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個人再生による生活再建とはー②
少し前に、個人再生による債務整理についてお話をしましたが、今回はその続きから。
個人再生を選択した場合の手続き方法、期間等をご紹介していきます。
まず、個人再生を行った場合、申立て~認可決定まで4~6か月程度かかることが多いです。
また、申立てに至るまでも同じぐらいの期間がかかるため、合計半年~一年程度の期間がかかります。
これが自己破産になると、書類の収集期間についてはあまり変わりませんが、申立てからの期間は2~3ケ月くらいであることが多く、合計すると一年弱になります。
若干破産よりも個人再生の方が期間が長くなると考えていいでしょう。
では、この申立て~手続きがどのように進行するのか。
申立て後、1週間程度でまず、「個人再生委員」という方が選任されます。
この個人再生委員の方は、裁判所から選任され、再生債務者(申立てを行った債務者)を指導監督していきます。
具体的には、面談を実施したり、各種書類の提出を求めたりし、個人再生を行うべきかの判断材料を集めていくのです。
そして、個人再生委員の方は、聴取・収集した資料を基に裁判所へ意見書を提出し、最終的に個人再生が開始されるかが判断されます。
開始決定がされるとその先へ手続きが進行します。(ここまで約1か月)
その後は、各債権者へ対して一斉に手続き開始が通知されます。
通知された債権者は、債権届出書を裁判所へ返信します。(期限6週間程度)
債務者側は、提出された債権届出書の額面に異議がないかを書面にて回答します。
これにより、債権者・債務者双方の債務の認識を統一します。
つまり、この時点で債務者側が債務額に異議を唱えた場合、裁判所により調査が行われるため、少しかかる期間が延びます。
債務額の確定が済むと、次はいよいよ再生計画書の提出です。(申立て~3、4か月程度)
以下の項目を決定し、計画書とします。
・返済の総額
・返済方法
・返済開始時期
・返済回数(返済期間)
(住宅資金特別条項の利用有無)
これは、任意整理における返済計画書と同じようなものです。
簡単に言えば、毎月(2か月若しくは3か月に一度)いくらどうやって払うのかを決めて、裁判所に提出するのです。
次は、この返済計画書に対する債権者側のアクションです。
提出された再生計画書に対して意見を述べることが可能です。
その後、意見聴取期間が集結し、裁判所による最終的な認可決定がなされます。
これにより、債務が再生計画書の減額され、弁済がスタートします。
以上が簡単な手続きの流れです。
(裁判所によっては、認可決定までの間に履行テストがされたりと裁判所により若干差異があります。)
このように、個人再生は裁判所とのやりとり、作成書類が多いため、債務者の負担が大きいです。
それでいて、破産に比べて減額効果は若干落ちるため、あまり利用されていません。
ただ、住宅ローンがある場合はメリットが大きいため、それについては次回お話をしようと思います。
当事務所では、任意整理・自己破産・個人再生等々、様々な手続きの中から相談者の方に合った解決方法をご提案します。
自分に合った手続きを相談したいという方はぜひ当事務所の無料相談をご利用ください。
このコラムを通して、少しでも皆さまの抱えるお悩みの解決の糸口が見つかれば幸いです。
神戸市中央区に事務所を構える私たち小鴨司法書士事務所は、「身近な街の法律家」として、特に個人のお客様の相続手続き(遺産整理・相続登記)や、生活再建に欠かせない債務整理(借金問題)の解決に力を注いでいます。
法律家への相談は敷居が高いと感じるかもしれませんが、当事務所はご依頼のほとんどが個人のお客様であり、誰もがアクセスしやすい事務所づくりを徹底しています。ご相談の際は、必ず司法書士である私が丁寧に聞き取りを行い、明瞭な料金体系で安心して手続きを進めていただけます。
相続、借金、将来の不安…。どんなお悩みも、まずは当事務所にお話しください。あなたの「最初の一歩」を全力でサポートいたします。
面談の結果、ご依頼に至らなかった場合も費用は一切いただいておりません。どうぞお気軽に無料相談をご活用ください。
段々春を感じる陽気に。司法書士を決めるチャンス??
