任意後見についてのご相談は少しずつ増えています。
その中でよくある質問はやはり、任意後見契約をどのタイミングで締結するのがいいのか。ということです。
これは非常に難しい問題です。
1番シンプルな答えとして、病気や事故でいつ認知能力が失われるか分からない以上は、すぐに締結するべきだ。という考え方も確かに存在します。
これは任意後見を確実に実現させるという意味では正解だと言えます。
ただ、任意後見契約の締結が早すぎるとデメリットも存在するのです。
デメリットが現れる場面として考えられるのは、財産状況が将来大きく変わることが予想される方です。
例えば、資産家の両親がおり、その相続次第によって財産状況が大きく変動する場合がこれにあたります。
相続財産が預貯金だけであれば、当初から相続した後のことも踏まえて任意後見契約をすることもできますが、不動産などがあればどうでしょう。
さらに相続人が複数おり、その不動産を承継するかどうかすら定かではないという状況であればさらに任意後見の契約内容を決めることが困難となります。
いや、困難というよりは、事後に大きな変更が必要という方が適切かもしれません。
そして、契約の変更にはその時点での認知能力が必要です。
つまり、相続するかどうかが確定した後で認知能力が残っていないと適切な任意後見契約が締結できないのです。
こうなると、最初に挙げた前提としての、「すぐに契約を締結するのがベスト」というのが当てはまらないのです。
むしろ中途半端な任意後見契約がある手前、法定後見への移行が遅れることもありあるのです。
このように、任意後見締結のタイミングはその人によって大きくことなります。
考慮する要素としては、年齢・家庭状況・資産状況・相続状況等々様々です。
しかし、締結のタイミングはバラバラでも、司法書士の相談タイミングはベストなものがあります。
それは、今日この日です。
できる限り早く司法書士へ相談し、ベストなタイミングでの任意後見契約を目指しましょう。
ぜひ任意後見、相続対策について気になるという方はお気軽にご連絡ください。