司法書士として、不動産の相続登記はもちろん、預金・株式の相続手続きも多く手掛けています。
不動産の相続登記だけではなく、金融機関・証券会社への手続きもできるということは最近認知されてきたように思います。
ただ、昨今の財産はこういった目に見える財産だけではありません。
例えば、「ビットコイン」
少し前に、流行り、今も投資の一つの形として普及した仮想通貨と言われるものです。
他にも、「暗号資産」というものも今後の相続手続きに入ってくるでしょう。
しかし、特に暗号資産の取り扱いはまだまだ不透明なようです。
ただ、仮想通貨・暗号資産といった財産に相続税が課税されることが明示されています。
つまり、これらの財産が相続財産になることは確定的事項と言えるでしょう。
ただ、こういった財産の承継をどのようにしていくかはまだまだ不透明です。
仮想通貨といったものならまだしも、SNSのアカウントであったり、ブログが金銭的価値を持つ時代です。
こういったデータ・アカウントの相続も必要となってくると、その手続きはさらに複雑化していくでしょう。
では、どうすればいいのかというと、せめて自分の遺言書などを作成し、終活をする場合には、価値のあるデジタルデータも相続財産になり得るということを意識する必要が出てくるでしょう。
例えば、遺言でこのような文言を遺す場合。
「私の持っているパソコンを○○に相続させる。」
という場合、パソコンの所有権が指定された人に移るのは当然の遺言の効果です。
ただ、パソコンの中のデータはどうでしょう。
パソコンの中には、多額の仮想通貨・暗号資産が含まれていたとしたら・・・?
このような場合、相続人の中から、「パソコンは○○でも、中のビットコインは相続人で分けるべきだ」
という主張があることも十分に考えられます。
当然、こういったケースはまだまだ判例が少なく、確定的な法解釈は定まっていません。
そうなると、これは「危険な遺言」だと言えるでしょう。
遺言の作成といった、終活は基本的には「相続が起こっても誰も揉めないように」するはずです。
しかし、危険な遺言を作るとかえって親族間に軋轢が生まれるかもしれないのです。
では、さっきの遺言をこのように変えると、
「私の持っているパソコン及びその内部の一切のデータを○○に相続させる」
とした場合、これは中の仮想通貨・暗号資産も○○に相続させたことに疑義がなくなります。
このように、最新の情勢・判例・税制に精通していなければ終活を確実に行うことはできません。
司法書士はもちろん、税理士さんなどにもアドバイスを仰ぎながら、確実な終活をしていきましょう。
当事務所は、財産面での終活だけではなく、任意後見等での身上面の終活もサポートしていきます。
気になった方はお気軽にお問い合わせください。