現在、日本の民法・戸籍法では、夫婦別姓を認めておらず、これを違憲だとする判決を求め、時たま裁判所により判断が下されています。
直近では、本日付のニュースでも夫婦別姓を認めない日本の制度は「合憲である」との判断が出されたようです。
合憲との判断が下されるまでの流れとしては、
・3組の男女が夫婦別姓での婚姻を求めるため、夫婦どちらの性を選択するかのチェックでどちらにもチェックをし、自治体に提出。
・当然自治体では受け付けることができなかった。
・3組の内、2組が東京家庭裁判所へ、残りの一組は同裁判所の立川支部に扱いが不当であることを申し出る。
・家庭裁判所としても自治体での扱いは不当ではないと判断。
・特別抗告で最高裁へ、夫婦別姓を認めない現行法は違憲であるとの確認を求める。
・それも認められず、自治体の不受理は問題ないことが確定した。
という大まかな流れです。
日本である法律が違憲かどうかを判断するためには、具体的に何かの事件が起こっている必要があります。
今回は、自治体での不受理の扱いがこれに当たるため、最高裁まで話が進んでいったわけです。
さて、この決定に対しては私は現状では仕方がないのかなと思います。
夫婦別姓を認めるためには、戸籍の制度を大きく変えたりする必要があるためです。
婚姻しなければ、配偶者として相続人となることができません。
これは夫婦別姓の問題の他にも、同性愛カップルにも同じような問題が立ちはだかります。
現行の民法などでは、配偶者は相続などの面で絶対的な地位が確保されています。
ただ、夫婦別姓をするため、同性愛カップルであるために婚姻ができないという方も多くおられるでしょう。
現状ではこれらの場合は、「家族信託」や「養子縁組」といった制度を利用し、財産面の流れだけでも夫婦に近い形を作り出すこともあります。
ただ、当然家族信託では費用がかかりますし、養子縁組については制度趣旨を考えると適していないような気もします。
普通に婚姻できる間柄であれば必要のないことなので、こういった関係性のカップルはやはり今回のような形で世間に声を上げていく必要があるのでしょう。
特に夫婦別姓を求めることについては、世論もかなりついてきたように思います。
司法書士が関与している、商業登記の場面でも、役員さんの婚姻前の氏名を併記することが認められる扱いになってきました。
私たち司法書士などの士業と呼ばれる先生も旧姓を用いることが可能になってきています。
このように、各職業での扱いは実際に変わってきています。
このまま色々な場面で旧姓を利用できるようになっていけば、戸籍法などの制度も変更に向かって舵を切るかもしれません。
こういったニュースにも注目していきたいなと思いました。
当事務所では、前述の家族信託を用いた同性愛カップルなどの方への信託契約書のご提案も行えます。
気になった方は一度ご連絡くださいませ。