戸籍の改製でヒヤリ(昭和23年改製)

パスポートの取得などのため、自分の戸籍謄本を見たことがある方は多いと思います。

現在の戸籍謄本は横書きで世帯ごとに作成がされています。

まだ未婚の方は、ご両親とあなたが載っており、結婚していればあなたと配偶者が載った戸籍が作成されているはずです。

今となっては当然のように感じるかもしれませんが、昔からこのような形ではありませんでした。

分かりやすい変更点から言うと、昔は縦書きで戸籍が作成されていました。また、記載は当然手書きでした。

しかし、その戸籍が横書きになり、またコンピューターで文字が出力されるように変更がされてきたのです。

その変更のことを「改製」と言います。そしてそれぞれの改製前の戸籍のことを「改製原戸籍(かいせいげんこせき・かいせいはらこせき)」と呼びます。

もし親族の方の相続手続きをされたことがあるという方は「はらこせき・げんこせき」というのを聞いたかもしれませんが、それはこの改製原戸籍の略称です。

司法書士は職業柄、被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍を集めることがよくあります。私もこれまで多くの戸籍を集めてきたので、正直分からないことはあまりなくなってきました。

しかし、相続登記を申請した際にヒヤリとする経験をしたことがあります。

法務局より、「小鴨先生、これ戸籍足りてないんじゃないですか?」とのこと。何度もチェックしたはずなのに、血の気が引きました。

「とりあえずそちらに伺います!!」と言い、法務局へ。

担当の方から戸籍を見せてもらうと、僕が集めた最後の戸籍に「昭和32年法務省令第27号により昭和○年○月○日○○戸籍改製」の文字が。

一瞬ヒヤリとしましたが、この改製日で改製がされているとすれば矛盾する点があり、調べていたことを思い出し、担当の方へ説明。(電話の時点で思い出せばよかったのですが、パニックになっておりました)

「ああ、簡易改製か。すいません、こちらの見落としでした。」と担当の方から言っていただき、こちらの書類に不備はなく、一件落着。

この簡易改製とは、昭和23年の戸籍法改正により起こる可能性がある現象です。

昭和23年の戸籍法改正により、日本の戸籍は「家」単位での作成から現在の形である「世帯」ごとの作成に変更されました。

つまり、それまでは祖父母、兄弟等をまとめて家単位で戸籍が作成されていたものを、1つの夫婦及びこれと氏を同じくする子のみに分けて作成し直しをしたのです。

しかし、この改製時点で、死亡・離籍・分家などにより既に1つの夫婦及びこれと氏を同じくする子のみの形になっていた戸籍については新たに戸籍を作成せず、「改製したことにした」のです。

この取り扱いを簡易改製と言います。

私は、この知識を最初は知らなかったのですが、提出した戸籍をチェックする際に改製されているとすればおかしい点(具体的には改製前に出生して死亡した子の記載が残っていた)があったので調べていました。

しかし、事前に調べていても法務局からの電話には慌ててしまいました。このあたりは経験を積んで、落ち着いて対応していきたいと思います。

 

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