神戸でも段々と春の足音を感じるようになってきました。
それと同時に、寒暖差が激しい季節です。
私自身も、寒暖差に加えて花粉症ということもあり、目も鼻も違和感がります。。。
さて、この時期はお金の出入りも激しい時期になってきます。
引っ越しであったり、入試、入学、卒業、新入社、転勤等々。例年であれば人の動きも大きい時期です。(今年はそうはならないかもしれませんが。)
この時期は、債務整理を始める時期には適しています。
年末にもお話をしましたが、出費が大きい時期に債務整理を始めると、丁寧に返済計画を立てることができるため、結果として成功率も高くなるのです。
それに加え、新環境になって司法書士を決めることでアクセスしやすい司法書士を選ぶこともできます。
任意整理を受任して、転勤になったからか、この時期に連絡がつかなくなったりする方も一部おられます。
新しい居所で司法書士を選ぶことでこういったことも防ぐことができます。
こういったことが債務整理・任意整理の業務で司法書士を決めるメリットです。
次は、相続登記の面でのメリットについて。
相続登記は基本的にはいつ司法書士に依頼しても優遇などがあるわけではありません。
しかし、この時期に相続登記を行うことで後の紛争が起こる可能性を下げることができます。
というのは、固定資産税の納付の時期と関係があります。
不動産の固定資産税の納付書は、例年、4〜5月に届きます。
誰に届くのかというと、1月1日時点の所有者に対して送付されます。
問題は、登記簿上の所有者が死亡している場合です。
この場合、相続人の代表者に送付されることになります。
ただ、この相続人の代表者と不動産の相続人が一致するとは限りません。
例えば、不動産の名義人を誰にするかで少し紛争が起こったが、結局次男が相続する形で落ち着いたとしましょう。
この登記を納付書が届くまでに終えておけば、誰に届こうが、固定資産税の納付義務者が誰になるかは分かりやすくなり、紛争が起こる可能性を避けることができるかもしれません。
逆に、相続登記、遺産分割が終わる前に納付書が誰かに届いてしまうと、一旦誰かが建て替えて払うということになりやすいです。
こうなると、不要な債権債務関係が発生してしまうため、無駄な紛争が起こる可能性は否定できないのです。
当然、ベストは年末までに登記を終えることですが、納付書が届くまでに遺産分割を終えるメリットも大きいです。
相続登記未了の不動産があるという方はぜひお気軽にご相談ください。
以上がこの時期に司法書士へ依頼することのメリットです。
何かお悩みがある、気になっていることがあるという方はお声掛けください。
このコラムを通して、少しでも皆さまの抱えるお悩みの解決の糸口が見つかれば幸いです。
神戸市中央区に事務所を構える私たち小鴨司法書士事務所は、「身近な街の法律家」として、特に個人のお客様の相続手続き(遺産整理・相続登記)や、生活再建に欠かせない債務整理(借金問題)の解決に力を注いでいます。
法律家への相談は敷居が高いと感じるかもしれませんが、当事務所はご依頼のほとんどが個人のお客様であり、誰もがアクセスしやすい事務所づくりを徹底しています。ご相談の際は、必ず司法書士である私が丁寧に聞き取りを行い、明瞭な料金体系で安心して手続きを進めていただけます。
相続、借金、将来の不安…。どんなお悩みも、まずは当事務所にお話しください。あなたの「最初の一歩」を全力でサポートいたします。
面談の結果、ご依頼に至らなかった場合も費用は一切いただいておりません。どうぞお気軽に無料相談をご活用ください。
所有権放棄はできないのか。
神戸市を中心に司法書士業務を行っている関係で、全く処分ができないという不動産相談はそれほど多くありません。
ただ、神戸は広く、場所によっては車が入れないような道しかなかったり、長屋の一部であったり、山奥であったりと中々買い手のつかない不動産もあるのが現状です。
そんな不動産であっても、解体費用=売買価格ということで、ほぼ価格0で処分することで所有権から逃れる事例は存在します。
つまり神戸であれば悪くとも、タダ同然の価格で不動産を処分することができることが多いのです。
