不動産の取引・決済は司法書士の得意分野です。
司法書士は不動産取引において、「人・物・意思」の確認を行い、確実に所有権移転登記をおこないます。通常、不動産取引においては買主側(業者)が司法書士を指定して、取引が行われます。これは、買主側は確実に所有権移転登記を受けたいので、信頼できる司法書士に依頼するためです。しかし、売主側も所有権移転登記が適正に行われることについてはメリットがあります。
例えば、不動産を売却したが、いつまでたっても登記簿上の所有者が売主のままだった場合を考えてみましょう。
まず、税金面では、毎年の固定資産税の納税通知書が売主に届く可能性があり、毎年買主間で清算を行う必要があります。その他、売主買主がいつまでもご健在であればいいですが、仮に当事者が亡くなった場合、相続人が売買の事実を認めてくれないかもしれません。そうなれば訴訟等の紛争に発展する可能性があります。
実際、売買の所有権移転を怠った結果、このような無駄な紛争が起きてしまったことはよくあります。このような事態にならないためにも、不動産登記の売主としても、信頼できる司法書士に依頼をしましょう。関西圏では、売主側・買主側で司法書士が分かれているケースも多くあります。(最近はむしろ分かれている方が多いかもしれません。)
司法書士を選ぶのは当事者の権利です。「不動産業者が決めていて、知らない内に司法書士が決まってしまった。」場合でも、例えば料金面が不透明で分かりづらい、ネットで見た先生の方が安い気がする、取引の流れを説明してくれないので不安がある、等々、不満があれば「司法書士を変えてほしい」と言って大丈夫です。不動産業者の方も、主役である売主様・買主様からのご要望があれば聞き入れてくれるはずです。
このページの目次
・不動産取引当日の流れ
不動産の取引は、お金の動きがある関係で銀行などの金融機関若しくは不動産業者の事務所で行われることがほとんどです。日時は当事者の都合によってまちまちですが、登記を申請する法務局が平日の17時15分までしか業務をしていないため、平日の午前中~お昼前後までが多いです。当日の持ち物ですが、以下の通りです。
売主様
- 権利証若しくは登記識別情報通知
- 印鑑証明書(発行より3か月以内のもの)
- ご実印
- 住民票(登記簿上の住所から現在の住所に変更がある場合)
- 免許証等の身分証明書
買主様
- 住民票
- 印鑑(銀行の融資がなければ認印で可)
- 免許証等の身分証明書
以上が一般的に必要な書類です。当日、取引場所に行くと、司法書士が挨拶をした後最初に上記の書類を確認するはずです。上記の書類を確認した後は、複数の書類への署名と押印が行われます。基本的なパターンでは、書類は次のようなものがあります。
- 登記原因証明情報・・・売主から買主に所有権が移った経緯が書かれており、売主が署名押印することで法務局が効果を認めてくれます。事務所によっては予備も含め2部用意する場合もあります。また、形式も「売渡証書」とされているものもあります。
- 委任状・・・売主・買主双方がそれぞれの司法書士に委任するための委任状です。買主は認印でもOKですが、売主は印鑑証明を添付する関係で実印での押印が求められます。
以上は売主様に、住所の変更・担保の抹消がなかった場合であり、それらも必要な場合は委任状の枚数が増えていきます。そしてこれらの書類への押印が終われば、司法書士が「書類はOKです」と買主に伝え、お金が買主から売主へと動きます。そして、お金が動けば領収証等を渡し、解散、となっていきます。
言葉にすれば簡単ですが、司法書士は挨拶~OKをかけるまでの間で、しっかりと「人・物・意思」を確認していきます。目の前にいる当事者はなりすましでないのか、当事者間で間違った不動産を取引していないか、当事者の意思は間違いないかを確認し、確信を持ってから実行します。
当事務所へご依頼いただければ、明確な料金体系で費用算出し、丁寧な説明を行いますので不安は払拭されるはずです。また当日欠席したい・権利証がない等々の特殊パターンにもしっかりと対応させていただきます。費用については、ホームページ内で算出方法を出していますので、すぐに概算が出せるかと思います。また、見積もりの作成だけでも素早く対応させていただきますので、お問い合わせください。