司法書士は、全国統一の司法書士試験を受験し、合格した者が登録することができる士業です。
当然、全国に司法書士登録者がおり、行うことのできる業務もどの司法書士でも違いはありません。
ただ、司法書士の王道業務である不動産決済業務においては慣習上の違いがあります。
まずは、「別れ方式」の司法書士形式についてです。
この方式は、買主の司法書士と売主の司法書士が文字通り別れて別々に登記申請を行う方式のことです。
登記申請が委任に基づき行う業務であることを考えると、当然あり得る理屈ですが、どうやら東京等の関東では行われていないようです。
別れ方式がない地域では、基本的に司法書士は取引の場に1人だけということになりますが、神戸・大阪などで不動産決済を行う場合には複数の司法書士が登場するということです。
なぜこのように関西・関東で変わったのかは分かりませんが、複数の司法書士が関与することには当然、メリットもデメリットも存在します。
メリットとしては、売主側も自分の信用できる資格者に登記業務を依頼することが可能になります。
司法書士は登記業務を行う場合、登記申請人に対して本人確認を行います。
免許証などの本人確認情報を提示し、コピーされ、各書類への押印を促されます。
重要な個人情報を何も知らない司法書士という職業の人に知られるのに抵抗がある方もおられるでしょう。
そんな時に、知り合いの司法書士に依頼する権利があるということは大きなメリットでしょう。
逆にデメリットとしてはやはり費用面でしょう。
別れ方式がない関東圏では通常、買主側が指定した司法書士が登記申請を行います。
同時に買主・売主を同時に受任できるために、登記費用を減額してくれたりする可能性が高まるでしょう。
ただ、別々に受任することの多い関西圏では、日当など1日動いた最低限の対価を確実にいただかないといけないため、合計の登記費用としては高くなってしまうことが多いと思います。
これが別れ方式のデメリットです。
このように行う業務は同じでも、細かい慣習は地域によって異なる場合があります。
神戸に事務所がある関係でなじみがあることもありますが、やはり別れ方式が本来の委任の趣旨からすると当然のことに思います。
やはり登記申請人が自分の信頼できる司法書士を選択できる環境の方が良いでしょう。(実際には不動産屋さんが懇意にしている司法書士が多いのですが・・・)
関西圏でお家を購入する、売却するという方は、一度当事務所の料金体系等を参考になさってください。
自由に司法書士を選択できる権利が皆さんにはありますので。