ただ、神戸市以外の田舎であれば、タダでも買い手がつかないという地域も存在します。
その場合は、現行の民法では所有権から逃れる方法がありません。
こういった相談は、相続登記の場面でよくあります。
・父が亡くなって相続登記が必要。
・今住んでいる不動産は売ろうと思うが、田舎に山も持っているようだ。
このような状態です。
売却可能な不動産がある場合、相続放棄はせずに全て相続することが多いです。(その他に多額の借金がある場合等を除いて)
そうなると、問題になるのは田舎の山です。
通常、田舎の山は中々買い手が付きません。
宅地と比べて評価額も少ないため、固定資産税等のコストがかかるという負担はあまりありません。
ただ、管理状況によっては周囲に迷惑をかけることもありますし、他人が出入りする可能性も否定できません。
不動産を持ち続けることには必ずリスクがあるのです。
「では、家を売れなくなるのはもったいないけど、相続放棄をしよう」と考える方もおられると思います。
ただ、所有権と管理義務は別々に考えなければならないのです。
つまり、相続放棄をしても山を管理しないといけない義務からは逃げられないのです。
「じゃあどうしようもないのか・・・」というと、現行の法律では、このまま逃れられないことも多いのです。
しかし、最近お話した、相続登記の義務化と並行して、所有権放棄の法制化も進んでいるようです。
管理費の何年か分を納付することで所有権を放棄する手続きが検討されているのです。
これが実現すれば、先ほどの例で、自宅の処分益を山の管理費用の何年か分に充てて、不動産を総合的に清算していくことが可能になるのです。
こうすることで、世代間で永遠と続いていく管理義務からも免れることが可能になるかもしれません。
具体的な手続き方法についてはまだまだこの先詰めていくはずなので、今後の動向にも注目し、依頼者に最新の解決策を提示していきたいと思います。
このコラムを通して、少しでも皆さまの抱えるお悩みの解決の糸口が見つかれば幸いです。
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個人再生による生活再建とはー①
債務整理の中ではあまり使われることが多くはない手続きである、「個人再生」。
司法書士としてサポートができる業務ではありますが、案件数も少なく、あまり詳しくは知られていません。
実はその個人再生、給与所得者等再生と小規模個人再生の二つに種類が分けられます。
給与所得者等再生とは、読んで字のごとく、給与所得者を対象にした民事再生の手続きです。
可処分所得の2年分以上を原則で3年間で返済すれば、残債が免除されるという制度です。
もう一つの、小規模個人再生とは、対象者に個人事業主も含まれます。
制度の内容は、債務額の5分の1(原則)か100万円以上を返済すれば、残債が免除されるというものです。
このように、債務の減額効果については高いものがあります。
任意整理では、既発生利息及び将来利息のカット。
自己破産であれば、税債務等の非免責債務を除いた全債務の免除。
個人再生は、債務整理の代表的手続きであるこれら二つのちょうど中間のようなイメージです。
これから数回に分けて詳しい手続きについてお話をしていきます。
まず、個人再生を利用できる対象者について詳しく見ていきましょう。
前述のように、個人再生は二つの書類に分けられますので、小規模個人再生についてから。
小規模個人再生の対象となる債務者の条件は以下のとおりです。
・将来において継続的にまたは反復して収入を得る見込みがある。
・再生債権の総額が5000万円を超えないこと
が条件となります。
もう一つの給与所得者等再生は、上記の条件のに加えて。
・給与又はこれに類する定期的収入を得る見込みがある
・その給与等の変動幅が小さいと見込まれること
となります。
個人再生が可能な債務者の中でもさらに、給与等の安定性の高い収入がある方をふるいにかけたイメージです。
つまり、給与所得者等再生が利用できる方は、選択的に小規模個人再生を利用することも可能です。
では、次は条件内の「将来において継続的にまたは反復して収入を得る見込みがある」とはどのようなものかについて。
この条件は、任意整理が可能かという判断材料とも似ています。
