先日、昨年度、神戸の司法書士の合格者の方とお会いする機会がありました。
この司法書士という資格は合格率が低く、難関資格という認識がされています。
試験科目も不動産登記法、商業登記法等のあまり一般になじみのない法律も多いです。
昨年度の合格率も約4%で、例年の3~4%と同じぐらいだったようです。
これだけを見ると、25人に1人の合格者となり、狭き門という印象になります。
ただ、受験者の中で本当に合格する気があり、かつ合格の可能性があるレベルの受験者数は総受験者よりグッと少ないです。
他の資格と異なり、司法書士には受験資格がないため、受験者の層は幅広くなるのです。
記念受験の方や、来年度以降の合格を目標にしている方、今年は学力が明らかに足りないと感じている方を除くと、合格可能性のある受験者は20%程度になるのではないでしょうか。
そうなると冒頭の合格率4%は意味が変わってきます。
合格可能性のある受験者の25%ぐらいが実際の合格率になると思います。
っというのを自分が受験の際には考えていました。
実際、司法書士試験合格者の平均受験回数は3~4回程度だそうで、合格率25%と考える私の考えとだいたい一致しています。
そうなると、大切なことは「4%の合格ラインに滑り込む」よりもまずは「合格可能性のある20%に入る」勉強をすることが大切です。
難関資格、上位4%しか合格できないと考えると、どうしても重箱の隅をつつくような細かい知識まで網羅しようとしてしまいます。
完璧な知識を全範囲できれば間違いなく合格できる資格です。
ただ、人間の集中力はそんなに長く続きません。
そうなるとどうなるか。
テキストの初めの数ページだけを完璧に覚えるだけ。。。
ということになるのです。
受験勉強などで同じような経験をした方もおられるのではないでしょうか。
限られた分野であっても100%の知識を持つことは尋常ではない労力が必要です。
しかし、初めの80%を覚えるだけであればそれほど辛くありません。
例えば、日本史の勉強で、大まかな歴史の流れ・有名な人物・大きな出来事だけを覚えている方は比較的多くいると思います。
でも、クイズ番組に出題されるようなマイナーな知識まで網羅している方はあまりおられないでしょう。
司法書士試験合格の秘訣はまさにここにあると思います。
どの分野でも100%の知識は必要ないのです。
全範囲の知識をを70~80%まずは取得し、合格可能性のある受験生になることが大切なのです。
そうすれば後は3分の1若しくは4分の1の確率で合格できるはずです。
そして、もし不合格になってしまった人は、来年度以降、知識を80から85にする努力をしていけばいいのです。
次の年は3分の1が2分の1に。もっと努力すれば3分の2の確率で合格できるかもしれません。
この試験、膨大な範囲がある以上、100%合格する受験生などほぼ存在しないのです。
まずは最低限の知識を取得し、確率勝負の所まで上がるという意識が必要だと感じました。
また機会があれば次は具体的な勉強方法もお話をしようと思います。