昔と比べ、海外が身近になった現代では、相続人の一部の方が海外に住んでいるというケースもかなり増えてきました。
日本は「ハンコ文化」であるとよく言われます。
段々と脱却が図られている業界もあるようですが、私たち司法書士が相手にしている不動産登記の世界はまだまだこのハンコ文化から脱却できそうにありません。
このハンコ文化が足を引っ張る場面はいくつかありますが、特に面倒なのは相続登記の場面です。
相続登記を遺産分割協議書を用いて行う場合、「相続人全員の実印+印鑑証明書」の添付が必要となりますが、相続人の中に海外在住の方がいると、この印鑑証明書の提供ができません。
そうすると、「印鑑証明書に代わる公的証明書」が必要となります。
海外在住者の在住国にも拠りますが、その場合、「サイン証明書」若しくは「サイン拇印証明書」というものが印鑑証明書の代わりに用いられることになります。
これらの証明書の取得方法は以下のようになります。
1、海外在住の方へ郵送で遺産分割協議書等の書類を送る。
2、海外在住の方がそれを持って、日本領事館・日本大使館へ行く。(要事前予約)
3、係員の前で署名及び拇印を押し、本人のものであることを示す証明書を発行してもらう。(手数料は1700円程度)
持ち物は領事館・大使館ごとに若干異なるようですが、パスポートと住所を示す資料であることが多いようです。
そして領事館等で取得した書類を日本へ送り返し、それをもって登記を申請するという流れになります。
当然ですが、相続人が全員日本にいる場合に比べ時間がかなりかかってしまいます。
後に不動産の売却等がある場合は、期間に注意して速やかに手続きを進めましょう。
また、相続登記には「在留証明書」も必要となる場合があり、これも同じく大使館・領事館での発行となるのですが、本籍地入りで発行する場合、戸籍謄本が必要となる点が注意事項です。
スムーズに進めるためには、サイン証明書を発行するために書類を郵送する際に戸籍謄本も一緒に郵送しておくことが必要です。
当事務所では、海外在住の方を含んだ相続案件も多くの経験があります。特に、相続手続きを急がなければいけない方は是非お問い合わせください。
このコラムを通して、少しでも皆さまの抱えるお悩みの解決の糸口が見つかれば幸いです。
神戸市中央区に事務所を構える私たち小鴨司法書士事務所は、「身近な街の法律家」として、特に個人のお客様の相続手続き(遺産整理・相続登記)や、生活再建に欠かせない債務整理(借金問題)の解決に力を注いでいます。
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