ご家庭での家計が同一の場合、夫婦の一方だけが債務整理を行っても借金問題の根本的な解決にならないケースがあります。
例えば、債務整理をしなければいけない状況だが、家族内でクレジットカードをどうしても利用したいので、妻のカードのみ債務整理を行い、夫のカードは残す。こういったことも可能ですが、結局夫のカードに生活を頼る結果となり、後日夫の債務整理手続きも必要になるということが大いにあり得ます。そうなってしまうと家庭での借金問題解決が遅くなってしまうだけではなく、状態の如何によっては破産手続きをせざるを得ないこともあり得るのです。
実際にご夫婦揃って債務整理を行う場合は、より柔軟に借金問題の解決を図ることが可能となります。例えばご夫婦で以下のような状態であった場合。
- 夫 借金２０００万円（住宅ローン１８００万円、消費者金融２００万円）
- 妻 借金１５０万円
このような場合、仮に妻の債務整理のみを先行で行ってしまうと、妻の借金返済は楽になりますが、家計内で夫のカードのみが使用できる状態となってしまい、夫の負債が増えていくことが予想されます。
しかし、夫の債務には住宅ローンが含まれており、後日、債務整理を行うにしても「自己破産」の手段を取ることが難しくなってしまいます。（自己破産を行うと持ち家がなくなります。）
逆に、最初の時点で夫婦揃って債務整理を行っていた場合、夫の債務については住宅ローン以外の債務を任意整理で、妻については自己破産を行い、債務をなくす。といった解決方法をとることができます。こうすることにより、夫の消費者金融での借入金を任意整理によりできる限り楽な条件での返済を行いつつ、妻の債務はなくなるため、パートなどで稼いだお金は全て生活費に回すことが可能となります。
家族内でのクレジットカードがなくなってしまいますが、妻の債務返済に回していたお金が貯金に回るだけなので、家計の健全化を図ることが可能となります。（当然ご自宅を失うこともありません。）
このように、ご家庭全体で借金問題を抱えている場合、夫婦揃っての債務整理手続きを行うことにより様々な選択肢を取ることができます。逆に、夫のみ、妻のみの債務整理を先に行った場合、後々他の一方について債務整理を行うとなっても取り得る選択肢は限られてしまいます。
・借金問題は個人の問題ではない
借金問題に陥る理由は様々ですが、生活費の捻出のための借入であれば、個人の問題というよりも家計が問題を抱えています。借金が苦しいことをパートナーに話すのは難しいことかもしれませんが、夫婦そろって債務整理を行うことができればよりベストな手段を取ることができます。
もし、「家計がこういう状況だが、私だけの債務整理で解決可能かを聞いてみたい」という方がおられたら、そういったご質問にも対応いたします。一緒にベストな解決方法を探っていきましょう。
