最近、ニュースで「リスク管理債権」なるものが増加していると耳にしました。
債務整理を行っている司法書士として恥ずかしながらこのリスク管理債権を耳にしたのは初めてでした。
リスク管理債権。字の感じからすると、「リスクを管理できている債権」なのかなと予想しましたが、調べるとどうやら違うそうです。
調べただけなので、もし金融機関の方が見たら笑われるかもしれませんが・・・
リスク管理債権とは、①破綻先債権、②延滞債権、③3か月以上延滞債権、④貸出条件緩和債権。
この四種類の債権の総称をリスク管理債権とするようです。
①は分かりやすいですね。要は、倒産した若しくは返済見込みのない債務者への貸付金です。
②と③は似ていますが、②の延滞債権に少し細かい規定があり、①と②に当てはまらない3か月以上の債権が③にあたるようです。
よって、普通に考えると、③はかなり少なくなるはずですが、調べた中では予想通り③の債権は少なくなっていました。
④もほぼ読んで字のごとくです。
債務者の経営再建又は支援を図るために、金利の減免だったり、支払い猶予などを取り決めた貸出金のことです。
要するに、債務者が破綻しないように食いつないでもらうための貸付金と言えるかもしれません。
ここまでの情報から、リスク管理債権は少ない方が銀行などの金融機関にとっては良いことが分かりますね。
リスク管理債権とは、銀行からすると不良債権になり得る債権と言えるからです。
ではこのリスク管理債権のために、銀行は必ず蓄えをしているはずです。
そうでなければ、リスク管理債権を抱える銀行とは取引するのが不安になるからです。
この時、リスク管理債権が不良債権となった場合に銀行が利用するのが「貸倒引当金」です。
この貸倒引当金が蓄えられていれば、前述したリスク管理債権が実際に不良債権となっても銀行が破綻することはありません。
そして、この貸倒引当金の額も今年は増加しているそうです。
ここまで調べてニュースの趣旨がようやく分かりました。
私が目にしたニュースが伝えたかったのは、「景気が予想通り悪い」ということです。
このご時世、特に飲食業界・旅行業界は大きな打撃を受けています。
ただ、倒産した会社の数は景気の低迷を見ると、それほどの数でもないとも言われています。
その理由が少しわかったように思います。
要は、「まだ破綻していないだけ」という会社・個人事業主が非常に多くいるということです。
返済猶予・利息の減免等々、金融機関も必死で皆さんを支えています。
しかし、状況が好転するのを信じ続けて、傷口が広がることも十分考えられます。
まずは、司法書士であったり、弁護士、税理士などの専門家に相談し、生活を再建できる可能市があるのかを考えてみましょう。
一日でも早い債務整理は、一日でも早い生活再建に繋がります。
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