最近、よく増えている相談内容があります。
それは、「不動産を相続したのですが、管理をしたくないので相続放棄をしたい」というものです。
これに関しては、相続放棄と不動産の管理責任とのお話をしなければいけません。
まず、不動産を相続した場合、価値のある不動産であれば、相続放棄をしようなどとは考えないでしょう。
しかし、田舎の家であったり、車が入れない道に面している等様々な理由から「価値がつかない」ような不動産が多くあるのも事実です。
その場合、相続したくない、相続放棄したいと考えるのも当然でしょう。
ただ、自分が相続したくない不動産は基本的に「他の相続人も」相続したくはありません。
すなわち、遅かれ早かれ相続人全員が相続放棄することに多くの場合なるのです。
その場合、借金を相続したくない場合の相続放棄であれば目的は達成されます。
しかし、不動産、特に建物を所有する場合はそれで終わりではありません。
空き家の所有者がいなくなっても空き家がなくなるわけではないのです。
残った建物は倒壊するかもしれませんし、火が出るかもしれません。
不審者が出入りする可能性もありますし、野良猫などが住み着くことも考えられるでしょう。
そうです、空き家には管理者が必ず必要なのです。
問題は、相続放棄によってこの管理義務からも解放されるのかということですが、この管理義務・管理責任からは相続放棄だけでは解放されません。
では、どうすればいいのかというと、相続財産管理人を選任するというのが一応の答えです。
詳しい相続財産管理人の仕事についてはまた別の記事を書こうと思いますが、一旦理解していただきたいことがあります。
それは、「相続財産管理人を無料でやってくれる人はいない」ということです。
基本的には、被相続人の財産から管理人に対して報酬が支払われるのですが、相続放棄を検討している以上、財産自体乏しい場合がほとんどでしょう。
その場合は申し立てた相続人が報酬を支払うことになるのです。
こうなってしまうと、費用と労力をかけて相続放棄をした理由が分からなくなってしまいます。
こういうルートをたどってしまう可能性が極めて高いのが、不動産相続を嫌い、相続放棄を選択するパターンなのです。
よって、当事務所でこういった相談があった場合、相続放棄はあまりお勧めしない場合が多いです。
では、どんな解決策が他にあるのか、ということになりますが、それについてはまた後日詳しくお話しようと思います。
当事務所では、相続から不動産処分のケースはもちろん、現在持っている不動産を何とか手放したいという方のサポートも行っています。
ただ単に相続登記のみを行う司法書士は多くおりますが、それだけでは完全な解決にはならないことも多いです。
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様々な専門家と協力しながら全力でサポートいたします。
このコラムを通して、少しでも皆さまの抱えるお悩みの解決の糸口が見つかれば幸いです。
神戸市中央区に事務所を構える私たち小鴨司法書士事務所は、「身近な街の法律家」として、特に個人のお客様の相続手続き(遺産整理・相続登記)や、生活再建に欠かせない債務整理(借金問題)の解決に力を注いでいます。
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