ただ、給与所得者等再生の場合は、収入の種類も関係があり、この点は任意整理と大きく違います。
続いて、「再生債権の総額が5000万円を超えないこと」とは何か。
金額については見た通りですが、どこまでを再生債権に入れられるのかをご説明します。
これは、含めない債務を覚えた方が早いので以下に挙げます。
・住宅資金貸付債権の全額
・別除権の行使によって、弁済を受けることができると見込まれる再生債権
・再生手続き前の罰金等
別除権とは、担保権をイメージすると分かりやすいかもしれません。
担保が就いている債務は、担保権を実行すれば回収できるため、再生債権には含まれません。
以上がまず、個人再生を利用するための条件についての説明です。
まずは自分が個人再生を利用できるかを見ていただければと思います。
次回は、その効果を具体的にご説明します。
債務整理の相談、依頼は神戸市内の方以外も受任しております。
お困りの方は、まず当事務所へご相談ください。
このコラムを通して、少しでも皆さまの抱えるお悩みの解決の糸口が見つかれば幸いです。
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相続登記義務化と司法書士
先日、相続登記の義務化についてのお話をさせていただきました。
今回は、法改正が実際になされた後の司法書士と相続登記の関りを予想していこうと思います。
現在、司法書士が相続登記を受任する流れは大きくは3つではないかと思います。
一つ目は、不動産業者さんからの紹介という経路です。
これは、不動産業者さんが購入したい不動産があった場合でその不動産に相続登記が必要となれば、司法書士に紹介が来るという流れです。
その場合、司法書士は売買契約の窓口となる相続人さんと打ちあわせをし、相続登記を進めていくことになります。
当然ですが、この経路の対象不動産は、購入したい人がいるような不動産であり、放っておいても誰かが手を付けるような不動産です。
二つ目は、税理士さんからの紹介です。
税理士さんは、相続税の申告の際、相続財産の中に不動産がある場合に司法書士へ紹介があります。
この場合、全ての不動産がそうではありませんが、相続税の申告が必要な財産額ですので、不動産の価値としても高い場合が多いです。
つまり、これも不動産業者さんからの紹介と同じく、誰かがいずれ手を付けるような価値の高い不動産であることが多いです。
最後は、個人のお客様からの直接受任です。
メール、電話などでの無料相談から受任となることが多いです。
対象の不動産は多種多様であり、処分方法が中々難しい不動産であることも多いです。
以上が、現状の法制度下での司法書士の相続登記の主な受任方法です。
しかし、相続登記が義務化されればこれら以外の経路も増えてくるのではないかと思います。
相続登記が義務化されるということは、「亡くなった人の相続人がしなくてはならない手続きが増える」ことを意味します。
つまり、人の死に多く関わる業種からの紹介・連携が増えてくる可能性があるということです。
例えば、病院で患者さんが亡くなった場合、各種手続きの説明と一緒に相続手続きの案内がなされるようになるかもしれません。
例えば、市役所等の役所へ年金・保険等の手続きをした場合、同時に相続登記を促されるようになるかもしれません。
例えば、葬儀屋さんで葬儀の際に、相続登記をしてくれる司法書士を紹介される時代が来るかもしれません。
このように、相続登記の受任経路が増えていくと思います。
同時に、個人のお客様からの直接受任も増えてくるはずなので、ホームページでの情報開示にも力を入れていき、個人のお客様のサポートもこれまで以上にしていこうと思います。
当事務所では、多様な業界の方々と連携しながら、相続・後見・遺言等々の業務に力を入れています。
個人の方だけではなく、連携・提携の話がしたいという方がおられれば当事務所にご一報ください。
このコラムを通して、少しでも皆さまの抱えるお悩みの解決の糸口が見つかれば幸いです。
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相続登記がついに義務化!?
