司法書士が行う債務整理(主に任意整理)の手続きの中で、最初に行うのは「債権調査」です。
今回は、この債権調査を丁寧に行う司法書士が依頼者にどんなメリットをもたらすのかをご説明いたします。
この債権調査、受任通知を発送してから、1、2か月程度で完了するのですが、それだけ時間をかけるのには理由があります。
債務整理の受任時面談の際、請求書等の債務が分かる資料を持参していただくのですが、それで単純な債務額だけは把握することができます。
ただ、この請求書だけでは情報が不十分なのです。
例えば、取引期間が非常に長い場合には取引の初期では利息が法定利息を超えていることがあります。
この部分は俗にグレーゾーン金利と呼ばれていますが、この違法金利が発生していると、現在の債務をそのまま支払う必要がなくなるのです。
なぜかというと、このグレーゾーン金利の部分は通常支払わなくていい部分、つまり過払い状態になっているからです。
よってこの部分は払いすぎなので、現在の債務と相殺することができるのです。(仮に払い過ぎ部分の金額が現在の債務総額を超えていれば過払い金請求も可能です。)
これらの一連の計算を「引き直し計算」と言います。
この引き直し計算を行うためには、現在の債務額だけでなく取引開始時からの履歴が必要なのです。
他にも、取引履歴の開示で分かることがあるのです。
それは、消滅時効にかかっているかどうかです。
例えば、「請求書は来ているが、最後に返済をしたのが5年以上前である」という場合。
この場合、消滅時効を援用することで、弁済義務から免れることが可能です。
この消滅時効の援用に関しても、貸金業者からの請求書だけでは情報不足であり、分からないことが多いです。
以上のように、引き直し計算・消滅時効の援用等、債務者にとって有利な情報を集めることができるのが「債権調査」の役割なのです。
また、このような法的なメリットだけではなく、他にも債権調査を丁寧にすることのメリットがあります。
それは、支払い開始までの時間稼ぎができることです。
通常、司法書士事務所に債務整理を依頼に訪れる方は、生活がひっ迫しています。
そんな中、受任即弁済開始となってしまうと、例え無理のない弁済計画を立ててるとはいえ、最初の弁済がかなり厳しくなることが予想されます。
そこでこの債権調査の期間が力を発揮するのです。
例えば、月々返済が5万円と計画を立てたとすると、債権調査の間に5~10万円余裕ができるのです。
この初期期間での貯金は任意整理の成功率をぐっと高めます。
これが債権調査のもう一つのメリットです。
今回説明したのは、債権調査を丁寧に行う司法書士に依頼するメリットについてです。
債務整理を依頼する司法書士を決めかねている方は、債務整理の手続き費用だけではなく、生活再建の成功率を意識している司法書士を選んでください。
当事務所では、債権調査を徹底して行い、依頼者の負担が一番少なくなるように手続きプランをご提案いたします。
まずは、無料相談であなたのお悩みを打ち明けてください。
年末年始もできる限りご対応いたします。