成年後見、任意後見。これらは認知症や精神上の障害により財産管理にサポートが必要となった方をサポートしていく制度です。
この制度は、認知症や精神上の障害を持つ方を対象とする制度のため、必然的に高齢者の方をサポートすることが非常に多いです。
ただ、財産管理が必要な方は高齢者に限らず、例えば未成年の方にも財産管理が必要となることがあります。
例えば、未成年者に親権者がいなくなってしまった時。具体的にはご両親が亡くなってしまったケース。
他には、親権者は存命であるが、虐待等が理由で親権を行使することができなくなった場合。
このような時に親権者以外の親族が近くに居ればサポートを受けられるかもしれません。
しかし親族の協力も得られないとなると、未成年者の財産は非常に危ういものになってしまいます。
そんな時に登場する第三の後見と言うべき制度が「未成年後見」の制度です。
この未成年後見制度は成年後見と同じく家庭裁判所により選任するのが通常の形となります。
但し、未成年後見には遺言により指定する方法もあり、これは成年後見との大きな違いになりますね。
親権者が病気などにより近い将来親権を行使できなくなることが確定的である場合、遺言書で指定することにより親権者が信頼している人に未成年後見人に就任してもらうことが可能になるのです。
単に財産管理・身上監護をするだけの成年後見と比べ、準親権者というべき権利を持つ未成年後見人を親権者が選ぶことができるのはある意味当然かもしれません。
さて、この未成年後見制度。
任意後見と比べてもさらに認知されていないように思います。
私たち司法書士の世界でも、成年後見・任意後見に関する研修は割と充実しているのですが未成年後見となると研修の数も少ないです。
さらに、申立ての方法・どのような時に利用すればいいのかを知識で持っていたとしても、児童福祉関係者との繋がりが薄く、利用する機会が少ないのも現状です。
かくいう私も知識としては未成年後見について知っていますが、実際申し立てたことも就任したこともまだありません。
ただ、虐待等に対する対応に世間の関心が高まっている現在、この分野についても専門家である司法書士は力を発揮しなければなりません。
これから力を入れていくためにも、ホームページで少しづつ情報を提供していこうと思います。