司法書士業務の中でも、認知度の高い業務である相続登記。
相続登記とは、不動産所有者が亡くなった場合、その相続人に登記名義を移す業務のことです。
なぜこの相続登記をしなければいけないかをご説明します。
不動産の権利を動かすときには、不動産所有者が申請人として署名や押印をしなければならず、所有者が無くなってしまうとそれができません。
「じゃあ、亡くなった人の名前で署名とハンコを押せばいいじゃないか。」とずるいことを思いつく方もおられるかもしれませんが、そうはいきません。
不動産を売却したり不動産に担保を付ける場合には、印鑑証明書を添付しなければならないのです。
当然、死者の印鑑証明書は発行されないため、相続登記をしなければ不動産の権利を動かすことができないのです。
しかし、逆に言うと、現在の法制度では「処分・利用しない不動産」に関しては、相続登記をしないことの直接的なデメリットがなかったのです。
巷では、「相続登記を放置すれば、相続人がどんどん増えていき、かえって費用がかかる」だとか、「相続人が増えると紛争になる」などと言われています。
これは正しいのですが、現状では「どれだけ相続人が増えても使わない不動産は登記してもしなくても変わらない」という不動産も多いのです。
この現状は、不動産の有効利用の可能性を狭めるため、国・地方自治体としては好ましくありません。
例えば、田舎の利用価値があまりないような土地でも、工場を誘致したりする際には土地の売買契約・賃貸借契約が必要です。
この時、使えない土地だからと相続登記をしていなければ、土地の購入希望者は当然購入をためらい、土地の有効利用の可能性が減ってしまいます。
しかし、相続人の立場になってみると、工場誘致などは頻繁に起こることではなく、将来の薄い処分可能性のために現在の相続人が費用と労力をかけて登記をするかというと、必ずしもそうではないということにつながるのです。
このような土地がどんどん増えることで、相続登記が長年されていない土地が増加してきたのです。
これを「所有者不明土地」と言います。
このままでは所有者不明土地は増加する一方です。
そこで今回、相続登記が義務化されるという流れになったのです。
つまり、相続が発生した場合、相続登記をしなければ過料が科されるということになるのです。
司法書士にとってはもちろん、追い風になり得る法改正です。
ただ、義務化になる以上、一般の方が手軽に相続登記ができるように手続きが簡略化される可能性もあるでしょう。
とりあえず法改正までに情報を集めて、司法書士として柔軟に対応できるようにしたいと思います。
当事務所では、個人のお客さまからの相続登記案件も多数受任しております。
電話・メールでのお問い合わせはもちろん、ZOOMなどでのオンライン面談も行っております。
神戸市以外のお客様・不動産であってもご対応しますのでお気軽にご連絡ください。
このコラムを通して、少しでも皆さまの抱えるお悩みの解決の糸口が見つかれば幸いです。
神戸市中央区に事務所を構える私たち小鴨司法書士事務所は、「身近な街の法律家」として、特に個人のお客様の相続手続き(遺産整理・相続登記)や、生活再建に欠かせない債務整理(借金問題)の解決に力を注いでいます。
法律家への相談は敷居が高いと感じるかもしれませんが、当事務所はご依頼のほとんどが個人のお客様であり、誰もがアクセスしやすい事務所づくりを徹底しています。ご相談の際は、必ず司法書士である私が丁寧に聞き取りを行い、明瞭な料金体系で安心して手続きを進めていただけます。
相続、借金、将来の不安…。どんなお悩みも、まずは当事務所にお話しください。あなたの「最初の一歩」を全力でサポートいたします。
面談の結果、ご依頼に至らなかった場合も費用は一切いただいておりません。どうぞお気軽に無料相談をご活用ください。
兵庫県の特殊詐欺被害が増加。成年後見人としてどう見るか。
本日、気になるニュースを目にしました。
兵庫県内で、2020年に確認された特殊詐欺の被害額が5億円以上増加し、増加幅は全国で最悪の数字だったようです。
特に神戸・阪神間で被害が集中しているようで、富裕層が比較的多い地域であること、交通の便利さなどが原因になっているようです。
さて、この特殊詐欺の被害者はやはり高齢者が多くなっています。
私のような成年後見にも力を入れている司法書士は在宅の方の財産管理を受任することも多く、こういった被害からは確実に被支援者を守っていかなければなりません。
