贈与の登記と税金

税理士さんとご一緒にお仕事をする機会が増えているからか、贈与に関する不動産登記案件を多く手掛けるようになってきました。

ただ、私のような司法書士のホームページを見て直接贈与の登記をご依頼いただくお客様も相変わらず多くいらっしゃいます。

例えば、こんなケース。

旦那さんが持っている不動産を、旦那さんが認知症になる前に名義を変えておきたい。

というもの。

現在、終活であったり、認知症対策が世間的にも認知されてきています。

終活。大切なことです。

ただ、司法書士・税理士といった専門家を挟まずにご自身だけでされる終活は危険な場合もあります。

先ほどの例で、贈与による名義変更を司法書士に依頼した場合。

司法書士としては、ご依頼を受けることは簡単です。

不動産登記は、名義が移転する原因があれば書類を作成し、登記申請することは簡単であるからです。

ただ、相続の登記に伴う、贈与税は登記とは全く別の話です。

贈与税とは、毎年の非課税枠である110万円を超える価格の財産を贈与により移転した場合にかかる税金のことです。

不動産の登記名義を移転する場合、多くのケースでは不動産の価値は110万円を超えるため、贈与税は切っても切れない関係なのです。

では、贈与税がかからずに贈与する方法はないのかというと、いくつかあります。

例えば、先ほどお話した基礎控除の110万円を超えない範囲で毎年贈与の登記を行う場合(いわゆる暦年贈与

その他に、よく使われるものとしては、住宅関係の軽減税制です。

・直系尊属からの住宅取得等資金の贈与非課税

・居住用財産の贈与税の配偶者控除

この二つの内、司法書士が扱う案件と密接なのは、二つ目。

配偶者控除です。

これは、婚姻関係20年以上の配偶者から居住用不動産の贈与を受ける場合には、最大2000万円が控除されるというものです。

つまり、最初の配偶者の認知症対策のための贈与登記の場面。

婚姻してから20年以上が経過していれば、贈与の登記を行っても手続きを経て、贈与税がかからなくなるということになります。

ただ、この辺りの手続き代行は司法書士ではできないのです。

また、そもそも居住用不動産として税務署が認めてくれるかについても司法書士では断定できないのです。

つまりこの場面、安全を踏むのなら、司法書士+税理士のタッグで認知症対策を行うべきなのです。

しかし、世間では終活・認知症対策という言葉だけが先行しています。

終活・認知症対策はまず、司法書士へご連絡ください。

あなたのご要望を聞き取り、ベストなプランを一緒に作っていきましょう。

 

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