債務整理と司法書士~司法書士は債務整理の専門家~②

前回に引き続き、司法書士が債務整理業務の専門家とされるまでの歴史をお話ししていこうと思います。

前回は、司法書士が団体として多重債務問題にあたるまでの流れを説明しましたが、今回はその続き、平成5年ごろからです。

平成5年ごろ、各消費者金融業者において、「無人契約機」が流行します。テレビでのコマーシャルも多く放映されるようになり、今でも記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。

この無人契約機により、機械だけが設置された店舗へ行き、カードが即日発効され、即日融資が受けられるようになりました。

貸金業者はこれにより、人件費の削減はもちろん、債務者の借金への心理的ハードルを下げることに成功し、勢力を拡大していきました。

それと同時に、多重債務に陥る人の数もどんどん増えていったのです。

そして、司法書士業界としては、平成10年から、弁護士業界と協力し、全国各地で上限利率の引き下げ、業者による過度な貸し付け(過剰融資)の禁止を求める運動を行いました。

相談会を開き、署名活動を呼びかけ、被害者の会を作り、確実に社会への訴えかけをしていったのです。

これまでは、主に個人の債務者を救済するべく活動していた司法書士・弁護士ですが、平成11年ごろには「商工ローン問題」が社会的に知られるようになります。

商工ローンは、個人消費者への貸し付けをせず、自営業者や中小企業への貸し付けを主としています。

商工ローンの詳しい仕組みは割愛しますが、高い利率・過度な取り立てが原因で被害を受ける債務者が多い点はこれまでと同様でした。

司法書士・弁護士としては、この商工ローン問題に対しても対応をしていきました。全国各地での運動の成果もあり、上限利率の引き下げを行うことができ、一定の成果を上げます。

まだまだ上限利率は債務者を救うほど低くはならなかったものの、司法書士の運動が社会を変えた、その点において、確かな実績となりました。

 

しかし、まだまだ消費者金融の勢いは止まることなく、被害を受ける債務者は増えていきます。

またこのころになると、消費者金融からは既に借りられない状態になってしまう債務者も増えてきました。

そうなると出てくるのがいわゆる「闇金」です。とんでもない利率での貸し付けが違法に行われ、大きな社会問題となります。

平成15年にようやくヤミ金対策法が成立しますが、そもそもの原因は闇金ではありません。

消費者金融による過度な貸し付け・高い利息を解決する必要があったのです。

平成14年ごろ、司法書士の関与としては、破産・調停・個人再生等の手続き書面の作成を行っていました。

債務者を救済する法整備が整っていなかったこともあり、司法書士が相手をする債務者は「既に借金で首が回らない状態」の債務者でした。

一方、弁護士は「任意整理」という方法での債務者救済を行っており、これは破産等に至る前に対処できる方法です。

この当時、司法書士には裁判の代理権がなかったため、任意整理を行うことができず、業務内容に違いが起こっていました。

しかし、サラ金・商工ローン・闇金問題に対して、司法書士は弁護士と協力して解決にあたっていました。

その実績が認められる形で、平成14年、司法書士にとっては画期的な法改正がなされます。

それがいわゆる「簡裁代理権の取得」です。これにより司法書士は認定を受ければ裁判の代理権を取得することが可能となったのです。

この法改正により、司法書士は弁護士と同様に任意整理により債務者を救済することができるようになり、今日に至るのです。

 

本日は、司法書士が裁判代理権を取得するまでの流れをお話ししたところで終わりとします。

次回は、最終回、消費者を取り巻く環境がその後どう変わったかをご説明したいと思います。

 

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