成年後見という制度には、被支援者の認知レベルの低下度合いによって、「後見」「保佐」「補助」という類型に分かれます。
後見相当の方であれば、日常の財産管理のほぼ全てにおいて常時支援を必要とします。
しかし、保佐・補助相当の方であれば、一部自分自身でできることもあります。
私たち司法書士としては、「自分でできること」でかつ「自分自身でしたい」と考える部分は監督はしながらもご自身でやってもらうようにしています。
お小遣いとして現金を渡したり、施設への預り金として現金を使うようにしています。
ただ、このような詐欺というような話が出てくると、不安もあります。
当然、被支援者だけで大きな額の預金を引き出したり、振り込んだりができないような環境は作ります。
しかし、特に在宅の方であれば、家の中に高価な物がある場合もあります。
いくら現金に比べて足がつきやすく、被害に遭いにくいとはいえ、危険がないわけではありません。
特にこのご時世で頻繁に面談を行うことも難しくなっています。
今回のこのニュースを見て、預金・現金等の財産以外の、在宅の方の高価な動産等も注意して管理していこうと思いました。
当事務所では、成年後見業務にも力を入れて業務を行っております。
介護施設・訪問介護のケアマネージャーさん等からのご依頼も多く、できる限りフットワーク軽く対応することを心がけています。
お近くに施設の入所・不動産の処分等でお困りの方がおられましたら是非お声掛けください。
本人様に後見制度の説明から、申立て、場合によっては候補者受任まで一貫してご対応しております。
債務整理等、他の業務と同様、相談・出張説明でも費用は一切いただいておりません。
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最近増えている業務(年度末編)
年度末がだんだんと近づいてきました。
司法書士業界も年度末、特に2月後半〜3月にかけては忙しくなってきます。
ありがたいことに、私の事務所でも年度末のバタバタした雰囲気が少しずつ押し寄せてきました。
さて、この年度末、特に増えてくる業務は「不動産決済」に関する業務です。
司法書士の王道とも言える業務ですが、具体的に司法書士がどんな段取りで動いているのかをご説明していきます。
不動産決済・不動産取引に関する業務で司法書士が表舞台に出てくるのは最後の最後、残代金の支払いの場面です。
通常、不動産のような大きな買い物をする場合は、手付け金と残代金の2回に分けて代金を支払います。
残代金の決済では、数百万円〜数千万円、時には数億円といったお金が動くことになり、そのお金が動くことで所有権が売主から買主へと移るのです。
しかし、所有権というのは権利であり、目に見えません。
その目に見えぬ権利をしっかりと公示させていくのが司法書士の役目なのです。
司法書士は、残代金の決済当日、お金が実際に動く前に権利証、印鑑証明などの書類、当事者の意思を確認します。
そして、所有権移転登記を確実にできる状態になって初めてお金が動くことを許可するのです。
つまり、お金の動きと所有権の動きを確実に公示するための最後の砦が私達司法書士なのです。
決済当日はこのように書類、意思の確認をし、お金を動かし、書類を法務局に提出するだけの仕事です。
しかし、この決済当日までには様々な準備を行なっているのです。
司法書士は、不動産決済の依頼を主に不動産業者より受けます。
当日までの大きな流れは2つ、売主側の準備、買主側の準備です。
まず、売主側の準備としては、登記簿上の住所と現在の住所に差異がないかを調べます。
不動産業者からの聞き取りなどで、住所に変更がある場合は、住所の変更登記の準備もしなければなりません。
住民票、戸籍の附表などを見ながら住所の変遷をつけていきます。
これをしなければ、当日、買主に所有権を移すことができません。
他には、売主が不動産に担保をつけている場合があります。
この場合、担保を外す登記をしてから買主に移転しなければなりません。
この登記のためには、金融機関との打ち合わせが必要です。
これも当日までに確実にしておかなければなりません。
以上が売主側の主な業務です。
次に買主側。当然、買主側はまだ登記簿に名前が載っていないので、住所の変更については変遷をつける必要がありません。
しかし、買主は売主とは逆にこれから担保を設定することが多いです。
