遺言以外の生前対策(終活)について(その1)~任意後見~

・遺言以外の財産管理、財産承継について(生前対策・終活)

遺言以外の財産管理、財産承継現在では、医療等の発達により「人生100年時代」と言われる時代になってきました。それと同時に、若年者の割合はどんどん減っていき、「超高齢社会」となってきているのもまた事実です。こんな時代になっているにも関わらず、遺産の承継や相続の手段についてはまだまだ以前のまま変化が少ないように感じます。

当事務所では、生前対策の代表である遺言はもちろん、その他様々な手段を用いて依頼者の財産管理・財産承継をサポートしていきます。このページでは、遺言以外の制度について詳しくご説明していきたいと思います。

 

・成年後見(法定後見)制度について

成年後見制度については、役所やテレビ等でも取り上げられることが多くなり、社会的な認知度は高まっているように感じます。しかし、親族後見人、専門職後見人に関わらず、不正が行われている事実も同時に明るみになってきました。

成年後見制度は「本人の意思能力が低下した後」から始まる制度であるため、顔も知らない人に財産管理を任せることを避けられない場合も多くあります。(親族を後見人に指名しても選任されないことが多々あります。)

そのため司法書士を始めとした資格者団体は、研修制度を充実させたり、報告義務を徹底したりと、成年後見制度の安心と安全のため日夜努力をしていますが、それでも不正をするものが一定数いるのは事実です。

またそもそも成年後見制度は、事後的に本人の意思能力を補完する制度に過ぎないため、積極的に財産を運用したり、計画的に承継させることはできません。つまり、財産の管理・承継方法を具体的に決められるのは「意思能力が低下する前」だけなのです。

 

・任意後見契約について

前述のように成年後見制度のデメリットは、顔も知らない人に財産管理をされる可能性がある点、財産の管理方法を柔軟に決められない点などが挙げられます。そのデメリットを解決する制度が「任意後見制度」です。

任意後見契約は「意思能力が低下する前」に行うため、成年後見よりも色々なことを自由に設計することができます。中でも、財産管理を託す人を事前に決められることは非常に大きなメリットです。顔が見える関係で、信頼できる人を選任することが可能となるため、不正をされるリスク、財産の引継ぎ時に相続人と軋轢を生む可能性も下げることができます。

また、管理人となる人を選ぶだけではなく、「どのような介護を受けたいか」「施設に入る場合、自宅はどのようにしてほしいか」等を具体的に定めておくことも可能になり、ご自身の意思を最大限考慮しながら財産管理を行うことが可能となります。

さらに、任意後見契約は財産管理等委任契約と併用することにより、意思がはっきりしている状態から管理人に一部の財産管理を任せることもできます。管理してもらう人、管理の方法、管理をしてもらうタイミングまで自由に設計できることが任意後見契約の大きなメリットです。

以上のように、任意後見のメリットは柔軟性ですが、裏返しとして以下のようなデメリットもあります。

  • 信頼できる人を自分で見つけなければならない
  • 法定後見に比べると裁判所の関与が少なく、監視が緩い(裁判所が選んだ監督人は就きますが、それでも法定後見の方がチェック体制は厳重と言えます。)
  • 事前に定めていないことはできない
  • 契約締結に手数料が必要(公正証書での契約書作成が必須)
  • 任意後見人に対する報酬が発生する

以上は任意後見の自由性の裏返しとして発生するデメリットです。1,2番目のデメリットについては、信頼できる人を見つけることで回避するしかありませんが、3つ目については契約内容を司法書士等の専門家と打ち合わせておけば、ある程度回避することができます。

また、費用面については、法定後見の申立てにも費用は発生しますし、後見人への報酬についても同様に発生します。(金額については任意後見であれば任意に定められます。)つまり、「信頼できる後見人」さえ見つけることができれば、法定後見と比べて柔軟に財産管理を行うことができるのが任意後見の強みです。

このページでは、生前対策の内「財産管理」の新たな手段として、任意後見を中心にお話してきました。次のページでは「財産承継」の新たな制度として「家族信託」についてお話していきます。また、当事務所では、任意後見人等への就任はもちろん、契約書の作成のみ(公証人への引継ぎも含む)の依頼も承っておりますので、いつでもご連絡くださいませ。

 

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