認知症になったら成年後見制度が必要である。
このことについては、病院や高齢者施設の関係者さん等を中心にかなりの認知度になってきたように思います。
ただ、この成年後見制度には大きなリスクも存在します。
そのリスクとは、成年後見人になる人を選ぶことができないという点です。
「え?私の親族は知り合いの司法書士になってもらったけど・・?」と思われた方もおられるかもしれませんが、それは結果知り合いの司法書士になっただけなのです。
というのは、成年後見人を選任するのは司法書士や本人ではなく家庭裁判所であるからです。
司法書士が成年後見の申立に関与し、申立書を作成したとしても申立て時にできることは「候補者を挙げる」ことだけなのです。
裁判所は候補者リストに縛られずに、例えば司法書士団体であったり弁護士団体など他の組織に候補者を挙げることを求めることができるのです。
実際のところは、司法書士や弁護士が候補者に挙がっていれば高確率でその人が選任されるので、「知り合いの司法書士になってもらった」というのもあながち間違いではありません。
ただ、この候補者しか選べない状況のリスクになり得るのは、「候補者が親族などの一般の方」である場合なのです。
前述のように裁判所は、申立て時の候補者に縛られずに後見人を選任します。
例えば、高額の財産を抱えている方が認知症になった場合で、その親族が候補者になり申立てをしたとしましょう。
高額の財産を管理する場合、後見人の事務が増加します。
扱う金融機関の数も増加するのが一般的ですし、有価証券・不動産など色々な形の財産を所有していることもよくあります。
このような状況で専門的知識のない親族が財産管理を一人で行うことは、危険だと裁判所はよく判断をするのです。
そうなれば私のような司法書士が選任されることになったり、司法書士が監督人として追加で選任されたりするのです。
これはある意味当然なのですが、親族側にすれば、専門家へ支払う報酬が発生してしまうため、リスクになり得るのです。
実際に、自分が選任されると思っていた親族と実際に選任された司法書士の間に軋轢が生まれるケースも少なくはないのです。
では、この選任時のリスクをどのように回避すればいいのか。
現状は、「認知症の前に」する対策しかありません。
少し親族の将来に不安が出てきた、でも財産管理や身上の世話は私が引き続き行いたい。という方は一日でも早く「任意後見」の導入をご検討ください。
任意後見であれば、認知症になる前に自分の財産を将来管理してくれる人を選ぶことができます。
もし制度の説明を聞きたいという方はお気軽にご連絡ください。
このコラムを通して、少しでも皆さまの抱えるお悩みの解決の糸口が見つかれば幸いです。
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