個人再生による生活再建とはー②

少し前に、個人再生による債務整理についてお話をしましたが、今回はその続きから。

個人再生を選択した場合の手続き方法、期間等をご紹介していきます。

まず、個人再生を行った場合、申立て~認可決定まで4~6か月程度かかることが多いです。

また、申立てに至るまでも同じぐらいの期間がかかるため、合計半年~一年程度の期間がかかります。

これが自己破産になると、書類の収集期間についてはあまり変わりませんが、申立てからの期間は2~3ケ月くらいであることが多く、合計すると一年弱になります。

若干破産よりも個人再生の方が期間が長くなると考えていいでしょう。

では、この申立て~手続きがどのように進行するのか。

申立て後、1週間程度でまず、「個人再生委員」という方が選任されます。

この個人再生委員の方は、裁判所から選任され、再生債務者(申立てを行った債務者)を指導監督していきます。

具体的には、面談を実施したり、各種書類の提出を求めたりし、個人再生を行うべきかの判断材料を集めていくのです。

そして、個人再生委員の方は、聴取・収集した資料を基に裁判所へ意見書を提出し、最終的に個人再生が開始されるかが判断されます。

開始決定がされるとその先へ手続きが進行します。(ここまで約1か月)

その後は、各債権者へ対して一斉に手続き開始が通知されます。

通知された債権者は、債権届出書を裁判所へ返信します。(期限6週間程度)

債務者側は、提出された債権届出書の額面に異議がないかを書面にて回答します。

これにより、債権者・債務者双方の債務の認識を統一します。

つまり、この時点で債務者側が債務額に異議を唱えた場合、裁判所により調査が行われるため、少しかかる期間が延びます。

債務額の確定が済むと、次はいよいよ再生計画書の提出です。(申立て~3、4か月程度)

以下の項目を決定し、計画書とします。

・返済の総額

・返済方法

・返済開始時期

・返済回数(返済期間)

(住宅資金特別条項の利用有無)

これは、任意整理における返済計画書と同じようなものです。

簡単に言えば、毎月(2か月若しくは3か月に一度)いくらどうやって払うのかを決めて、裁判所に提出するのです。

次は、この返済計画書に対する債権者側のアクションです。

提出された再生計画書に対して意見を述べることが可能です。

その後、意見聴取期間が集結し、裁判所による最終的な認可決定がなされます。

これにより、債務が再生計画書の減額され、弁済がスタートします。

以上が簡単な手続きの流れです。

(裁判所によっては、認可決定までの間に履行テストがされたりと裁判所により若干差異があります。)

このように、個人再生は裁判所とのやりとり、作成書類が多いため、債務者の負担が大きいです。

それでいて、破産に比べて減額効果は若干落ちるため、あまり利用されていません。

ただ、住宅ローンがある場合はメリットが大きいため、それについては次回お話をしようと思います。

 

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