その場合、貸付を行う金融機関との打ち合わせが必要で、多くの場合、決済当日までに一度はその金融機関を訪れることになります。
これが買主側の業務です。
言葉にするとこれだけですが、これが複数になってくると、打ち合わせの金融機関だけで膨大になってしまいます。
私も最近は、明石〜大阪間をバタバタと走り回っています。
少しでも当日の動きを減らし、ミスなく決済が実行できるように年度末に向け、頑張って行きたいと思います。
売主側、買主側のより細かい業務についてもまたお話していこうと思います。
当事務所では、不動産業者様からのご依頼だけでなく、一般の不動産買主様、売主様からの登記依頼も受けております。
信頼できる司法書士に依頼することは、取引当事者の権利です。
今、不動産を売ろう、買おうとしている方で、何か分からないこと、気になることがある方がおられればいつでもご連絡ください。
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司法書士と供託ー②
前回に引き続き、司法書士の業務の一つである、供託業務についてのお話をしていきます。
前回は、弁済供託の登場場面についてご説明をしましたので、今回はその手続き方法から。
まず、供託をする役所ですが、これは「法務局」です。
不動産登記・会社法人登記といえば法務局というイメージがあるかもしれませんが、法務局は供託に関する業務も行っております。
この辺りも司法書士と密接している役所と言えるかもしれません。
では、どの法務局に供託してもいいかというとそうではありません。
不動産登記等と同じく、供託にも管轄というものがあります。
不動産であれば、不動産がある場所に応じて管轄が決まっております。
法務局は場合によっては現地に調査に行くこともあるため、近くにある法務局が管轄するのは理にかなっていますね。
供託手続きもこれと同じです。
具体的には、「債務の履行地」により管轄が決定されます。
ただ、不動産の場合とは違い、供託業務は〇〇法務局〇〇出張所では基本的にすることができません(一部の出張所では可能)
つまり、不動産の管轄よりも供託の管轄は広く設定されています。
理由は、事件数が不動産に比べると少なかったり、現地調査が不要であったりと様々あるでしょうが、この管轄には少し注意が必要です。
次に問題なのは「債務の履行地」とはどこなのか、ということです。
これも原則からお話をすると、債務の履行地とは「債権者の住所地」が原則です。
前回挙げた家賃の増額に関する弁済供託であれば、「大家さんの住所地」が基準となります。
例えば、大家さんの住所が神戸であれば神戸地方法務局の本局、養父市の方であれば神戸地方法務局豊岡支局ということになります。
ここまでが、どの供託所(法務局)に供託をすればいいのかという話です。
次は、どのように供託をすればいいのかという話です。
必要書類等は以下のとおり。
・供託書(法務局でもらえます)
・供託金
・被供託者宛の封筒
・委任状(代理人により行う場合)
以上の書類を用意し、法務局に対して申請を行います。
これはオンラインでも手続き可能です。
流れとしては、まず先行して供託書を法務局に申請し、審査が行われます。
書面での申請の場合、提出時に現金を持参することも可能です。ただ、その場合は、事前に打ち合わせをしておいた方が無難です。
現金持参の他にも、日本銀行の本店・支店・代理店に納入する方法、ネットバンキング、振込等々で納入することが可能です。
法務局は、供託書に書かれた供託原因を精査し、供託が可能かを審査します。
具体的な供託原因についてはこれも次回。
そして供託書の審査が終われば、供託金の納入が可能となります。
オンライン申請であれば、納入までネットで進められます。(先ほどの書類は郵送が必要ですが)
供託金の納入後は、法務局から被供託者へ供託書が通知され、供託がされたことが伝えられ、手続き終了となります。
これにより、強制的に弁済を行うことが可能で、家賃を支払っていない状態から脱することができます。
以上が簡単な供託の流れです。
次回は、具体的な供託原因等々についてお話をしていきます。
当事務所では、債務整理・供託・相続等、業務内容・対応地域に関わらず依頼に至らなかった場合は費用をいただいておりません。
相談も無料相談形式でご対応しておりますので、お気軽にお声掛けください。
このコラムを通して、少しでも皆さまの抱えるお悩みの解決の糸口が見つかれば幸いです。
