一つの役所で収集可能となればどうでしょう。

色々な役所に郵送請求をし、何度も役所へ足を運ぶ必要がなくなれば、一般の方でも十分収集が可能となります。

これは、近い未来で実現ができそうな気もします。

 

第二のハードルは、遺産分割協議書等の書類の作成です。

相続人が不動産を共有で持つ状態を避けるため、多くの場合は所有者を少なくしていきます。

その方が、後の手続きが楽になったり、相続人がどんどん増えていくことを避けられるからです。

このハードルは既に解消されつつあります。

理由はインターネットの普及です。

一般的な相続登記に用いる遺産分割協議書はネットの検索で調べることができます。

正直、プロの司法書士から見るとお粗末なものもありますが、法務局が親切になっていることもあり、ネット程度の書面でも登記が進んでいくようです。

 

3つ目のハードルは、不動産の調査です。

持っている自宅のみであれば、不動産を相続し忘れることはあまりありませんが、田舎の山林であったり、市道を持っていた場合はよく登記漏れがあります。

現在は、司法書士が相続人から依頼を受け、各役所へ「名寄せ」という形で不動産の評価証明書を取り寄せることでできる限り漏れなく登記することができています。

ただ、相続登記の義務化により相続人への所有不動産の通知は高い確率でなされるようになるでしょう。

相続財産に不動産があることを通知しなければ登記が進むはずがないからです。

つまりこのハードルは義務化に伴い解消されると思います。

 

最後のハードルは登記申請そのものです。

一般の方は、書面で申請書を作成し、法務局へ出頭し、登記申請を行うことが多いでしょう。

しかし、少しずつですが資格者以外の方へ向けてのオンライン申請も普及しています。

これがもっと高い割合で実現すれば、法務局へ行く必要もなくなるのです。

 

これらのハードルが相続登記の義務化に伴い解消されれば、司法書士の業務はむしろ減少するでしょう。

しかし、私はある意味当然ではないかと思います。

登記とは本来手続きであり、一般の方でもできるような制度であるべきだからです。

誰でもできる業務が減っていき、司法書士にしかできない業務をやっている司法書士が残っていく、そんな時代へ変わっていく時なのかもしれません。

 

以上が相続登記の義務化に伴う、司法書士業界の変化のマイナス面での可能性です。

最新の情報を逐一収集し、生き残る側の司法書士になっていこうと感じたニュースでした。

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