神戸市中央区に事務所を構える私たち小鴨司法書士事務所は、「身近な街の法律家」として、特に個人のお客様の相続手続き(遺産整理・相続登記)や、生活再建に欠かせない債務整理(借金問題)の解決に力を注いでいます。
法律家への相談は敷居が高いと感じるかもしれませんが、当事務所はご依頼のほとんどが個人のお客様であり、誰もがアクセスしやすい事務所づくりを徹底しています。ご相談の際は、必ず司法書士である私が丁寧に聞き取りを行い、明瞭な料金体系で安心して手続きを進めていただけます。
相続、借金、将来の不安…。どんなお悩みも、まずは当事務所にお話しください。あなたの「最初の一歩」を全力でサポートいたします。
面談の結果、ご依頼に至らなかった場合も費用は一切いただいておりません。どうぞお気軽に無料相談をご活用ください。
司法書士と供託ー①
司法書士の王道業務と言えばやはり、不動産登記・商業登記・相続登記、この辺りが挙げられると思います。
ただ、それ以外にも当事務所のように債務整理であったり成年後見業務にも力を入れている事務所もあります。
これらの業務は多くの司法書士がやっているのですが、この他にも古くから司法書士の本来業務と呼ばれる分野があります。
それは「供託」業務です。
今回から数回に渡ってご説明していきますので、参考になさってください。
「え、私の悩みが供託で問題が解決できるかも」と思われる方もおられるはずです。
ではまず、そもそも供託とは。
供託とは、金銭であったり有価証券を国の機関である供託書(法務局)に提供することで、一定の法律上の目的を達成させる制度のことです。
このままでは分かりづらいので、民法、民事執行法等で規定されている供託の5つの効果・種類からご説明していきます。
まずは、弁済供託。
この供託が一番イメージしやすいかもしれません。
以下の具体例をイメージしてください。
・供託者(供託金を支払う人)はアパートの借主
・被供託者(供託金を受け取る人)はアパートの大家さん
・これまでの家賃は5万円だったが、急に大家さんから8万円への増額を言い渡された。
・供託者は納得いかないので、これまで通りの5万円を大家さんに持参したが、増額後の8万円でなければ受け取らないと言われた。
このようなケース。
大家さんの思惑としては、家賃を増額したいというのは建前で、実際は払えない借主たちを追い出して、アパートを取り壊して不動産を売り渡したいということが考えられます。
しかし、急に増額を言い渡された供託者にとってはたまりません。
引っ越すにしてもお金がかかるし、時期によっては動けないこともあります。
「大家が勝手に値上げして、その上、家賃を受け取らないから放置すればいいじゃないか」
とお考えの方もおられるでしょう。(僕も当事者ならそう考えるかもしれません)
しかし、司法書士として回答すると、一切の家賃を払えない状態は非常に危険です。
当然ですが、家賃を払わなければ家を追い出されてしまいます。
逆に言うと、追い出す権利が大家さんに生まれてしまうのです。
「大家が勝手に受け取らないのにおかしい」その通りです。
ただ、このような家の賃貸に関する法律である、借地借家法では、家賃の増額等で協議が整わない段階では「借主の相当と考える額を支払えばよい」ということになっています。
つまり、払わなくてもいいのではありません。
でも受け取ってもらえない。この時に登場するのが弁済供託なのです。
っと、少し長くなってきたので具体的な手続き方法等は次回ご説明します。
当事務所では、登記・相続等の業務はもちろん、供託・債務整理・成年後見等々様々な業務を行っております。
依頼の内容に関わらず、全て無料相談です。
是非お気軽にご連絡くださいませ。
このコラムを通して、少しでも皆さまの抱えるお悩みの解決の糸口が見つかれば幸いです。
神戸市中央区に事務所を構える私たち小鴨司法書士事務所は、「身近な街の法律家」として、特に個人のお客様の相続手続き(遺産整理・相続登記)や、生活再建に欠かせない債務整理(借金問題)の解決に力を注いでいます。
法律家への相談は敷居が高いと感じるかもしれませんが、当事務所はご依頼のほとんどが個人のお客様であり、誰もがアクセスしやすい事務所づくりを徹底しています。ご相談の際は、必ず司法書士である私が丁寧に聞き取りを行い、明瞭な料金体系で安心して手続きを進めていただけます。
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